第6話「草原の獣とアイテム採取」
※お知らせ
《生物鑑定》と《生物知識》が混在していたので《生物知識》に統一しました、それに合わせて《植物鑑定》を《植物知識》に変更しています。
アイテム個数の表記に機種依存文字を使っていたので修正しました。
評価点数を頂きました、ありがとうございます、びっくりしました。
手傷は負わせてるはずなのに全く隙がない。なんだこのウサギ、ノースランドの動物ってこんな強いの?
「5匹! 次だ次!」
少し離れた場所から総司の声が聞こえる。
――経験値が規定値に達したのでLvが1上がりました→Lv2
――ステータスを2ポイント、レベル10未満の修得スキルを1レベル上げる事が出来ます
「お! レベル上がったぜー!」
総司はなんかサクサク倒してるのが悔しい、スキルありの大剣とスキル無しのスコップてそこまで差があるの?
レベルアップ処理をするような隙は与えてくれない、《回避》を得たのにギリギリの回避が続いてる。
――《回避》が0.4上昇しました→1.4
――スキルUPに連動してAGIが1上昇しました→11
こっちの攻撃は当たっても浅い手応えしか返ってこない、攻撃スキル欲しい!
――これまでの経験で《片手剣》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
来たっ! 右手に持ったスコップを横薙ぎにして牽制しつつ有効化、これでいけるか!?
先制を取るべく大きく踏み込んでスコップを突き込んだ。
「マズっ!」
突いたスコップの上に飛び乗ってそのまま柄の上から顔面狙いで飛び込んでくる、咄嗟にスコップを手放すと思考操作で左手に新しいスコップを出して飛び蹴りをガード! それでも吹っ飛ばされた。
――これまでの経験で《片手刺突剣》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
――これまでの経験で《武器受け》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
――《身体バランス》が0.5上昇しました→2.5
「いったーっ!」
蹴られたスコップの腹が顔に当たった。鼻血出るかと思ったよ……出るのかな? 状態異常:鼻血とか嫌だなぁ。慌てて跳ね起きながら2つとも有効化。
「レイ! 大丈夫か!」
苦戦してるのに総司が気付いたっぽい、加勢があればなんとかなるかな。
って気を抜いた瞬間にまた鋭い飛び蹴りが飛んできた、ギリギリで避けて最初と同じように背中にスコップの腹を叩きつける。
――これまでの経験で《片手鈍器》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
斬り、突き、叩きで全部スキルが違った!? スコップ道は奥が深い、有効化して対峙していると総司が隣にきた。
「うおっ、レアPOPかよ」
「……え? レアPOP?」
僕が驚いていると総司が来て不利と感じたのかウサギは草むらに溶け込むようにして気配を消した。
「あれ、逃げた?」
「もったいねぇ、レアアイテムゲットのチャンスだったのに」
「ていうか、レアだったの?」
「《生物知識》で鑑定してねぇの?」
不思議そうな顔の総司。
「草原ウサギって表示されてたと思う」
ウィンドウを出してログを確認……。
――〔草原野ウサギ/獣〕
「草原野ウサギってなってた」
初戦闘でやっぱり浮足立ってたのかなぁ、反省。
――希少獣"草原野ウサギ"の初撃退に成功しました
――経験値+25、ステータスを1ポイント上げる事が出来ます
――経験値が規定値に達したのでLvが1上がりました→Lv3
――ステータスを2ポイント、レベル10未満のスキルを1レベル上げる事が出来ます
「あ、レベルアップ作業してないからやっちゃうね」
えっと、ステータスに5ポイント、スキルを2レベル上げられるのかな?
「おっけー、俺はもうちょっと狩ってるわ」
ステータス表示、と。
名 前:レイ
種 族:人間 性 別:男 レベル:3
H P:159/181 M P:180/194
STR:10 VIT:11 AGI:11
DEX:11 INT:12 MEN:18 余剰:5
STR12に2ポイント足してVITとAGIとDEXに1ポイントにしたら全部6の倍数で美しい並びに……いやいやフラットステはロマン過ぎるよね。
ボスっぽい草原野ウサギとそれなりにやり合えたけどダメージ不足感がかなりあったし、STRに3、AGIとDEXに1でいってみよう。
H P:160/181 M P:182/194
STR:13 VIT:11 AGI:12
DEX:12 INT:12 MEN:18
あとはスキル……。
スキル:《採掘10》《鍛冶7》《鉱物知識5》《細工3》《木工1》
《身体バランス2.5》《生物知識1.7》《殺気感知10.3》《耐寒2.1》《回避1.4》《片手剣1》《片手刺突剣1》《武器受け1》《片手鈍器1》
余剰:2
何が必要になるかまだわからないし保留でいっか。
「よし、狩るぞ!」
スコップを構えた、スキルを得たからかちょっとだけサマになった気がする。
と、目の前の草むらから大きなネズミが飛び出してきた。
――〔草大ネズミ/害獣〕
――《生物知識》が0.1上昇しました→1.8
――スキルUPに連動してINTが1上昇しました→13
――《殺気感知》が0.2上昇しました→10.5
「総司ーーーーっ!! 今度はデカいのが出たーーーーっ!!」
草大ネズミの突進を躱して対峙する、他の人が戦ってた草ネズミの3倍くらいのサイズ、高さ1m近い。怖いのは体当たりと噛み付きかな……? ひっかき攻撃もあるかもしれない。
草大ネズミが再度体当たりしようとした所にカウンターでスコップの先端を突き込む。頭に直撃して草大ネズミがひっくり返った。
――《片手刺突剣》が0.4上昇しました→1.4
――戦技〈直突き〉を会得しました
戦技? 気になるけど追撃しないと!
起き上がろうとしてる草大ネズミの脇腹に一発蹴りを入れてからスコップを叩き付ける。手応えを感じた瞬間いきなり衝撃を受けて横に吹っ飛ばされた。
「な、何が……」
受け身を取って起き上がった目の前に草大ネズミの鋭い牙が迫っていた。
「危ねえっ!!」
総司の大剣が横から突き込まれて草大ネズミが目の前から横に吹っ飛ぶ。
「ありがと、助かった」
「レアPOP2連戦とかツイてるな、レイ」
――これまでの経験で《蹴撃》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
――《片手鈍器》が0.4上昇しました→1.4
――《身体バランス》が0.6上昇しました→3.1
――スキルUPに連動してDEXが1上昇しました→13
「ツイてるのかなぁ、これ……。そういえば、僕は何に吹っ飛ばされたの?」
あの状況で攻撃されたのはなんだったのか疑問に思いつつ《蹴撃》を有効化、ついでに戦闘中のスキル上昇表示を戦闘後一括に設定。
「あー、尻尾だよ、尻尾。ネズミの尻尾って長いのなぁ」
尻尾かぁ、長い尻尾のある生き物と戦ったが事無いから盲点だった。
「尻尾だけじゃなくて腕が4本とか足が8本とか色々いるだろうし、慣れていかないとダメだね」
「確かに、現実とは違うもんっな!」
総司が素早く踏み込んで大剣を叩きつけた。草原野ウサギと比べるとパワーはあるけどスピードは劣ってるように感じる。
大剣を振り回す総司の邪魔にならないように回り込んで草大ネズミを挟み撃ちに。
「これは逃さずに倒したいね!」
背後にいる僕へ尻尾の横薙ぎが飛んでくる。狙いも甘いし牽制っぽいけど2mを超える長いリーチと低い打点に巻き込まれたら転倒は必至、しっかり見て回避しつつ振り終わりに合わせて尻尾の付け根へ斬りつける。
総司は草大ネズミの噛み付きやひっかきを上手に受け止めて的確に反撃を加えている。大剣であの捌きは流石だ。
背後から繰り返す執拗な攻撃にイラついたのか長い尻尾を大振りで叩きつけてきた。余裕を持って避けて更にスコップで斬りつける。草大ネズミからワンテンポ遅れて悲鳴が上がった、どうやら僕への攻撃で出来た隙に総司が大技を入れたみたいだ。
これは油断しなければ大丈夫そう、何度も何度も尻尾への攻撃を繰り返していると尻尾の動きが鈍くなってきた。
「よしっ!」
ここぞと力を込めて加えた一撃で尻尾が切断されて宙に舞った、一際大きな悲鳴が上がって草大ネズミがバランスを崩す。
「おっしゃあっ!!」
総司がラッシュを掛けて追い込んでいく。防戦一方になる草大ネズミに僕も油断せずに攻撃を加える。しかし、ある程度余裕が出てきた事で戦技というのが気になってきた。生産系スキルメインで取ったからかファナは教えてくれなかったし。
ちょっと試しに素早く踏み込んで2連続で斬りつけてみる。
――戦技〈二連斬り〉を会得しました
あっさりと会得。次は斬りつけた後そのまま振り上げる軌道で斬ってみる。
――戦技〈二段斬り〉を会得しました
横に薙いでから縦に振り下ろす。
――戦技〈十字斬り〉を会得しました
なんか楽しくなってきた。持ち方を変えて連続で突いてみる。
――戦技〈二段突き〉を会得しました。
スコップ凄いな……。思い切り頭上に振りかぶってスコップの腹を真っ直ぐ叩き付けてみた。
――戦技〈叩き付け〉を会得しました。
――準希少害獣"草大ネズミ"の初討伐に成功しました
――経験値+35、ステータスに2ポイント割り振れます
――経験値が一定量に達したのでLvが1上がりました→Lv4
――ステータスを2ポイント、レベル10未満のスキルを1レベル上げる事が出来ます
――《片手剣》が4.8上昇しました→5.8
――スキルUPに連動してSTRが2上昇しました→15
――スキルUPに連動してAGIが3上昇しました→15
――スキルUPに連動してDEXが1上昇しました→14
――《片手刺突剣》が0.5上昇しました→1.9
――スキルUPに連動してDEXが1上昇しました→15
――《片手鈍器》が0.4上昇しました→1.8
――スキルUPに連動してSTRが1上昇しました→16
〈叩き付け〉がトドメになったのかな? 一気に表示されるメッセージに驚いてると「乙ー」「スコップすげぇ」等と声を掛けられた。いつの間にか10人位の人達が少し離れた所から僕達の戦いを見ていたらしい。戦いに必死で全然気付かなかった……。
「レイー、解体すんぞー」
気が抜けてた所に総司の声がした。そうそう、初解体だよ。目の前に倒れてる草大ネズミに解体用ダガーを刺した、インベントリに"皮?"が4つ"肉?"が6つ"歯?"が2つ入ってる。1つずつチェックして鑑定スキル覚えないとダメかな、これ。
「お、草ネズミのドロップとは別スタックになってんな」
総司も解体用ダガーを刺すと草大ネズミの死骸はキラキラ光って消えていった。
「草ネズミよりも価値のあるアイテムだといいなぁ、苦労したし……あれ?」
少し離れた場所に斬り落とした尻尾が残ってる。
「尻尾は別扱い?」
こっちにも解体用ダガーを刺すと"尻尾?"が手に入った。
――これまでの経験で《解体》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
即有効化した。
「消えてないから総司もいけるね」
総司がこっちに来て解体用ダガーを刺すと尻尾も消えていった。
「"尻尾?"ってのが出たな」
不確定アイテムを鑑定したいので所持アイテム全部1つずつ《生物知識》の時みたいにじっと見つめてみたけど何も覚えなかった、数が足りないのかスキル取得方法が違うのかはわからない。
「うーん、レアPOPは当分出ない可能性が高いし適当に狩りながら薬草採取と採掘のポイント探す?」
「お……忘れてたわ、薬草薬草」
総司が慌てて草むらのチェックを始める。
「薬草見つけたら見せてね、僕も《植物知識》覚えたいし」
「おう、これとこれとこれだな」
……結構簡単に見るかるんだ。
近寄ってきた草ネズミと草原ウサギを倒しながら総司が拾った草を受け取って凝視、受け取っては凝視を繰り返す。
「あ、ストップ。そこの岩が剥き出しになってる場所が掘れるっぽい」
草むらのチェックが終わって移動しようとした総司に声を掛けインベントリからツルハシを取り出して岩に振るう。
ザクッ! と良い音がしてインベントリに鉄鉱石1と石10が追加された。
「鉄鉱石掘れた!」
無茶苦茶嬉しい、そのまま4回ツルハシを入れると岩は消えてしまった。
「平地に出てる岩だとやっぱり数は掘れないね、総司も鑑定してみる?」
インベントリから掘りたての鉄鉱石を1つ取り出してみせる。
「いや、俺はいいわ。レイがしっかりやってくれるんだろ?」
「そりゃもちろん!」
話してる間も総司は草ネズミと草原ウサギを倒してる、どれも一撃。
「お、《食材鑑定》と《素材鑑定》覚えたわ。草原ウサギの皮、草原ウサギの歯、草原ウサギの腿肉、草原ウサギの尻尾、草ネズミの皮、草ネズミの歯、草ネズミの肉、草ネズミの尻尾、草大ネズミの皮、草大ネズミの歯、草大ネズミの腹肉、草大ネズミの尻尾……そのまんまか」
まぁ、序盤のドロップだしあんまり捻られても困るよね。
名 前:レイ 種 族:人間 性 別:男 レベル:4
H P:161→160/191 M P:174→212/212
STR:10→16 VIT:11 AGI:10→17
DEX:11→15 INT:12→13 MEN:18 余剰:4
加 護:《妖精の祝福1》
スキル:《採掘10》《鍛冶7》《鉱物知識5》《細工3》《木工1》
《身体バランス3.1↑》《生物知識2.1↑》《殺気感知10.5↑》
《耐寒2.1》《回避2.3↑》《片手剣5.8》←NEW《片手刺突剣1.9》←NEW《片手鈍器1.8》←NEW《蹴撃1》←NEW《武器受け1》←NEW《解体1》←NEW 余剰:3
戦 技:〈直突き〉〈二連斬り〉〈二段斬り〉〈十字斬り〉〈二段突き〉
〈叩き付け〉
友好度:サフナ+1、ログサム王国+1、レズム商国+1、オクト帝国清流+1
所持品:剥ぎ取り用ダガー、木製猫車、初級細工道具、初級木工具、銀貨10枚、白紙の魔法書
スコップ5 ツルハシ10 鍛冶用ハンマー4
鉄鉱石4 "皮?4" "肉?6" "歯?2" "尻尾?" "皮?8" "肉?9"
"歯?4" "尻尾?2" "皮?6" "肉?7" "歯?2" "尻尾?8"
収納数17/30 限界重量211/223
【運搬器具】木製猫車 価値1 耐久40 重量10
鉄鉱石79 銅鉱石9 蛍石3 鉄のインゴット30 狼の牙3
樫の丸太 楢の丸太 石40
収納数7/20 限界重量142.3/250《重量軽減5%》
目 標:
サフナの町周辺の採掘ポイント調査
《植物知識》《食材鑑定》《素材鑑定》《製薬》習得
専門書を見つけてスキル取得
プライベートダンジョンを入手
ファナと再会
6月28日、スキルリストに《身体バランス3.1》《蹴撃1》《武器受け1》が抜けていたので追加しました。