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大陸独流星  作者: 東武瑛
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望郷

「なんか、嫌な予感がする」光二が言った。

「どんな予感だ」陳が聞く。

「村人にしては銃の扱いに慣れている」

「フム。確かにそんな感じはする」黄が言った。

「よし、見廻りに行く」陳はそう言って出て行った。

村を見廻って歩く陳。

「こっちに来て」女の声。

「どうした?」

「ヤバいよ、あなた達」

「どうしてだ」

「村人達は国民党のシンパよ。あなた達が寝た頃、合図して国民党が襲撃する事になっているのさ」

「どうして、それを知っているんだ?」

「皆が話してるとこ聞いたからさ」

「ねぇ、一緒に逃げない。あんたの事、惚れちゃったから」

「それは出来ない。皆に知らせに行く」

と言って陳は立ち上がり、戻って行った。

家屋

窓から明かりが漏れる。

「と言う事ですが」

黄は無線機を前に陳の報告を聞いた。

部屋には光二もいた。

「可能性は大いにある」黄は口を開いた。

「だが、留まるか逃げるか、判断に迷うな」

「皆、疲れ切ってますからね」と陳が言う。

「隣の村迄行くには一晩かかるし、奴等が追って来るかも知れない」

「よし。迎撃の準備をして今夜はここに泊まろう」黄が言った。

「わかりました。では皆に伝えて来ます」と言って陳は部屋を出て行った。

「私の掴んだ情報では正規部隊ではなくシンパの馬賊が来る可能性が高い。我部隊の装備で充分対処できるだろう」黄は橋本にそう言って再び無線機に向かった。

橋本は外に出て、空を見上げた。

星が出ていた。

日本の故郷を思い出す。

「横浜は今、どうなっているのだろう」

優しかった両親の顔が眼に浮かぶ。

はたして日本に帰れるのか。中国大陸に骨を埋めるのか分からない。

しかし、いずれにしても遠い先のように思えた。



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