第28話「MPKの後始末」
ご無沙汰しています。
なんとか1月中にUPです、今年も「露天掘をやってみたい!」を宜しくお願いします。
○前回までの簡単なあらすじ
突然のMPK騒ぎに巻き込まれたレイ、他に巻き込まれた人を助けつつ岩石ヤドカリと戦闘中、そこへ追加の岩石ヤドカリが突進してきて大ピンチ。
「ぬぅぅぅぅんっ!!」
突進してくる岩石ヤドカリBへの防御態勢を取った直後、雄叫びが響いて岩石ヤドカリBの突進が止まった。
一体何が……と思いきや筋肉の壁が目に入った。
何度か見かけてた例のマッチョさんが正面から組み付いて岩石ヤドカリBの突進を受け止めている、凄い!
「ふんっ! ふんっ! ぬぅん!」
頭突き2連打からのモンゴリアンチョップで岩石ヤドカリBの巨体が揺らいだ。
「ありがとうございまっと!?」
お礼を言おうと動きが止まった僕を見逃さず岩石ヤドカリAが仕掛けてきた。
僕を捉えようと大きく開いた大鋏の攻撃を身を低くして避ける。
「少年! こいつはワシが相手をするからそっちは任せた!」
左右のローキックで岩石ヤドカリBの足を蹴り折りながらマッチョさんから声が飛ぶ。
「はい!」
うわ、低空ドロップキックで岩石ヤドカリBの足をまとめて粉砕してるよ。
当然僕に真似なんて出来ない、僕は僕の戦い方で倒そう。
――《片手剣》が0.2上昇しました→12.5
――スキルUPに連動してAGIが1上昇しました→34
――《蹴撃》が0.3上昇しました→3.4
――《回避》が0.1上昇しました→3.0
――《武器受け》が0.1上昇しました→4.1
――《地魔法》が0.1上昇しました→1.4
――《火魔法》が0.1上昇しました→1.2
――《風魔法》が0.1上昇しました→1.3
――《握力》が0.1上昇しました→6.4
足を蹴り折られ大鋏を砕かれて動けなくなった岩石ヤドカリにとどめを刺す。
ふぅ、支援魔法を継ぎ足して丁寧に戦えば多少時間は掛かるけど問題の無い敵だ。
「お疲れ様、堅実な戦い方だの、ワシはランペイジだ。よろしく」
「お疲れ様です。お陰で助かりました。レイと言います」
岩石ヤドカリAと戦いながら横目で見てたけど大鋏の一撃をチョップで弾いたり終始パワーで圧倒していた。
「すごい筋肉ですね」
話しながら倒した岩石ヤドカリに解体用ダガーを刺す、石4つ、岩石ヤドカリの甲殻2つ、岩石ヤドカリの剥き身6つ。
「うむ、種族補正もあるが、ひたすら採掘と運搬で鍛えたからの」
わ、力瘤凄いなぁ……と、種族なんだろう?
――〔ランペイジ/巨人〕
巨人族かぁ、初めて見た。
雄大な体格なのも納得。
「MPKに使われた岩石ヤドカリはこれで全部でしょうか?」
「海側は一通り掃除したからあとは岩場に残ってるかもしれん」
ふと、最初に僕が戦ってた辺りから打撃音がする。
「むむむ、戦闘の音だの」
「ですよね、行きましょう!」
まだ戦ってる人がいるなら加勢しよう、僕とランペイジさんは音の方へと駆け出した。
前方に岩石ヤドカリ2匹と交戦してる人達が見えてくる、急いで加勢しないと!
ランペイジさんと2人で更に走って現場へ……着いたと思ったら岩石ヤドカリが倒れた。
「あ……と、お疲れ様です」
3人PTかな?
大型のメイスを手に青銅の鎧を着た髭の男性、地面に座り込んでる片手持ちのハンマーに革装備の少年、もう1人はフード付きの青いローブに杖を持ってる……魔法使いかな。
「ん、おお、君達も掲示板を見て救援に来たのか?」
髭の男性……あ、吾郎佐さんだっけ。
「いえ、僕らはMPKの現場に居たので……えっと、吾郎佐さんですよね?」
「ん? おー、森の近くで仙台さんと一緒に居た子か、狼強かったよ。うん」
ちょっとバツが悪そうに吾郎佐さんが苦笑い。
「えっと、レイと言います。改めて宜しくお願いします」
「おう、吾郎佐だ。よろしく」
「ワシはランペイジだ、宜しく」
「あ! スコップの人!」
少し離れて座り込んでた革装備の少年が僕を見て声を上げた。
「スコップの人?」
青いローブの人が首を傾げる、フードで顔はわからないけど女性っぽさを感じる涼やかな声だ。
「昨日のオープニングイベント直後に初期装備で草大ネズミを狩ってた2人組のうちスコップ使ってた人ですよね!」
そういえばあの時10人程ギャラリーが居たけど、彼もその中に居たのかな?
「へー、実在したんだ」
動かなくなっている岩石ヤドカリの方から女性の声がしてピンク髪の女の人が顔を出した。
え、もう一人居たの!?
全く気付いてなかったからびっくりした。
「いやいや、ちょっと待って下さい。昨日私達フル装備の6人でやっと倒した草大ネズミを初期装備の2人でって一体……」
青いローブの人が困惑しているところに突然大きな地響きが起きた。
「なっ!?」
即座に身構えると地面に亀裂が走る。
「これって大ボスとか出てくる感じじゃありません?」
「む、確かに、2人ともPTに入ってくれ」
僕の言葉を受けて吾郎佐さんからPT加入要請が飛んできた。
PTに加入してPTメンバーリストを確認。
・Lv13.吾郎佐
・Lv13.ろくろ回し
・Lv8.リゲル
・Lv12.イベリコ豚の焼き鳥
・Lv9.ランペイジ
・Lv12.レイ
吾郎佐さんとランペイジさん以外は誰が誰かわからないけど、仕方ない。
「みなさん宜しくお願いします」
それぞれから返事が返ってきた所で轟音と共に地割れから巨大な岩が飛び出してきた。
――大岩石オオヤドカリ/獣/エリアボス/激昂
ちょっと変な名前だけど、名前通り大きい。
8mくらいある巨大な岩石ヤドカリだ。
「うぉっ、でかい!! 正面は引き受けた! 側面からの攻撃を頼む! ろくろさんは支援魔法、イベリコさんは牽制!!」
吾郎佐さんの指示が飛ぶ。
「"士気向上"」
――PT全員のMP自然回復速度が上昇しました
青いローブの人の凛とした声とともに全員の足元から赤い光のエフェクトが出現してインフォメーションが流れた、知らない魔法だ。
「"群れの追い風"」
――PT全員のAGIが上昇しました
更に緑のエフェクトが立ち昇る。
また知らない魔法……"ささやかな追い風"の上位? 風の初級本に"追い風"という単体の魔法は載ってたけど、どうやって覚えるんだろうか。
「おぉぉぉぉっ!!」
吾郎佐さんが大型メイスを大岩石オオヤドカリに投げつける。
鉄塊が激突する音を尻目に僕とラインペイジさんは左側へ、ハンマー持ちの革鎧の少年は右側に回り込んだ。
「くっそ、リーチのせいで手が出ないな」
吾郎佐さんはリーチの短いメイスから片手剣と大盾に切り替えて凌ぐつもりみたいだ、大岩石オオヤドカリの攻撃を上手にいなしてる。
「"加水の防膜"」
――PT全員の物理防御と火耐性が上昇しました
またろくろ回しさんの支援魔法、今度は青いエフェクト。
それにしても突如出現した大型ボス相手に淡々とバフを重ねていく精神力は凄いと思う。
大岩石オオヤドカリの岩殻部分へスコップを叩き込むと石が採掘出来て岩殻が少し削れてるように見える、これは破壊可能かも……?
「"戦意消沈"よ~」
――大岩石オオヤドカリのMP回復速度がダウンしました
戦闘中なのに場違いな明るい声が響いて大岩石オオヤドカリから黒いエフェクトが沈み込むように発生した。
使ったのはイベリコ豚の焼き鳥さんみたい、知ってるけどスキルレベルが足りなくてまだ僕は使えない闇魔法の1つだ。
魔法スキル上げないとな……っと、大岩石オオヤドカリの動きが怪しい。
右の大鋏が赤く発光している。
「なにか来ます! 大鋏注意!!」
少し離れた場所で支援に徹しているろくろ回しさんの鋭い声が響く。
急いで大きく《バックステップ》、間合いを離した。
ろくろ回しさんの声から少し遅れて大鋏が横薙ぎに大きく動くとそのまま大岩石オオヤドカリが一回転した。
「うひゃぁぁぁぁっ!?」
反対側からリゲルさんの悲鳴が聞こえた。
「イベリコさんナイスフォロー!」
吾郎佐さんの声、反応が遅れたリゲルさんをイベリコさんがフォローしたみたいだ。
「よっし、反撃!」
大技を使った反動か大岩石オオヤドカリの動きが止まっている。
《ショートダッシュ》で一気に間合いを詰めてスコップの先端を突き入れると石がインベントリに入って岩殻がさらに削れる。
やっぱり《採掘》で岩殻を削り落とせるみたいだ、《鉱物知識》で大岩石オオヤドカリを観察するとさっき削った場所だけじゃなく岩殻の側面や上面にいくつか採掘可能なマーカーが見えた。
「これ硬過ぎですよ!」
打撃武器のハンマーで相性は良いはずのリゲルさんが叫ぶ。
「確かに、厄介だの!」
「"大地の罅"」
――大岩石オオヤドカリの防御力が低下しました
ろくろ回しさんの魔法、"大地の罅"かぁ……これで攻撃が通り易くなるかな?
「だぁっ、岩殻以外も硬ぇ」
戦技で足に剣を叩き付けた吾郎佐さんが呻く。
みんなが苦戦する中試しに採掘ポイント以外をスコップで穿ってみる……予想通り岩殻は削れない、これは確定かな?
「こいつ岩殻のあちこちに採掘ポイントがあってそこを攻撃すると岩殻を削れるっぽいです!」
「マジか!?」
振り下ろされた大鋏を盾でいなした吾郎佐さんの声が少し明るくなった。
「吾郎佐さんとリゲルさん、《鉱物知識》はありますか?」
「無い無い」
「無いですー」
吾郎佐さんとリゲルさんの返事。
うーん、無いのか。
「じゃあ、僕とランペイジさんで岩殻破壊をやってみます!」
「おう、任せた!」
って、気合入れた所で大岩石オオヤドカリの大鋏が光った。
「また来ますよ! 下がって!!」
ろくろ回しさんの声が再度響く。
ああもう、気合を入れた所でタイミングの悪い。
みんな一斉に《バックステップ》して間合いを取る。
「少年! こっちへ!!」
大声の方へ振り向くとランペイジさんが僕の方へ腰を落として身構えている、これは……。
「行きます!!」
スコップをインベントリに戻しつつ走ってランペイジさんの巨躯を駆け上がる。
「ぬぅぅぅぅん!!」
最後は彼の豪腕に押し出されるように宙を舞って大岩石オオヤドカリの岩殻の側面の出っ張りに着地した。
「わっとっと」
流石に足場が悪い、とにかく採掘マーカーが見えるのはもう少し上だし大岩石オオヤドカリが一回転攻撃の硬直で動けない間に登ってしまおう。
「"業火の力"」
上まで登り切ったと同時に赤く光るエフェクトが立ち上った。
――PT全員のSTRが上昇しました
イベリコさんから再度の支援魔法、これはがんばらないとね。
「よーし、まずは……」
インベントリからツルハシを出して目の前にある1つ目の採掘ポイントに力いっぱい振り下ろした。
※大岩石オオヤドカリ戦開始前のステータス
名 前:レイ 種 族:人間 性 別:男 レベル:12
H P:509 M P:398
STR:55 VIT:34 AGI:33+1→34+1
DEX:45 INT:27 MEN:22 余剰:6
《片手剣12.5↑》《片手刺突剣3.4》《片手鈍器3.3》《槍8.2》
《蹴撃3.4↑》《投擲/片手剣1.0》《投げ2.4》
《回避3.0↑》《武器受け4.1↑》《軽装2.9》
《動物調教2.1》
《地魔法1.4↑》《水魔法1.3》《火魔法1.2↑》《風魔法1.3↑》
《光魔法1.1》《闇魔法1.0》
《採掘13.5》《鍛冶10.4》《細工3.0》《木工6.4》《裁縫1.0》
《製薬1.0》《伐採1.0》
《耐暑2.5》《耐寒2.1》
《状態異常耐性:恐慌1.0+0.2》
《身体バランス3.6》《ランニング1.6》《ショートダッシュ1.1》
《バックステップ1.0》《握力6.4↑》《跳躍0.0+0.2》
《解体1.1》《運搬13.1》
《殺気感知11.6》《気配察知2.0》
《荷車革命11.3》
《生物知識10.8》《鉱物知識9.1》《植物知識6.5》《武器鑑定4.6》
《防具鑑定8.3》《食材鑑定5.3》《素材鑑定5.9》
余剰:スキル15未満2、10未満1
〈切り上げ〉〈二連斬り〉〈二段斬り〉
〈薙ぎ払い1〉〈十字斬り〉
〈直突き3〉〈螺旋突き1〉〈二連突き1〉〈三連突き1〉
〈二段突き〉〈槍撃三段1〉
〈叩き伏せ〉
今日の予定
西門外で採掘
衛兵詰所に石を納入
集めた鉱石で鍛冶上げ
更新止まってた理由とかは活動報告の方で、体弱くて申し訳ない。
2月10日 描写の薄い場所に少し加筆。




