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カラオケボックスを出て、そうくんの家に戻るためにバスに乗る。最寄りのバス停に着くと、きょうはクリスマスだからケーキを買っていこうということで小さなケーキ屋さんに立ち寄った。昼食とカラオケはそうくんの奢りだったので、チョコレートケーキ2個は私が出すことにした。帰り道に「店員さんが俺のことを、『女の子に奢らせるなんて、とんでもないやつだな。800円くらい奢ってあげろよ』と言いたそうな目で見てた」と言っていた彼だけれど、これくらい大丈夫よと彼を励ましたのである。
そうくんの家に着いた後は、お手製の野菜炒め、炊きたてのごはん、ケーキを食べる。それから、テレビでサッカーを鑑賞しながら某通販サイトから届いた棚を一緒に組み立てた。そうしているうちに最終バスの時間が近づいてきたので、そうくんは私をバス停まで送ってくれて別れ際にキスをする。
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大学の友達のSNSを見ると、彼氏からルームウェア、ネックレス、ピアス、指輪などをもらったというコメントが写真付きで書かれていた。彼女たちの彼氏はそれなりのものをプレゼントしていたのに、私の彼氏は靴下しかくれなかったということでイライラが募り、そうくんに以下の内容を送る。
【傷つけたくないし欲しいもの言わなかった私も悪いけど、靴下だけっていうのはショック。今更って思うかもしれないけど、好きな人からのクリスマスプレゼント楽しみにしてたから余計にね】