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露天掘をやってみたい!  作者: け~らく
・1日目(4月29日木曜日)

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7/32

第7話「戦技と森の獣」

ちょっと長引いてしまったので分割しました。


 いつの間にか肉や皮や石で重量が厳しくなってた、整理しないと。

「総司の方はアイテム重量大丈夫?」

 新しく見つけた草むらから薬草を何本か引っこ抜いて渡してくる総司にたずねる。

「おう、こっちは大丈夫。STR高いしな、レイの方は厳しいか? まだ余裕あるなら北に見える森まで行ってみたかったんだが」

 総司が指差した方向に森が見える、そんなに遠くはない。

「ちょっと待ってー、荷物整理したらまだ行けると……あ、行けるね」

 インベントリから猫車を出した。


インベントリ 収納数16/30 限界重量58.7/223

木製猫車 収納数7/20 限界重量142.3/250《重量軽減5%》


「これであと250くらい持てるよ」

 ゴロゴロと猫車を前後させて使い心地を確かめる。

「初期アイテムで猫車貰えるスキルがあったのか、便利そうだな」

「うん、ファナのオススメだったんだけど、早速役に立ったよ」

 猫車が無かったらとっくに重量オーバーで町に戻ってる所だった、彼女のアドバイスに感謝感謝。

「ファナって誰だ? NPCか?」

 襲ってこない草ネズミや草原ウサギは無視して森へ歩き出す。

「誰って、チュートリアルで色々教えてくれた妖精さん」

「え? チュートリアルのNPCって巨乳美人のミルティさんだろ?」

 あれー?

「チュートリアルのNPCって何人もいるんだな」

「プレイヤー1人に対して1キャラだったりして……」

「ねーよ、何万人NPCが必要になるんだよ」

 それもそうか……。

「あ、でもファナはノースランドにいるから再会楽しみにしてるって言ってたし、ゲーム内のNPCを使い回してチュートリアルに出してるのかも」

 再会デートが楽しみ、それまでにしっかりプレイスタイルを確立してファナのお陰だよってお礼を言いたい。

「再会って、デートの約束でもしたのかよ。手が早いな」

「総司だってミルティさんだっけ? 口説いたんでしょ?」

 巨乳美人って時点で絶対口説いてるはず。

「おう、そりゃなー。船が揺れた時にバランス崩したから倒れないように抱き留めたらいい雰囲気に……ってありゃ?」

「ん?」

 総司が話をしながら近寄ってくる草ネズミに攻撃をして妙な反応をした。どうやら一撃で倒せなかったらしい、草ネズミがひっくり返ったままもがいている。

「えい」

 もがいている草ネズミは僕が木製猫車で踏んでトドメ。

「残ったな……」

「残ったね、大剣の耐久値が落ちて性能が低下したとか?」

 鍛冶スキルはあるけど修理の仕方とか全くわからない、《武器鑑定》も無いから傷んでるかどうかもわからない。

「わかんね、町から離れて敵のLvが上がった可能性もあるぜ」

 総司が首を傾げながら大剣を背負って代わりに腰の片手剣を抜く。

「丁度良いからこっちのスキルも上げておくか」

 片手剣を構えると型に沿った動きをした後軽く素振り、様になってるなぁ。

「じゃあ、森に入る前に少し戦っておく? 森はまた別口の敵が出そうだしいきなりは危ないかも」

「だな、初日から無理して死に戻りとかしたくないしなー」

 草むらから出てきた草ネズミに片手剣を一閃する。

「やっぱ残るか」

「大剣の一撃と片手剣の一撃なら大剣のが威力あるだろうし大剣が傷んだのかネズミが強化されたのか判断しづらいね」

 倒れた草ネズミは木製猫車で一往復半すると動かなくなった。

「そいえば、戦技ってなんなの? 生産スキルばっかり取ったせいかチュートリアルで教えてもらえなかったんだよね」

「これか? 二連斬り!」

 総司が草原ウサギに〈二連斬り〉を決めて草原ウサギを倒す。

「それそれ、なんかそれっぽい動きしたら会得しましたーって」

「マジかよ。これスキルを該当レベルまで上げたら自動で覚えて、思考操作で選択するか使おうと思いながら技名を口で言うと発動する技のハズなんだが」

 あれれ、僕の覚え方はイレギュラー? 近くに居た草原ウサギにスコップで素早く2回斬りつけてみる。

「……二連斬りだな」

「二連斬りだと思うよ?」

 何が違うんだろう。

「僕は普通に素早く2回斬りつけてるだけなんだけど……」

「そこから違うわー、さっき俺が言った方法でやってみ?」

 んん? 〈二連斬り〉を使おうと思いながら……。

「二連斬り!」

 うわっ、技名を言った瞬間倒しきれてなかった草原ウサギに〈二連斬り〉が決まってトドメを刺した。

「身体が勝手に動いた……?」

「必殺技みたいな感じでな、素人には出来ない動きも多いから動作アシストが入るらしいわ」

「これ、僕みたいに自主的に動いて出す戦技とはどう違うんだろ? アシスト付きの方はMP消費するみたいだけど」

 自分で動いた場合はMP消費をしていない。

 少しの間首を傾げていた総司が草ネズミ相手に試し斬りを始めた。

「ダメだな、こいつだと威力が高くてわからん。スコップいいか?」

「おっけー」

 インベントリから1本スコップを出してパスした。

「二連斬り!」

 倒しきれなかった草ネズミがひっくり返ったので猫車で踏み踏み。

「……ぬりゃ!」

 今度はアシストを使わずに自力で二連斬り、あっさり草ネズミが倒れた。

「一発か……」

 そのまま総司は自力の二連斬りで4匹ほど一発で倒した。

「戦技〈二連斬り〉の熟練度が1上がりました、だと」

「戦技も育つんだ」

「多分だけどアシスト使ってると熟練度増えねぇな、これ」

「そうなの?」

 総司がスコップをクルッと一回転させてからこっちにパスしてくる。

「草大ネズミ戦で大剣の戦技かなり使ってたのに上がらなかったからな」

「なるほど」

「あとは、アシスト無しで出す方がダメージが高い。熟練度UPで更に性能が上る可能性もあるな」

 基本的に考えるより身体が動くタイプなのにこういう事に関してはひたすら考察するのが昔から宗次の癖だったり。

「て事は、スキルを上げて戦技を覚える、アシスト付きで動きを覚える、アシスト無しで使う、熟練度が上がって威力が上がる、が正しい流れ?」

「多分なー。しかしこれだと他人が知らない戦技使ってたらそのまま真似すれば覚えられるよな、いいねいいね」

 総司がとても嬉しそうだ。



 時刻は午前11時半、現実だと午後5時半? 軽く森を探索してから町に戻ってログアウトすれば夕食の支度に間に合うかな。

「そろそろ森に入る?」

 戦技の型をチェックしてた総司に声を掛ける。

「お、そうだなー。行くか!」

 草原ウサギに下段からの〈切り上げ〉を決めると総司が片手剣を鞘に戻す。


 ――経験値が規定値に達したのでLvが1上がりました→Lv5

 ――ステータスを2ポイント、レベル10未満の修得スキルを1レベル上げる事

   が出来ます 


 レベルが5になったけど後でいいか、今は早く森に行きたいし。

 総司と2人猫車をのんびり押しつつ森へ近付いていく、《殺気感知》で感じ取れるような殺気は無いので今のところは大丈夫だと思う。

「森の様子……どう?」

 総司が先行して森に入った。僕は入り口で警戒中、草原の方を見るとウサギやネズミ狩りをしてるPCは結構増えてるけどこっちに来るような人は居ないみたい。

「キノコが多いな……」

 敵の様子とか聞きたかったんだけどなぁ。

 ちょっとずっこけ気味で総司の近くへ移動するとキノコをいくつか渡された。


 ――これまでの経験で《食材鑑定》がレベル1相当に達しました

 ――有効化しますか? 有効化/保留


 有効化ついでに鑑定、知識系スキルは全部スキル上昇表示を0.5単位に。

「えっと、アミタケ? お味噌汁に入れると美味しいよね」

 あれ《植物知識》じゃなくて《食材鑑定》を先に修得してるや。

「あと目新しいのは毒消しの材料だな」

 草原にあったのと葉の形が違う草を渡される。


 ――これまでの経験で《植物知識》がレベル1相当に達しました

 ――有効化しますか? 有効化/保留


 有効化して渡された草を再鑑定。

「名前は毒消し草なのね、普通に」

 ちょっと拍子抜けして周りを見回す。森だから当然木がいっぱいあるけど斧を持ってないので木材は採れない、次来る時は用意しておこうとメニューのメモ欄に追記。

「あとは《素材鑑定》かなー、そろそろだと思うんだけど」

 インベントリにある"肉?"シリーズを鑑定して確定名に変えていく、鑑定し終わったのは猫車へ移動。

「お、なんか足跡があるぞ」

 動物もモンスターも見掛けないのでのんびり森の中を進んでいると総司が足元を示した。

「ん……獣系?」

 確かに四足獣っぽい足跡がうっすらと土に残ってる。

「サイズ結構ない?」

「あるな……」

 少し腰を落として辺りを探る。

「この手のゲームってさ」

 声を落としてつぶやく。

「雑魚は倒してからすぐとか5分とか10分とか短時間で再出現するよね」

「そうだな」

「強いボスは倒して1時間とか2時間とか物によっては48時間とかだよね」

「48時間湧きボスとか取り合い凄かったよな」

 総司が少し懐しそうに返事をする。

「で、ゲームによってはメンテ明けはボスが全部湧いてたりして各地でボスの取り合いが発生してたよね」

 総司が嫌そうな顔をした。

「ネズミとウサギのレアに連続で遭遇したのもサービス開始直後、つまりメンテ明けで全ボスが出現済みだったからって事か?」

「たぶん、そういう事だと……ってなんかヤバそう」


 ――《殺気感知》が0.3上昇しました→10.8


「ん……?」

 《殺気感知》は僕の方が高いのか総司はまだこの寒気に似た殺気を感じてはいないっぽい。キノコや薬草は総司が主に拾ってるので限界重量はギリギリ大丈夫、猫車をインベントリに戻す。

「危なくなったらすぐ逃げられるように森の入口まで下がろう」

 体勢を低くしたままゆっくりと後退する、もちろん殺気の方への警戒は忘れない。

「うへ、きっついぜこりゃ」

 総司の《殺気感知》にも掛かったらしい。

「あ、狼……かな?」

 想定よりも近くで唸り声が聞こえた。

「レイ! 一気に下がるぞ!」

 総司の言葉と共に入り口まで走る、後ろから4つ足の足音が聞こえてきた。これは怖い……!

「……っ!?」

 森の入口が見えてきた所で聞こえてた足音が変わった気がした。咄嗟に斜め前方へ身体を放り出すように倒れ込む。

「でけぇ!?」

 真っ直ぐ逃げていたら直撃していたコースを黒い大きな影が通り過ぎた。


 ――〔サフナの一匹狼/害獣〕


 総司が思わず叫ぶのもわかる、体高は1mを超えているし、体重は100kgくらいありそうなサイズ。そして黒い毛並みはかなりの威圧感を放っている。

「逃げるのは……無理そうだね」

 素早く起き上がってインベントリから出したスコップを構える。

「レイは回復アイテム持ってるか?」

 総司も腰から片手剣を抜いて構える。

「無いよ、拾った薬草って使えないの?」

 阿吽の呼吸で素早く二手に別れて一匹狼を牽制する。

「加工してポーションにしないと使えないみたいっだ!」

 総司が大きく踏み込んで片手剣を横薙ぎした。

「っち、硬いな」

 総司の舌打ちが聞こえる、大してダメージを与えたようには見えない。毛皮の防御力はかなり高そう。

「回復無しで長期戦は辛いね……」



 総司がメインの攻撃を担当、攻撃後の隙を狙ってくる一匹狼の反撃を僕がスコップで牽制する形になってじわじわと一匹狼のHPを削っていく。

「スキルと戦技がもりもり上がってんのは良いんだが、倒せるのかよコレ」

 負けてもお釣りは沢山ありそうだけど……なんか最初に感じた威圧感の割に余裕がある。

「えいっ!」


 ――戦技〈二連突き〉を会得しました


 連続で真っ直ぐ突きを入れたら戦技を会得。〈二段突き〉と何が違うんだろうか、なんにせよ色々試していきたい。

「わわっ……」

 チクチクと行動を阻害してたのが気に障ったのか一足飛びでこっちに飛び掛かって前足で薙ぎ払ってくる、かろうじてスコップの柄で受けたけどかなりの衝撃を受けた。

「おりゃっ!!」

 総司が隙だらけの狼の横っ腹に斬りつけた。〈切り上げ〉から〈二段斬り〉かな? 合わさって1つの戦技になってるかもしれない。

 横合いからの攻撃で体勢を崩す狼の鼻っ面へスコップの腹を横薙ぎフルスイングで叩き付けた。嫌がるように顔を振って後退する一匹狼、鼻から出血したのか血が滴っている。

「"状態異常:鼻出血"とかなってねーかな、継続ダメージとAGI低下みたいな感じで」

 見る限り少し動きづらそうだし、なってるかもしれない。ここは畳み掛けるタイミングと見て大きく踏み込んで〈叩き付け〉から手首を返して総司を真似ての〈切り上げ〉〈二段斬り〉と連続攻撃を入れる。


 ――戦技〈切り上げ〉を会得しました


「すっげ、レイもだいぶ動けるようになってんな!」

 連続攻撃後の僕をフォローするように総司の〈三連突〉が突き込まれる。

「なんとかなりそう……かな?」

 大ダメージを受けた一匹狼がこちらの連続攻撃を嫌って大きくバックステップして間合いを取る。

「いや、油断すんな。"発狂モード"が無いとも限ら……っ!?」

 総司が注意を促した瞬間、一匹狼の口から轟音としか言い様がない強烈な咆哮が上がった、あまりの大音量に思わずスコップを取り落として耳を塞いでしまった。

 もちろんその隙を逃す一匹狼ではなく再度僕の方へ飛び掛ってきた。

「うわわっ……!?」

 恐怖で目をつぶったまま慌ててインベントリからアイテムを出して防ごうと……ガツン!! と重い手応えが返ってきた、僕自身はダメージを受けてないっぽい。

 恐る恐る目を開けてみるとどうやらさっきインベントリにしまったばかりの木製猫車を出して盾にしてしまったっぽい、一匹狼は木製猫車の側面に激突してひっくり返ってる。

「よっしゃ! レイよくやった!!」

 咆哮をもろに食らってよろめいていた総司がふらついていた体勢を立て直してこっちに駆け寄ってきた、その姿に少し安堵しつつも起き上がろうとしている一匹狼のお腹に持ち上げた木製猫車を叩き付ける。

「うわぁ……」

 総司がちょっと引いてるが、さっきの恐怖心を払拭するには派手に動かないとダメな気がする。更に2発目を狙って木製猫車を振り下ろすけど、一匹狼は下から猫車を蹴り付けた反動で身体を捻って起き上がってしまった。

「まだ動けるのか……」

 木製猫車をインベントリに戻してツルハシを手にする。

「タフ過ぎんだろー」

 一匹狼の側面から総司が素早く斬りつけるが、あっさりと回避して飛び上がる。

「えっ!?」

「速いぞっ!!」

 さっきよりも鋭い動きで横にある木を蹴って僕の頭上まで飛び上がるとそのまま噛み付こうとしてくる。

「うわっ」

 咄嗟に横っ飛びで回避、一匹狼は着地すると即座に飛び上がって四方の木を蹴って間合いを切ってくる。

「立体機動するとか、マジかよ……」

 二人して絶句してしまう、これは……本当にマズい。


名 前:レイ  種 族:人間  性 別:男  レベル:5

H P:191→115/201 M P:212→222/222

STR:16 VIT:11 AGI:17

DEX:15 INT:13 MEN:18 余剰:6

加 護:《妖精の祝福1》

スキル:《採掘10》《鍛冶7》《鉱物知識5》《細工3》《木工1》

《身体バランス3.1》《生物知識2.1》《殺気感知10.8↑》

《耐寒2.1》《回避2.3》《片手剣6.2↑》《片手刺突剣2.1》《片手鈍器2》《蹴撃1》《武器受け1》《解体1.1》《食材鑑定1》←NEW《植物知識1》←NEW 余剰:4

戦 技:〈切り上げ〉〈二連斬り〉〈二段斬り〉〈十字斬り〉〈直突き〉〈二連突き〉〈二段突き〉〈叩き付け〉


目 標:

サフナの町周辺の採掘ポイント調査

《素材鑑定》《製薬》習得

専門書を見つけてスキル取得

プライベートダンジョンを入手

ファナと再会


町に戻る所まで行きたかったのですが手間取りました、反省。


6月28日、6話に引き続きスキルリストから抜けていた3スキルを追加。

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