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露天掘をやってみたい!  作者: け~らく
・2日目(4月30日金曜日)

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21/32

第21話「森の入口」

 ――4月30日午前9時27分(リアル午後3時27分)北の草原


 吹き飛ばされて動かなくなっていた鉄装備のPCが光になって消えた。

「すでに発狂モードかよ、こいつは倒しちまって次に湧いた奴から生かさず殺さず時間稼ぎだな」

 総司の言葉に頷く。

 とは言えまずは後ろの4人の"恐慌"状態が回復しないと……動けない4人を守りながら戦うのは流石に厳しい。

 とはいえ戦い方は昨日と同じ、総司がメインで攻め込んで攻撃の隙を僕がカバーする。

 青銅の槍のリーチを活かせるので昨日よりも数倍動きやすい、雀さんに感謝。


 ――戦技〈三連突き〉を会得しました


「っと、昨日の凄い乱舞技は出来ないのかなっ!」

 何度目かの攻防の最中に聞いてみる。

 昨日の個体よりも大きくてパワーもタフネスも上がってるので軽めの牽制攻撃だと当たるままにして平然と攻撃を繰り出してくる。お陰で一撃一撃を鋭く正確に入れていかないといけない。

 しかもスピードまで昨日の個体を上回ってるとか反則でしょ、これ。

「あれはスキルレベルの足りない強化魔法を無理矢理使った上で出した技だからな、MPごっそり減るし連戦前提だと厳しいぜっ!!」

 と言いつつ片手剣から大剣になったのに連続攻撃の手数が変わってないのが総司の恐ろしい所。

 うーん、こっちで魔法を使おうか、効果の低い初級魔法しかないけど……何度目かの〈三連突き〉を入れて一匹狼の動きを牽制してからバックステップして下がる。

「"小火の活力(リジェネレート)""大地の微力(パワーアップ)""ささやかな追い風(スピードアップ)""小さな陥穽(ピットフォール)"」

 総司にHP持続回復、STRUP、AGIUPと立て続けに魔法を掛けてから最後の魔法で踏ん張ろうとした一匹狼の右前足の下に小さな穴を空ける。

 一瞬足を取られた一匹狼の隙を逃すような総司じゃない、さっきよりも少しだけ重く、少しだけ早い攻撃を重ねていく。

「助かるけどあんま手の内晒すなよ、木の上から見てる奴が居る」

 総司から注意を促された。ただの初級魔法だから問題ないけど、観察者の気配とか僕には全くわからない、でも総司が気付いたなら居るんだろうな。

 とは言え一匹狼から意識を逸らすわけにはいかない、総司の連続技が途切れた隙をカバーするように真っ直ぐな突きを連続で入れる。普通に突くよりも鋭い動きが出来てるのは〈三連突き〉が発動してるせいかな?

 牽制攻撃として突きを3回出してから総司と入れ替わるのを何度も繰り返していたせいで3回目の突きの直後一匹狼の注意が総司に逸れた。

「……っ!」

 下がろうとする動きをフェイントにして一気に踏み込むと打撃力の高い石突部分を使って前足を払う、虚を突いた前足への一撃に一匹狼のバランスが崩れた。

「まだまだ!」

 左から右へ振り抜いた槍を縦に回して右肩に担ぐような位置から右手一本での突き、間髪入れず素早く引き戻して腰を落とすと今度は両手でしっかりホールドして抉るような回転を付けてもう一撃!!


 ――戦技〈薙ぎ払い〉を会得しました

 ――戦技〈螺旋突き〉を会得しました

 ――連戦技〈槍撃三段〉を会得しました


 一匹狼を蹴り付けて青銅の槍を引き抜くと大きくバックステップして間合いを取った。

 怒りの視線が僕へ向いた瞬間、今度は横合いから突っ込んできた総司のタックルが一匹狼に直撃した。

「油断大敵ってな!」

 下段に構えた大剣の豪快なスイングが地面を巻き込んで一気に頭上へ振り抜かれる、笑ってしまいそうになるくらい軽々と一匹狼の巨体が浮き上がった。

「よっと!」

 振り上げた大剣を上段に構えたまま総司の動きが止まった。大剣に光が集まっていく、さっき話題にしてたチャージ系戦技かな?

 でも浮き上がった一匹狼が地面に着地する方が早い、これじゃ間に合わない!!

 フォローしようと僕が一歩踏み出した瞬間、トンと総司が大剣を振りかぶったまま右足のつま先で地面を叩いた。

 音と共に地面から一瞬だけ小さな竜巻が発生して下草を巻き込んで一匹狼をほんの一瞬だけ滞空させる。

「これでギリギリッ!!」

 光のエフェクトを纏って大上段から振り下ろされる青銅の大剣が着地の遅れた一匹狼に直撃! 轟音と共に砂煙が巻き上がった。

「とーどーめっ!!」

 もうもうと上がる砂煙に紛れて総司が木製猫車を一匹狼に叩き付けるのがちらっと見えた、《荷車革命》狙いかな、抜け目無い。


 ――経験値が一定量に達したのでLvが1上がりました→Lv10

 ――ステータスを2ポイント、レベル10未満のスキルを1レベル上げる事が出来ます

 ――《槍》が4.2上昇しました→5.2

 ――スキルUPに連動してSTRが1上昇しました→41

 ――スキルUPに連動してAGIが3上昇しました→26

 ――スキルUPに連動してDEXが2上昇しました→32

 ――《蹴撃》が0.1上昇しました→2.5

 ――《火魔法》が0.1上昇しました→1.1

 ――スキルUPに連動してINTが上昇しました→22

 ――《風魔法》が0.1上昇しました→1.1

 ――《地魔法》が0.2上昇しました→1.2

 ――〈直突き〉の熟練度が2上昇しました→2

 ――〈二連突き〉の熟練度が1上昇しました→1

 ――〈三連突き〉の熟練度が1上昇しました→1


 初撃破ボーナスがないのとある程度ダメージ受けてたからか前回よりも控え目な上がり方かな?

 みんなも恐慌からは回復している、どうやら戦闘に介入するタイミングを見つけられなかったみたい。今後も何度かPT組んでいけば息も合ってくると思うけど。

「お疲れ様です。なんというか……凄いという以外に言葉が出ませんけど」

 茶釜さんがちょっと呆然とした感じで労ってくれた。

「いや、まぁ森から出てきてくれたのでなんとか。あの個体に森の中で立体的に動かれたら流石に危なかったと思いますよ」

 4人の内誰かは死に戻ってた可能性もあるなぁ、守り切れたか怪しい。

「なんにもしてないのに初撃破ボーナスとかいってレベル上がってるのが納得いかなーい!」

 レアさんが憤慨してリアちゃんと雀さんがうんうんと頷いてるけど、こればっかりはねー。

「とりあえず剥ぎ取りしといてくれ、俺は……あっちだな」

 総司が森の方へ歩いて行く。木の上から見てる人がいるって言ってたよね、気になるので僕もついていこう。



「あー、木の上の人降りてきてくれる?」

 森の入口に生えている木の一本を見上げて総司が声をかける。

 反応は無い。

「とりあえず検証とか色々やるんで盗み見とかは困るんだけど」

 あれ、検証やるんだったっけ?

「あー、ごめんごめん検証の邪魔になるなら離れるわー」

 総司が見てる木じゃなくてその右側少し離れた別の木の上から若い男の声が聞こえた。

「おー、そうしてくれるなら助かるぜ。手荒な事はしたくないしな」

 それでも総司は視線を動かさずに正面の木を見たままだ。

「なんと!? 手荒な事とは穏やかではないですなぁ」

 あれれ、今度は反対側、左側にある木の上から初老の男性の声。

「んー、そうやってふざけた真似されるとだな……」

 総司が腰を落として両手を左脇へ引いた。

「あらあら、何やら物騒ですわ」

 今度は最初の右側の木から気取った女性の声、どうなってるの?

「ハアァァァァッ!!」

 総司の気合の入ったの声と共に脇へ引いた手の平と手の平の間に光が集まっていく、え、ナニコレ……気功波とかエネルギー弾みたいなの撃っちゃうの!?

「ちょ、ちょっと! 漫画じゃないんだから、ええええっ!?」

 正面の樹上から慌てたような女性の声が聞こえた瞬間、総司が気合の声と共に構えた手からじゃなく口から火弾を吐いた。

「うえええええええっ!?」

「ええっ!? きゃああああああああっ!」

 僕のあげた驚きの声と同時に正面の樹上から悲鳴があがって誰かが落ちてくる。

「危ない!!」

 木枝の動きと音で予測して落下地点に駆け込む、あの高さから落ちたら流石に危ない。

 よし! 間に合った!! けど、想定よりもはるかに小さな衝撃を受けて僕の視界は真っ暗になった。


 

「で、色々聞きたい事があるんだけど……さっきのは何?」

 真っ暗なままで大人っぽい女性の声が聞こえる。

「企業秘密」

 対する総司の声は素っ気ない。総司好みのおっぱい大きい女性だと思うんだけどな、凄く柔らかいし。

「じゃあ、貴方《気配感知》どれだけあるの? 《潜伏》かなり鍛えてたはずなのにあっさりバレてるし、自信無くしそうだわ」

「手の内を明かす訳無いだろ、それよりいつまでそうやってんだ?」

「ん? コレ? コレは敵か味方も解らないのに身を挺して助けてくれた勇気ある少年に感謝してるだけよ」

 やっとツッコミが入ったんだけど離してくれない、どころか更にムギュッとされた。気持ち良いんだけど、流石に困る。

「あー! あんた! レイに何やってんのよ!!」

 レアさんの声が後ろから聞こえてきた、これだけ騒げばそりゃ気付くよね。

「レイさんがサバ折りしてるように見えますが……?」

 茶釜さん冷静だなぁ、とりあえず抱き止めていた手を離して上にあげる。

「あら、おしまい?」

 なんとなく名残惜しそうに軽く胸を押し付けてから女性が僕から離れた、深緑色の長い髪を風になびかせた軽装の美女だ。

「仙台さんも来ちゃったし引き上げるわ。また縁があったら情報交換も兼ねてお話しましょう」

 あれ、目の前に居たはずなのに消えた……? 《潜伏》の効果? 凄くない?


 ――これまでの経験で《気配感知》がレベル1相当に達しました

 ――有効化します

 ――《気配察知》が0.4上昇しました→1.4


 このスキル大事そうだよね、今のを見せられると鍛えておきたくなる。

「不思議な人だったけど、茶釜さんの知り合い?」

「た、多分……フレンドの1人だと思うんですが、確証は無いというか」

 どういう事だろ。

「会う度に外見が違うんですよ。《変装》スキルを使ってるんだと思いますが」

 そこまで徹底してるとなるとかなりのイタズラ好きな人とか? 違うか。

「ねぇ、総司。複数の人の声が聞こえてたんだけど、他の人達は何処へ?」

 総司を見るとちょっと機嫌が悪そうだ。

「全部あの女の声だよ。腹話術の応用だけどあそこまで行くとほとんど忍術の域だな」

 また忍者……今日は忍者の人と縁がある日なんだろうか。

「なんかよくわかんないんだけど、とりあえずレイも総司も剥ぎ取りやらないの? 倒してから20分で消えるらしいよ」

 あ、色々あって忘れてた。レアさんに促されて一匹狼の所へ戻ると剥ぎ取り用ダガーを一匹狼に使う、一匹狼の毛皮5、一匹狼の牙3、サフナの一匹狼の牙1が取れた。

 サフナの一匹狼の牙がクエストアイテム扱いで後は素材だ。今着てる革鎧はかなり動きやすいし、お礼も兼ねて毛皮はアイラさんに買い取ってもらおうかな。

「あれ、総司は剥ぎ取らないの?」

「後で、だな。全員が剥ぎ取ったらこいつは消えて新しいのが湧くだろ? だから時間ギリギリまで剥ぐのを待ってその間に伐採と採取やろうぜ」

 なるほど、みんなからも納得の声が上がる。

「じゃあ、始めよっか」

 各々が斧と猫車を持って森へ入っていく、色々採れるといいなぁ。


名 前:レイ  種 族:人間  性 別:男  レベル:10

H P:384→394/394 M P:317→261/333

STR:40→41 VIT:25     AGI:23→26

DEX:30→32 INT:21→22  MEN:19 余剰:2


《片手剣11.6》《片手刺突剣3.4》《片手鈍器3.1》《槍5.2↑》

《蹴撃2.5↑》《投擲/片手剣1.0》《投げ2.2》《回避2.7》

《武器受け3.4》

《地魔法1.2↑》《水魔法1.1》《火魔法1.1↑》《風魔法1.1↑》

《光魔法1.0》《闇魔法1.0》

《採掘10.7》《鍛冶10.4》《細工3.0》《木工1.0》《裁縫1.0》

《製薬1.0》

《耐暑2.5》《耐寒2.1》

《状態異常耐性:恐慌1.0》

《身体バランス3.6》《ランニング1.3》《握力3.0》

《殺気感知11.0》《解体1.1》《運搬9.4》

《荷車革命10.0》

《生物知識6.9↑》《鉱物知識7.0》《植物知識2.8》《武器鑑定4.6》

《防具鑑定8.1》《食材鑑定4.3》《素材鑑定3.8》

《気配察知1.4》←NEW 余剰:1


〈切り上げ〉〈二連斬り〉〈二段斬り〉

〈薙ぎ払い〉←NEW〈十字斬り〉

〈直突き2↑〉〈螺旋突き〉←NEW〈二連突き1↑〉〈三連突き1〉←NEW

〈二段突き〉〈槍撃三段〉

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