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30歳童貞聖騎士おじさんVSドスケベロリサキュバス  作者: 御園蟹太郎
第一章 ロリサキュバスと出会うまで
2/71

公園で幼女観察は紳士の嗜み

――――――――――――――――



「朝か…」



見慣れたワンルームの天井。才能もなく、努力もせず、良い就職先に恵まれなかった俺は、

30歳の誕生日も一人寂しく迎えていた。


仕事は所謂フリーター。コンビニやスーパーでレジを打ったり品出しをする。

若い子との会話にはついていけず、周囲は皆結婚して友達もいなくなり、

いよいよ俺の人生とはなんぞやという気持ちになっている。



――そんな風に気分が落ち込んだ時は、公園に行くことにしている。


薄くなってきた髪にワックスをつけ、

簡単にひげを剃り、出かける。


公園で読書をするフリをしながら、幼女を観察するのが俺の日課だ。


幼女はいい。未来があり、希望があり、力強い「生」を感じる。

別に性的魅力を感じているわけではない。確かにロリもので抜く事は日常茶飯事だが、それはそれで、これはこれだ。



俺の人生はあとはもう、消費するだけ。

もはや芯のなくなった鉛筆のように、ひたすら削りカスが増えていくだけ。



しかしながら幼女というものは、まだなんにでもなれる、という可能性を感じられる。

あの子は将来何になるのだろう、どんな人生を生きるのだろう、そう考えるだけで今日も頑張ろうという気になる。


俺の仕事は瑣末なもので、正直今すぐ死んだところで影響はないだろう。

だが、俺が仕事をすることによって、スーパーでお母さんが惣菜を手に入れられているかもしれない。

その惣菜が幼女の栄養になっているかもしれない。そういう事に、俺は喜びを感じられるのだ。



今日の遊びはドッジボール。この公園は不審者が出ると専らのうわさではあるが、

近所で唯一ボール遊びが許可されているところという事もあり、日曜日の朝から子供達で賑わっている。



傍らの母親達の視線が痛いのはいつもの事だ。

だが俺は、かれこれ数ヶ月通ってこそいるが、未だに何もしていない。

ある意味で無害。ある意味で安心なのだろう。職質も受けたし、一度捕まってはいるが……、

まあ、実際何もしていなかったので、すぐ釈放してもらった。


とんとん、とボールが転がる。

強く投げすぎてしまったのだろう。拾いにいってやることにした。


だが、最近の幼女は早い、割と転がるボールに近い位置にいた俺よりも早く追いつきそうに……なるところで、

ボールが公園の外に出てしまった。


おいおい、危ないから良く見ろよー、と言うよりも早く、幼女は公園の外に飛び出し……。



そして俺は 「それ」 を見た。


未だかつてない走り出し、

過去最高の初速。


タッチの差で、幼女を、突き飛ばすことに成功した。


大きいおっさんに押されて痛かったかな、

捻挫とか、打撲しないかな。


特に女の子にとって顔は一生もの。傷がついていないといいな。



そこまで考えたところで、俺の意識は暗転した。



――――――――――――――――

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