目覚めるとそこにはロリサキュバス
異世界転移とはなんだったのか。
あらゆる魔物を跳ね除ける、最強の能力を得たはずだった俺は今、
絶体絶命の危機に陥っている。
両手両足は魔力によって拘束され、
窮地を脱しようと考える頭は、錯乱の呪術によってまともに頭が働かない。
その上――――――
「お目覚めはいかが?お・に・い・ちゃ・ん?」
耳元で蠱惑的に囁くその相手こそ、魔王軍幹部・『魔人十傑』の一人、『惑わしのリーゼフォン』である。
見た目こそ齢12歳ほど、小学校高学年程に見えるがその実、2000歳を超える老獪なサキュバスだ。
あらゆる冒険者達をその魅力によって篭絡し、自らの糧としてきた。
サキュバスとしての本領を発揮した彼女は、まだ着けていない方がマシなくらい防御力の薄い下着を纏い、
俺の胸や腹、下半身に細くて艶かしい指を這わせ、赤子を甘やかすかのような蕩ける声で耳元で囁く。
「もうこんなになってるよ……?ね、ぴゅっぴゅして……きもちよくなろ?」
囁かれる度、脳に激しい衝撃が走る。これがサキュバスの能力――――――、いや、
これは単なる俺の性癖だった……。
確かに外見年齢12歳の合法年上ロリとあまあまエッチをしたいとは考えていたが、
それは今でなくても良いだろう。
何故ってそれは……、俺が童貞を捨てれば……この世界は、いずれ滅んでしまうからだ。
順を追って話そう、まずは俺が転移する前……普通に日本で暮らしていた時の話だ。