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2話


「おはようございます、団長」

「おはよう。今日の訓練はまずランニングから筋トレ、素振りをメインでしなさい」

「了解です!それでは失礼しました」


騎士団長というものは面倒くさい書類仕事しかないのか。そういえば昨日、目のあった女はシーゼ家の令嬢か。あの娘を目に写した瞬間自分の腕の中にいや、屋敷にでも連れ帰って閉じ込めてしまいたい衝動に駆られた。それに声をかけられて応えてしまうとは、、。

それにしても、令嬢のあの雰囲気は我等の一族にはこれ以上とない幸運の人となるくらいだ。



今日は、王妃様のお茶会に招待されていたはず。それなりのドレスを着ないといけないわね。


「濃紺のドレスにピンクの花のコサージュでいいかしらね」

「お嬢様、馬車の用意ができました」

「あら、ありがとう」


何も言わなくても用意をしてくれて、本当にうちの使用人達は良く出来ているわ。感謝しないとね。


「ご機嫌いかがですか?シーゼ嬢」

「ご機嫌よう、皇太子殿下。どちらにお行きですか?」

「騎士団に行って稽古をつけてもらうつもりだ」

「まあ!騎士団でございますか。ところで、トレントと呼ばれている方をご存知でしょうか?」

「トレントですか、、、確か騎士団長の名前が確かトレントバル・エディンだったと思います」

「まぁ、ありがとうございます。お怪我をなさいませぬようお気をつけください」

「ありがたいが怪我は仕方がないよ。それでは、シーゼ嬢は母上とのお茶会を楽しむといい。失礼するよ」

「ありがとうございます」


去って行く皇太子殿下を見送り自分も会場となる温室へと足を進めた。


「本当に王妃様が育てられたこの花ばなたちは、凛としていて見事なまでに咲き誇っていますわねぇ。特に、紫の姫沙参(ひめしゃじん)は特に凛としていますわ」


うっとりと花たちを眺めておしゃべりをしていると慌ただしい足音が聞こえてくる。


「騒々しいですわね。何事なのです?」

「申し訳ありません、王妃様。賊が侵入したようでこちらで怪しい人物をご覧になられませんでしたか?」

「いいえ、見ていませんわ。こちらでないとしたら、東の(あずまのみや)の方にいるかもしれないわね」

「ありがとうございます。そちらのご令嬢も見ていないとなると、そこしかなさそうですね。探してみます、それでは失礼いたします」

「大変なことになっているわ。今日はもう家へ帰りなさい」


友人の娘であり、一臣下でしかない伯爵家の娘である私には、暗に王宮のゴタゴタに巻き込まれる必要は無いというお心遣いから出た言葉であるのだろうと理解しその場で簡略された礼をして部屋を出た。


夕方になり、我が家の食堂で夕食をいただき部屋へと戻ると紫の瞳と黄色のオッドアイ猫がいた。


「こんばんは、猫さん。...どこから入ってきたのかしら?でも彼の方に似た瞳をしていて綺麗だわ。猫さんは、トレント様を知っているかしら。一度目にしただけでしかないのだけれど、私と相性がいいと思うのよね。猫さんはどう思うかしら?ってそんな事聞かないでっていうよりこんな話関係ないわよね〜」


話しかけていたと思っていた猫がいつの間にか消えていた。

見間違いだったのだろうと思いベッドで寝る事にした。

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