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露天掘をやってみたい!  作者: け~らく
・2日目(4月30日金曜日)

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22/32

第22話「森の獣と荷車革命」

少しリアルでトラブルがあって遅れました、申し訳ありません。

 ――4月30日午前10時55分(リアル午後4時55分)サフナの森入り口


「ええいっ!!」

 飛び掛ってきた一匹狼の勢いを利用して気合と共に投げ飛ばしそのまま首根っこを押さえる。

「よっしゃ!」

 総司が一匹狼の横っ腹に大剣の一撃を入れてから下半身を全力で押さえつけた。

「よし! リアちゃんやっちゃって!!」

 見てると可哀想になってくる程に腰の引けたリアちゃんが近寄ってきて一匹狼のがら空きになったお腹に木製猫車を叩き付ける。

「あ、足りてない! もっと殴って!!」

 押さえている僕の下で一匹狼が死に物狂いで暴れる。無茶苦茶痛い、今日買ったばかりの革装備も見た目ではわからないけど度重なる攻撃にかなり酷く耐久値を削られてると思う。

 さっきレアさんに掛けてもらった"火の活力(リジェネレート)"の継続回復では全く足りてない、自分のHPバーがじわじわ減っていってるのがわかる。

「うわっ!?」

 左腕に鋭い痛みが走った、思いっきり噛み付かれてる! 

 だけど雀さんが"生命の水(ウォーターヒール)"を連打してくれているので大丈夫のはず、逆に腕を押し付けて一匹狼の動きを封じていく。

「……えいえい!」

 リアちゃんが慌てた様子で木製猫車による殴打を始めた、もう少しで倒せるはず!

 とにかく噛まれている腕がかなり痛い、なんでこんな事になったんだっけ……。



 ――4月30日午前9時47分(リアル午後3時47分)サフナの森


 さて、一匹狼の死体が消える前に出来るだけの伐採や採取をしないといけないんだけど、ちょっと気になってた事が少し。

 みんなが木を切ってる中で1人だけ木の根元を調べて薬草類を集めている総司の横にしゃがみこんで小声で話しかけた。

「総司、さっきの件だけど」

 木の根元から"草原の薬草"に"森の毒消し草"後はアミタケ、シメジ、エノキタケにマイタケか、色々採れるなぁ。

「んー、どの件だ?」

「エネルギー弾みたいなの溜めてたのと、その後火を吹いた奴」

 戦技じゃなさそうだし、なんだったんだろうか。

「あー、あれな。光魔法の"照明(ライト)"だ、少しずつ光量を上げてそれっぽくしただけでただのフェイク」

 教本には光量を変化させられるなんて書いてなかったのになぁ。

「"照明(ライト)"」

 思いっきり光量を絞るイメージをしつつ使ってみると薄暗い森の中でもほとんど目立たない位の光の玉が出てきた。


 ――《光魔法》が0.1上昇しました→1.1


「出来たけど、教本にはこんな用法は載ってなかったよね?」

 アイテム採取の補助になるように光の玉の光量を上げて手元を照らす。

「戦技もそうだが普通のゲームみたいに戦技や魔法のアイコンを選んで使う以外の使い方が存在するのがNLOの特徴かつ隠し要素じゃないかと俺は睨んでる」

 隣の木の根本に移動、これは漆の木かな? 解体用ダガーで軽く傷を付けてみるとインベントリに"漆の樹液"が入った。

「イメージ力があればある程色々出来るって事かぁ、じゃあ火を吹いたのも火魔法の応用?」

 もう一回傷を入れると"漆の樹液"と"漆の新芽"が手に入った、後者は食材扱い……漆の芽って食べられるんだ、知らなかった。

「おう、|"火の矢"《ファイアアロー》の発動場所を手じゃなくて顔の前から出すイメージで使っただけだぜ」

 立ち上がって|"水作成"《クリエイトウォーター》を斧の刃から水が出るイメージと共に唱えながら漆の木に斧を入れる。

 斧の刃が当たった場所から水が飛び散ってインベントリに"漆の枝"が入った。


 ――《水魔法》が0.1上昇しました→1.2


「早速試すのはいいんだが、どうしてそう妙な使い方をするかな」

 総司が呆れている、確かに試すなら他にもあった気がするけど。

「それにしてもキノコ多いね、これは栗の木? 今の時期だとそろそろ花が咲くはずだけど……」

 解体用ダガーを入れると"栗の枝"と"イガグリ"が手に入った……うーん、後者は時期的にいいのかなぁ。

 首をひねっていると何処からともなくメーニュが駆け寄ってきてアイテム取引のウィンドウが開いた。

 えっと、"草原の薬草"と"森の毒消し草"に"どんぐり"が沢山。

「凄いね、くれるの?」

 メーニュが頷いたのでありがとうと礼を言ってアイテムを受け取って頭を撫でる。

「懐かれてるな」

「うん、こういうの嬉しいよね」 

 さてさて、他のみんなはどうしてるかな?



「茶釜さんどうですか?」

 斧を使って伐採をしている茶釜さんに声を掛ける。

「伐採出来るのは樫の丸太が多いですね、ただしかなり重たいので後で樫材に加工して軽量化しないとあまり数を持ち帰れないと思います」

「となると、ある程度切ったら一旦森から離れて加工する時間を取った方が良さそうですね」

 僕も茶釜さんの近くの樫の木に斧を入れてみる、インベントリに"樫の丸太"が入った。うーん、かなり重たい。

「確かに、これはちょっと重すぎですね」

 ある程度切る毎に木製猫車へ丸太を移す作業が入ってちょっと手間だ。

「あーもー! 荷馬車とか欲しい!」

 少し離れた所からレアさんの叫びが聞こえてきた、確かにこれは荷馬車と言わなくても大八車辺りが欲しくなる。

「掲示板情報ですが、行政区北側の厩舎は《動物調教》の先生と練習用の小型動物しか居ないらしくて、大型の馬などは入手不可能だったそうです」

 むむむ、牛や馬が手に入らないのは厳しい。

「……《木工》を上げてリヤカーを作る」

 そっか、リヤカーか、リアちゃんが正しい……僕の大八車って発想は何処から来たんだろう、親の影響で昔の時代劇とか見てたせいかな。


 ――これまでの経験で《伐採》がレベル1相当に達しました

 ――有効化します


 チュートリアルでファナがすぐ習得出来るって言ってたけど本当にすぐだった、どうやら他の皆も《伐採》を覚えたみたいだ。

「しかし、やはり《荷車革命》欲しいですね。効率が結構変わってきそうです」

 確かになぁ、運べる量が一気に増えるもんね。

「ん? 《荷車革命》覚えてんのは俺とレイと……他は?」

 みんなが首を左右に振る。

「習得条件もまだはっきりしてませんし、流石に隠しスキルは無理ですよ」

 茶釜さんがみんなの意見を代表してくれた。

「んじゃ、みんな覚えちまうか。さっき一匹狼のトドメを猫車で刺したら覚えたし、それでいけるだろ」

 え……っと、それってつまり。

「4人いるから4匹倒せばOKだし、2人でやれたんだから6人で掛かれば楽だろ。ちゃっちゃと済ませようぜ」

だよねぇ……。

「あ、あの」

 茶釜さんが恐る恐るといった感じで声を掛けてきた。

「ここまでして貰って良いのでしょうか、なんか申し訳なくて」

 真面目だ……隠しスキル覚えられるなんてラッキーくらいの気持ちで構わないのに。

「いいっていいって、アンタが掲示板で大量に質問してくる人らに対して1つ1つ丁寧な回答してるの見てるし」

 あれ、そうなんだ。茶釜さんって凄い人?

 これは時間見つけて掲示板を一通りチェックした方が良さそう、知らない事が多いなぁ。

「まー、あれだ。なによりもレイのダチだろ? それだけで十分だぜ」

 ニッと総司が笑う。

 は、恥ずかしい事をあっさりと言われてしまった、後ろで姉妹が「おー」とか感心してるのがなんとも言えない。

「な、なんというか、改めてお世話になります」

 これまで以上に恐縮した感じで茶釜さんと雀さんがお辞儀をしてくる、ほんと真面目な兄妹だなぁ。

「つっても、楽はさせないからそのつもりでな!」

 うわぁ……総司の「楽はさせない」が出た。これ「無茶苦茶つらいけど頑張ってついてこいよ!」という意味なんだよなぁ、うん。




 ――《殺気感知》が0.3上昇しました→11.3

 ――スキルUPに連動してMENが1上昇しました→20


 そして現在森の中を全力疾走中、一匹狼を森の外へおびき出す役目を任されてしまった。頑張るのは僕だったというオチ。

 必死に走って森の外へ出る、後は打ち合わせ通りに……素早く振り向いて一匹狼と正対、あちらが飛び掛ってくるのを待ってバックステップを2回、即座にサイドステップ。

 ヒュンと音がして直前まで僕が居た空間をナイフが貫いて飛び掛かる最中だった一匹狼にカウンターでヒットした。

 もんどり打って倒れた一匹狼に青銅の槍で追撃を入れようとして気付く、あれれ?

「クリティカルして気絶した? 動かないんだけど」

 ナイフを投げた茶釜さんだけじゃなく後方で待機していたみんなが駆け寄ってきた。

「噛み付こうとして開いていた口の中にナイフが飛び込んだのは確かですが……」

 あまりの出来事に呆然とする茶釜さん。

「えっと、息を吹き返す前にトドメ刺しちゃって下さい」

 僕の言葉に茶釜さんがハッとして木製猫車を取り出すと一匹狼の頭部に何度か振り下ろす。


 ――これまでの経験で《ショートダッシュ》がレベル1相当に達しました

 ――有効化します

 ――これまでの経験で《バックステップ》がレベル1相当に達しました

 ――有効化します


「《荷車革命》覚えました!」

 良かった、トドメさえ刺せば覚えられるっぽい。

「ほいじゃ次は俺が釣ってくるわ」

 次は総司が釣ってくるらしい、レアさんとリアちゃんから支援魔法を受けると軽快な足取りで森へ入っていった。

「じゃあ、待ち伏せは僕がやるのでトドメは雀さんね」

 雀さんが自作の槍をぎゅっと握ってコクコクと頷いている。

「ん、そろそろかな」

 姿勢を低くして青銅の槍を構えるとレアさんから|"火の活力"《リジェネレート》と|"追い風"《スピードアップ》が、リアちゃんから|"大地の力"《パワーアップ》の魔法が飛んできた、ありがたい。

 改めて気を引き締めると森から総司が飛び出してきた、すぐに一匹狼もやってくるけど、更に大きくなってるよね!?

 とは言っても逃げ出す訳にもいかないので総司が駆け寄ってくるのを待つ。

「よっしゃ、行くぜ!」

 さっき僕がやったのと同じく総司がバックステップを2回、直後のサイドステップに合わせて石突を地面にめり込ませた青銅の槍の穂先を上げる。

「ぐっ……!!」

 かなり重い衝撃が穂先から伝わって石突が更に地面に食い込んだ。

「やぁぁぁっ!!」

 そこから力任せに槍を突き出して押し返す。

「よっしゃ! 追撃!!」

 総司が叫びながら土手っ腹に槍を食い込ませた状態の一匹狼に大剣を叩き付ける。

 一拍遅れてナイフと|"火の矢"《ファイアアロー》と|"石弾"《ストーンバレット》が飛んで行った。

「……っ!!」

 飛び道具に続いて雀さんが綺麗なフォームで槍を突き入れた、さすが薙刀部。

「あっ!」

 一匹狼が倒れたまま咆哮をあげようとしてるのに気が付いた、この近距離はマズい!!

「てぇい!!」

 一匹狼に食い込んだままの槍を手放して《ショートダッシュ》で一気に間合いを詰めると喉元へつま先をめり込ませる。

「足りないか!?」

 それでも吠えようとする一匹狼を黙らせる為にインベントリからスコップを出して喉元へ突き込む。

「雀さん!」

 最初のカウンターで入った槍のダメージがかなり大きかったっぽいしこれ以上やると倒してしまいそう。

「……!!」

 名前を読んだだけだったけど意味は伝わったみたい、雀さんは槍を手放すと少し手間取りつつもインベントリから木製猫車を取り出して体勢を立て直せてない一匹狼に攻撃を始めた。


 ――経験値が一定量に達したのでLvが1上がりました→Lv11

 ――ステータスを2ポイント、レベル15未満のスキルを1レベル上げる事が出来ます

 ――《槍》が0.2上昇しました→5.6

 ――スキルUPに連動してSTRが1上昇しました→42

 ――《ショートダッシュ》が0.1上昇しました→1.1

 ――スキルUPに連動してがAGI上昇しました→27

 ――《蹴撃》が0.2上昇しました→2.7

 ――《片手鈍器》が0.2上昇しました→3.3


 雀さんを見るとガッツポーズをしてるので《荷車革命》は覚えられたみたいだ、良かった。

「んじゃ、軽く休憩入れたら姉妹どっちから行くよ?」

 総司の声にレアさんとリアちゃんは顔を見合わせてからおずおずとリアちゃんが手を挙げた。

「おっけ、んじゃ次はリアだな」

 後2人、一息入れておこう。


名 前:レイ  種 族:人間  性 別:男  レベル:10→11

H P:394→404 M P:333→350

STR:41→42 VIT:25  AGI:26→27

DEX:32    INT:22  MEN:19→20 余剰:4


《片手剣11.6》《片手刺突剣3.4》《片手鈍器3.3↑》《槍5.6↑》

《蹴撃2.7↑》《投擲/片手剣1.0》《投げ2.2》《回避2.7》

《武器受け3.4》

《地魔法1.2》《水魔法1.2↑》《火魔法1.1》《風魔法1.1》

《光魔法1.1↑》《闇魔法1.0》

《採掘10.7》《鍛冶10.4》《細工3.0》《木工1.0》《裁縫1.0》

《製薬1.0》

《耐暑2.5》《耐寒2.1》

《状態異常耐性:恐慌1.0》

《身体バランス3.6》《ランニング1.3》《握力3.0》

《解体1.1》《運搬9.4》

《殺気感知11.3↑》《気配察知1.4》

《荷車革命10.0》

《生物知識7.0↑》《鉱物知識7.0》《植物知識4.4↑》《武器鑑定4.6》

《防具鑑定8.1》《食材鑑定4.3》《素材鑑定3.8》

《伐採1.0》←NEW

《ショートダッシュ1.1》←NEW

《バックステップ1.0》←NEW 余剰:2


〈切り上げ〉〈二連斬り〉〈二段斬り〉

〈薙ぎ払い〉〈十字斬り〉

〈直突き2〉〈螺旋突き〉〈二連突き1〉〈三連突き1〉

〈二段突き〉〈槍撃三段〉

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