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30歳童貞聖騎士おじさんVSドスケベロリサキュバス  作者: 御園蟹太郎
第一章 ロリサキュバスと出会うまで
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魔人十傑

「魔結晶?」


「はい。名前そのままなんですが、魔力を溜め込んだ結晶の事です」


「そんな都合の良いものが存在するのか?」


「えっと……結局人間も魔結晶も同じようなものなんです。人間は大気からマナを取り込んで、

加齢と共に体に蓄積していくんですけど」



その知識、今始めて知った……マジ?そういうもんなの?



「魔結晶はマナがあふれているところで、石とかにくっついたマナがどんどん大きな結晶になっていってできるものですね」



所謂現代の宝石に近い感じだろうか。

しかしそういう天然物は得てして少ないのでは……。



「しかし、そういったものの話はあまり聞かないが……」


「確かに、竜人族の方には馴染み深いものではないと思います。人間の間で流通している本に載っているもので」



そういうと、少女は一冊の本を差し出す。



「これが現在知られている……地脈と呼ばれる、マナができやすい環境を示した地図です」



そんな便利なものがあるのか……。



「む……この地図とやらは、どう読めばいいのだ……?」


「あっ確かに、ええと……少し古いものですので、でもこの地図が指し示しているのは、この近辺なんです」



という事は……。



「む、つまりこれは……少し遠くに見える、あの山のふもとか?」


「おそらくそうだと思います。ここから一番近い地脈というと、あそこですね」



そんなにあっさり見つかるものなのか?

しかしそんな便利アイテム、商人に狩りつくされていそうだ。



「ただ……」



お、やはり難しいのか。おそらく高級品、そうもなれば何らかの難易度があるはず。



「地脈はマナの温床。それに引き寄せられ、魔物の数は多く、

さらにそこで魔力を蓄え、強力になっているものも多いです。

さらに高純度の魔結晶は地脈の中心、つまり火山口の中です。灼熱に対する強い加護がなければ一瞬で骨ごと溶かされるかと」



それは無理だ。



なるほど高純度の魔結晶、それは当然こぞって手に入れたいものだろうが……、

流石に火山口の中に入るバカはいない。


さらに強力な魔物がうようよいるとなっては、商人も気安くはいけない。

強い護衛を雇えるならともかく、そんな強い護衛を雇うと魔結晶代では赤字になってしまうかも……という事か。

うまくできている。



「火山口の中か」


「はい。そこでなら、人間の蓄積したマナ程度は比にならない、高純度の魔結晶が手に入るとは思います。

竜人族の方でも正直難しいとは思いますが」


「むしろ私が適役かもしれんな。都合がよかった」


「もしかして強い加護とか」


「うむ。その通りだ。私は魔王様より賜った、『煉獄』の加護がある。これならば、ある程度の熱さに耐えられるのだ」


「ま、魔王から賜った加護!?」



えっ?魔王?という事は……?



「そうか、自己紹介がまだだったか。私は魔王軍で、竜騎兵団の師団長を務めている。

『魔人十傑』の一人、煉獄のヴォルカニクスだ。この度は貴重な情報、感謝するぞ」



「えええっ!?」



ずさり、という音が聞こえるくらい後ずさりする魔法薬師の少女、そんなにすごいのか、この竜人ひと



「貴方もよく驚きませんね!?」


「強かったからすごいのかなと」


「感想がすごくあっさりしている!?」


「ふむ、単純ではあるがその実本質をついているな、流石来訪者だ」


「勝手に話が進んでいる!?」



どうやらめちゃくちゃすごい竜人ひとらしいな。

今のうちに聞いておこう。後で役立つ情報な気がする。



「魔人十傑って?」


「知らないんですか」


「そうか、来訪者はこの世界の知識が浅いんだな」



納得されている。ヴォルカニクスさんなんか知識すごそうだな。



「私もそこまで詳しくないのですが……ええっと、師団長さん、あの、機密とかだったらいいんですけど、

説明をお願いしてもいいですか?」


「無論構わん。我々魔人十傑は、情報を知られたところで遅れを取るような者はおらんのでな」



自信がすごすぎる。

これが強者……。



「まあ説明というほどのものではないがな。我々魔王軍には、戦闘部隊であると共に、

それぞれの種族をまとめる役割を持った、『魔人十傑』という十体の魔族がいるのだ。

各人が異なる加護を魔王様より賜っており、並みの魔族では比にならん強さを誇っている。種別は違うがな」



種別は違う……つまり単純な戦闘力ではなく、知略に長けてるやつとかいるという感じだろうか。



「特に魔人十傑というのは……私達人間もよく聞く程の強力な魔族なんです。

はい私もめちゃめちゃビビってますけど、なんとなく安全そうでよかったです」


「ふむ、先ほどは村を襲ってすまなかったな」



なんか道でぶつかった時みたいな緩い謝り方だ……!



「いえいえ、こちらの自警団が脆弱であることがよくわかったので……」



自虐的だ……!!しかし当然といえば当然か。日本にいた時はわからなかったが、ここでは守ってくれる警察みたいなのは……、

おそらく首都圏にしかいないのだろう。こういう辺境の村だと自警団を作るべきなのか。



「まあ我々みたいなものは天災に等しいからな。対策は必要だが、あまり恐れすぎる事もあるまい」



世界観と考え方があまりに違いすぎてついていけないが、これはこういうものなのだと割り切っていこう。



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