高千穂絵麻さんにチョコもら会っちゃった!
彼女が誰にチョコをあげるのか…。
学校中の男子が注目している。
「高千穂、誰に渡すんだろう?」
そんな会話があちこちで囁かれている。
放課後。
女子たちがチョコを配り始めた。
そんな中、彼女はいつの間にか居なくなっていた。
僕は一つも貰えなかった。
早々に一人で教室を出る。
校門を出たところで声を掛けられた。
「日下部くん」
「高千穂さん?」
彼女は小さな包みを手にしていた。
「僕に?」
「内緒よ」
彼女はそう言って微笑んだ。