その2
婿に行った先のお姫様はまさかのおじさんだった?!
「ブゥエ・・・」
口付けをした口を一生懸命ぬぐっている王子を横目にまたもやエルフが猿芝居を続けいている。
「ひっ・・・姫様お目覚めになったのですね。」
それに続け実は眠ってなどいなかった姫様(仮)も加わる。
「なんだかとても長い夢を見ていたわ。」
野太い声でこの見た目の姫様(仮)にキスを奪われた現実を逃避しようと黙り込んでいる王子に視線を送る姫様(仮)。彼女?の視線に耐えきれなくなり、決して目を合わせまいと王子は顔を俯けた。そんなことも気にせず姫様(仮)は、話を続けた。
「あなたが私を目覚めさせてくださいましたのね!」
「ささっ!王子返事を」
エルフが王子の背中を押す。
「あっ・・・」
力が抜けきっていたらしく王子は崩れ落ちた。その瞬間王子は姫様(仮)と目を合わせてしまった。
一方で、王子が床に付していても気にせず姫様(仮)は話を続けた。
「まあ!そうなのですね。」
「良かったです。姫様」
「ほんとに良かった。やっとこのドレス脱げるからな。ヒゲはやしても、スネ毛はやしても、体鍛えてもドレス着せられるわ、化粧されるわで辛かった。」
姫様(仮)の野太かった声が一変し、透き通った優しい声に変わった。
「やっと開放される。」
そう言って姫様(仮)は、かつらを放り投げた。
地毛は、赤髪のかつらとは違い、白に近い透き通った金色の髪でとてもきれいな色をしている。
「姫様は、元からムダ毛薄いですからね・・・ヒゲもつけ髭でしょう。一同皆きずいていましたがしばらく、城内での勤務だけでしたので何も言わなかったのです。」
「えー!バレてたの?!」
エルフの言葉に返事をしながら、姫様(仮)は、慌ててつけ髭を外した。ヒゲとかつらが取れた姫様の顔はとても綺麗で整っていた。
「ですがマッチョになられたのには驚きました。でもどうせ姫様のことですから、城の薬師に調合してもらった薬でも使ったのでしょう?」
「・・・さすが、エル(エルフの呼び名)だね。あと1時間もすれは、このムキムキボディと、あとスネ毛も消えるよ・・・。」
「やっはり、そうでしたか。ですが、もう姫様・・・いえ、ルイス様にドレスを着せなくて良くなるのですね!」
「そうそう、僕もドレス着せられなくていいんだよ!」
「どういうこと・・・ですか?」
二人の会話をはっきりしないまま聞いていた王子が姫様(ルイス様)に聞いた。
「よくぞ聞いてくれた。次期僕のお姫様!」
その言葉に王子の思考が戻る。
「次期お姫様?誰が?」
「だから、君だよ。」
そう笑顔で答える。
「なんで俺なんだよ?!」
余りにも意味がわからない自体に王子の思考は追いつかなかった。
「この国は、男だらけ・・・いや、男しかいない国なんだよ。だから、そんなむさくるしい国には少なからずとも花が必要でしょ?それが今の僕ってわけ。」
「なら、お前が姫のままでいいじゃないか!」
「それがさっき、君は僕と口付けを交わしたでしょ?」
「それが何かあるのか?」
「実はこの国の姫は、姫が提示した条件を満たした相手と姫の仕事を交代できるってわけ。」
「つまり?姫は交代制ってことか。」
「まあ、そういうこと。それで僕は、姫を変わる条件を口付けにしたから、君は条件を満たしてるんだよ。」
「でも、俺に断る権利はあるだろ?!」
「あるよ。でも、断れるかな?君の国との話は無かったことになるけど。」
「それは・・・」
「君の国は確か小国で出回っているほとんどの食料品から何からがこの国からの輸出品だよね。断ったら・・・」
少し間を置いて難しそうな顔をして王子が返事をした。
「・・・わかった。化粧とかつらだけだろ?でも、男だけの国って言ってたよな。どうやって人口保ってるんだ?俺達の子供は?」
「いい質問だね。・・・」
「大丈夫です!ご安心ください。今の医療技術は発達していますからね。男同志でも子供は作れるんですよ。」
ルイス様に投げかけた質問にエルフが笑顔で答えた。
「・・・つまり?」
「君が産むんだよ!」
ルイス様の口から王子に追い打ちがかかった。
「聞いてないぞ・・・やっぱりこの話は」
そう言おうとする王子の隣でエルフがボイスレコーダーを再生させた。
「・・・君の国との話はなしになるけど。・・・」
「・・・わかった。・・・」
「・・・わかった。・・・」
・・・
「わかった。そうおっしゃいましたよね?」
エルフがボイスレコーダーを再生しながら王子に問いかけた。
「やめてくれ。わかった。やるよ、・・・」
「本当に?!」
嬉しそうにルイス様が訪ねた。
不服そうに王子がうなづいた。




