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30歳童貞聖騎士おじさんVSドスケベロリサキュバス  作者: 御園蟹太郎
第四章 30歳から始める学院生活
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強襲、『叡智』のサルガタナス




攫われたユユ達を追う俺達は、以前『共食カニバリィ』と戦った際、

襲ってきた相手である『赤装束』と再び遭遇した。


奴らはルイドスの私兵団だと思っていたが……、この様子を見ると、ルイドスも『研究所』とやらの一部だったという事か?


赤装束の面々は正直言って強いわけではなかったので、サクサク倒してユユ達を奪取…………、



…………いやいやいや!?





「魔術顧問、サリンジャー!助太刀に参ったぞ」




サリンジャーとかいう胡散臭い名前を名乗る、白衣を着たJK――――、



この世界でJKという呼ばれ方をするのは、一人しかいない……!



魔人十傑が一人、『叡智』のサルガタナス……!




「店長!」


「師匠……!?」



一応この感じ、サルガタナスと呼ぶべきではない気がしたので配慮した。

何に配慮したのかは自分でも謎だ。まあサリンジャーって名乗ってるから今はサリンジャーなのだろう……。




「待て!」



赤装束がユユ達を担いで逃げ出す……!しかしサルガタナスの発動させた魔術によって行く手を阻まれてしまい、

さらには土煙によって視界まで奪われてしまう。


流石は魔人十傑と言った所か。この世界に着てから多くの戦闘経験があったが、基本魔人十傑は格が違う印象だ。

真面目に戦闘して勝ったといえばヒナだが、最近の万能ぶりを見るとこいつ絶対初戦油断しきってたからな……。

初手から全力で来られたら確実に負ける自信がある。




「――お兄ちゃん!」



「あっ、えっ、何だ!?」



ヒナの声が一瞬途切れていた……!?


サルガタナスの魔術かは知らないが、一瞬、ヒナとの会話を遮断されてしまった。


会話を遮断した程度で何かできるとは思わないが、仮にも叡智……!ここはおそらく……!



「『魔術付与(エンチャント)』、『二律背反(アンチノミー)』!」



素早く剣に魔術を付与し、サルガタナスへ向かって走り出す―――、




「はん。もう遅いわ。『闇夜に踊る手向け人グレゴリー・ファンタズム』!」



「えっ……!?」



突如、周囲に影の騎士、魔術師等といった風貌をした……なんだこれ!?

様々な幻影が現れる!



「前学生が使ってきた奴の強化版か……!?」


「ううん、違う、これはあんなのの比じゃない……!」


「ウィード君、どうしよう!?これ、まずくない……!?」



「でも……」



ヒナの眼はあくまで「不思議」といった風で、驚きだとか、恐怖とかの感情はないように写る。

幻影たちは次々に武器?のようなものを手に取りこちらを威嚇する。どうやら指示待ちができるようなので、

普通の兵士団並みには統率が取れているようだ。



「おにいちゃん、アンチノミーは仕舞って……?」


「え、え?おう……」




「ふふ、気づいたか……確かにこのファンタズムは魔力の塊、そんなもので打ち消せば疲労は必須……!

しかしこの集団をどう突破する!さしもの貴様らとて、そう簡単には脱せまい!ふはは!!」



「くっ……」



「お兄ちゃん、くっ、じゃないでしょ」




え?



……いや待て、確かにそういえば、何かおかしい、

違和感を最初からずっと感じていた。



そもそも『叡智』のサルガタナスは基本、後衛の担当のはずだ。


わざわざ囮役を買って出る時点で、なんというか配役が間違っているというか、なんというか……。




―――お主の剣なら一刀両断できるから安心せえ。



あ。




よく考えなくてもわかる――、これは「演技」だ。

どういう事情があるかはしらないが、サルガタナスは俺達を足止めする「演技」をしているのだろう。



サルガタナスの強みはその「策略」自分自身がいきなり出てきて強い魔術ドーンみたいなのは戦法として愚策も愚策。

俺の剣なら一刀両断できるという危なっかしさを考えても、すくなくとも自分が出てくるべきではない。

しかも魔術を使った後、なんか棒立ちで魔術について語ってるしアレなんだ?全く意味ないだろ。普通に考えて次の魔術を準備するか、

逃げるか攻撃しろよ。



つまり、サルガタナスとしてもすぐに突破されたらまずいけど、適度に戦闘して適度なところで突破してね~って感じか。

本気で拘束したいなら既に空間ごと固定とかやりかねないしな。

そもそも前回学生が使った……?ああいう大技も組織としてはできるわけなんだし、サルガタナスができないわけないか。



「クッ……!!なんて強敵だ……トーラス!ここは出し惜しみしてる場合じゃない!なんか目立つ奴!!」


「指示が雑!?何か目立つ奴って何!?」


「いいから!なんか光ったりする奴!!」


「ええ~…?わかったけど……」


「わかったよお兄ちゃん!私も全力を出すね!いけっ!『光炎爆烈(プロミネンスフラワー)!」




大きな花火のような魔術が炸裂し、2~3体の幻影が弾け飛ぶ。


すごい雑。びっくりするほど雑。



「くそっ……なんて強力な魔術じゃ……!!これはまずい!!」



ほんまか?



「僕の大技を喰らえ!『クラッシュ・ブレイク』!!」



トーラスの放る球が幻影にぶつかった瞬間、強い閃光がほとばしる!


実際のところ威力はないが、良く光るし、すごく目立つ!



「ウィード君、本当に合ってる?」


「合ってる」



完璧だ。



「ウオオ!!俺も……なんとかかんとか……スラッシュ!!!」



特になんでもない袈裟切りで幻影の一つを倒す!



「お兄ちゃん、流石になんとかかんとかはダメじゃない……?」


「ナントカ・カントーカにしたほうがいいか?」


「ナントカ・カントーカってどこの国の言葉なんだい……?」




すごく雑に少しずつ幻影の数を減らしていく!




「くっ……おのれ!わしの幻影たちをこうも簡単に……!」



お前突っ立ってるだけじゃん。

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