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どん底から始まる異世界生活  作者: ことわり
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プロローグ

(ヤバい遅くなった。早く帰らないと)


バイト先で粘着クレーマーに絡まれたおかげで

帰りが遅くなってしまった。。。


(って言うか、店長何で出て来ないんだよ。。。

トイレ行ってたあ?

終わった後に出て来て上に、ご苦労さんの一言もなし。

その上、お客様は神さまなんだから話聞いてあげるのも仕事だと?

それならお前がやれよ。。。ったく。)


30台のメガネおやじ(きもデブ 親から店をついだボンボン店長)のドヤ顔が浮かぶ。


(辞めてぇ。。。)

とは言え両親が事故で呆気なく亡くなり、天涯孤独になった俺にとってはクソみたいな職場でもしがみつくしかない。


(まったく持っておさき真っ暗だな。。。

明日も早いし、早く帰ってパスタでも食って寝ちまおう。)


50ccの原チャリを吹かしたその時だった。


『ズリッ』

何かがブレた。。


『ズッ』

そしてズレていく。。


『ズッ』



『ジュ』

真っ白に目の前が染まる


そして

「バン」



俺の意識は飛んだ。



※※※※※※


『ズザッ』



『バーン』



渇いた大地に爆音が響く。既に辺りは夕闇に包まれていた。


「誰か見てこい」

低い男の声が飛ぶ。


「はっ」

と言う声と共に、供らしき者が音に向かって走りだす。


数分程後にその者は戻って来た。


「マイロード。ここから300ナノ(=メートル)程先に、何者かが倒れております。ヒューマノイド(ひと)かと。周りの下草に燃えた後がある為、ガスダマリに何らかの理由で火が引火したものと思われます。」

ここいらは湿地帯であり、メタンガスが溜まり野火が引火し燃えることもままある。そう兵士は判断したのだろう。


「我らに害をなす可能性は?」



「火も消えており、危険性は無いと思われます。」



「なら捨て置け。」



そう言って男は野営地に戻りかけた。



「待て。」

思い直したかのように声がとぶ。


「ヒューマノイド『かと?』だと?」

説明を促す。



「はっ、全体的に焼け爛れており、判別できかねます。」



「我も行く。案内せよ。」


※※※※※※


「ウーム」



「『ゾッド』お主はどう思う?」


偵察に行ってきた男が振り向くと

いつの間にか、黒衣の魔導師らしき男が後ろに控えていた。


「おかしいですな。野火に巻き込まれたにしては、『燃えすぎて』おります。まるでドラゴンのブレスか若しくはそれに似た高出力の魔力がこの者の体を突き抜けたかのように見受けられますが。。ここら辺にドラゴンの巣はないはず。ハグレがいたとしても我らの魔力に引っ掛からず抜けるのは難しいかと。」



「結論を述べよ」



「今の状態では分かり兼ねます。それこそその脱け殻に問い質すしかないかと。」



「まだ、呼び戻せるのか?」



「かろうじてこの者には銀のラインが見られます。今すぐ処置をすれば、あるいは。」



「その価値があるかだな。まあ、良い。この時期不確定要素の入る余地を残したくない。『エレナ』を使え。」


「はは。」


それだけ言うとマイロードと呼ばれた男は、もはや興味を失ったかの様に去っていった。


※※※※※※

バイクのエンジンを吹かした時

俺はこの世から滑り落ちた。


暗闇の中を滑り落ちると共に『宇宙空間』とも

みえる空間に落ちていく。。。


そして、『バン』と言う衝撃と光と共に魂が肉体から弾き飛ばされたのを感じた。。。


(ははは、俺死んじまったのかな。)


自分の肉体が焼け焦げて別の黒い穴に飲み込まれていくのが見えた。横に浮かんでいる原チャリも同じように引き込まれてていくのが見える。


ちくしょう。。。


俺にとってひどい世の中だったが、決して死にたかった訳じゃあなかった。神も仏もないってこのことか。


暫くこの空間に漂っていると凄い力で穴に引き込まれていくのが感じられた。。。


そして、俺の意識は途絶えた。



※※※※※※

次に目が覚めた時


身体の心臓付近から温かい光のようなものが身体全体に広がっていくのが感じられた。

心臓を中心に身体の隅々まで、エコーのように何かが波を打って広がっていく。


誰かの声が頭に響く


『光を意識して』


『光を巡回させます。』


『額』


『喉』


『お腹』


『足』


そして、『足』


『お腹』


『額』


声と共に光がその場所に移動し、波紋が広がっていく。。。


『私が治します。安心して下さい』


そして、また俺は意識を手放した。



※※※※※※




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