第12話「採掘と石とお湯」
いつも読んで下さってありがとうございます。
拙作を読んで浮かんだ"疑問点"や"この行動してたならこのスキル覚えてるんじゃ?"といったツッコミなど感想欄に書いてもらえると色々と助かります。
今後のアップデートや掲示板ネタとして採用出来ますので、是非是非。
あと、純粋に感想でも構いませんので宜しくお願いします。
ファナに見送られて出たのは良いけどメニュー画面の時間を見るにちょっとのんびりし過ぎたかもしれない、すれ違う人達への《生物知識》はせずに駆け足駆け足。
――これまでの経験で《ランニング》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
やっと覚えたーって感想が出ても良いくらい覚えるまでかなり走った気がする、ひょっとしたら手軽に鍛えられるスキルはレベルが上がりづらいのかな?
さて、居住区西側へ移動した。
この辺りは初めての区画だけど北側や東側と同じような作りなので迷うことは無さそう、すぐに西門とその隣にある衛兵詰所を見つけた。
城壁作りの石集めクエストがあるって掲示板にあったけど……あ、立て札発見。
◎城壁作成製資材の募集
サフナ防衛の為の城壁はまだ未完成である。
城壁の造成に必要な石、石材を集めてほしい。
納品は詰所入り口の衛兵へ、報酬は石は重量20につき銅貨2枚、石材は1つ中銅貨1枚
両替ルールが銀貨金貨と同じだとしたら銅貨1枚で50円だから、石1セットで100円、石材1で500円かな?
防衛予算どうなってるんだろ、ガイエル町長……。
なんにせよ手持ちの石を納入してしまおう、中の衛兵さんに声を掛けて石40を渡して報酬の200円、違った銅貨4枚を貰った。
気を取り直して西門から出ると目の前にはごつごつとした岩場、左手側には海岸線が広がっていた。
「さてさて、採掘採掘と」
《鉱物知識》を意識して改めて周りを見回すとあちこちに反応する岩があった……けど。
「人、結構いるなぁ……」
かなりの人数のプレイヤーがガッガッとツルハシやスコップを使って岩を掘っては石を無造作に捨てている。
「あれ、石は……?」
鍛冶屋志望で鉄や銅だけ確保してるのかな、勿体無いような……石納入の報酬安いからなぁ。
とは言え石納入も大事なクエストのはずだし捨てるなら貰っていこう。
片っ端から石を捨ててる人に声を掛けて石を確保、結局一度も採掘しないままインベントリと猫車が石で一杯になってしまった。
「みんな《鍛冶》上げ優先で手間な割に報酬がショボいクエをやってる暇は無いから石はどうでもいいって感じだったなぁ……」
やっぱり効率重視なのかな、ちょっと寂しいような。
そういえば、インベントリから指でタップして木製猫車のアイテム欄へ石を移動させたんだけど木製猫車を外から見たら空っぽに見えるんだよね……こっちにも石入れられるのかな?
インベントリから石を出すと手で木製猫車の中に入れてみる、木製猫車のアイテム欄に石は増えてないし重量も増えてない。
「これは、イケる?」
そのまま木製猫車を押すと実際に積載した分の重さを感じる。
「これはズルだったり仕様の盲点だったりとかするのかな……むむむ」
木製猫車の限界重量は250で《荷車革命4.2》の効果で+4.2%だから260.5、それに5%軽減が付いてるから重量274.2まで積めるハズ。
よし! もっと石拾ってから詰所に戻ろう。
掘ってる人から受け取ったり、捨てられてる大小様々な石を確保して木製猫車とインベントリへ一杯になるまで入れていく。
集めてる間にあちこちチェックしてみたけど僕みたいに石を集めてる人もちらほら見える、あと枯れた採掘ポイントの復活も確認できた。すぐって訳じゃないけどそれなりの大人数で掘っても全部枯れる事は無さそうな雰囲気。
――《生物知識》が0.4上昇しました→2.5
さて、一杯になったしそろそろ戻ろうかな。
――これまでの経験で《運搬》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? 有効化/保留
新スキル!! 有効化、と。これって運べる量増えるのかな?
ええっと……インベントリの限界重量が1増えてる、レベル1で1上昇? 地味だけど育てていこう。
前よりも重みを感じる猫車を押しつつ門をくぐって一息、横手の衛兵詰所へ……と、入り口で凄い人とすれ違った。
とにかくデカい!
そして筋肉ムッキムキ!
スキンヘッド!
上半身は筋肉を誇示するかのようにタンクトップのみ!
身長は2m以上ありそう、凄いね……STR全振りとかだろうか、いや……この体格だとVITもかなり振ってそう、とにかく凄いインパクトでした。
……ステータスと体格って連動してるのかな、いやいやインパクトに持って行かれて変な思い込みをしてるかもしれない。
気を取り直して衛兵詰所へ入った。ちなみにインベントリで200、猫車で270☓2の合計で重量740分の石がある。
「お疲れ様、こりゃありがたいね」
石を所定の位置へ置いていると衛兵の1人に声を掛けられた。
「納入する人、やっぱり少ないですか?」
猫車の分が終わったのでインベントリから石を出しつつ聞いてみる。
「そうだな、2回以上持ってきた奴はまだ10人いないね」
地味で報酬も渋いけど大事なクエっぽいのになぁ。
「時間に余裕があれば出来るだけやる予定ですけどね」
「いやーそれはありがたいんだが、町を守るのは俺達の仕事だ。そしてこの町の冒険者の仕事はノースランドの開拓だからな? それは忘れないでくれよ」
衛兵さんに肩をポンと叩かれた。
「それは肝に銘じておきます。ですけど、出来るだけのフォローはしたいですし」
衛兵さんの表情が少し緩む。
「真面目だなぁ、少年は……って男だよな?」
とほほ、どうせ童顔で女顔っぽいですよ。
「男ですよ、ええ。男ですとも」
「おう、心得た。さて、報酬は……銅貨74枚になるが、大銅貨1枚に中銅貨2枚に銅貨4枚でいいか? 銅貨の支払いが多いから大玉混ぜないとちょっと不足しそうでな」
「大丈夫ですよ。あ、手持ちの銅貨が報酬と合わせて30枚あるので中銅貨3枚と両替しましょうか?」
「お、助かる。中銅貨5枚で大銅貨1枚、大銅貨2枚で銀貨1枚になるから報酬とまとめて銀貨1枚に替えられるぞ、どうする?」
んー、細かいのもある程度ある方がいいかな。
「いえ、銀貨だけだと買い物の時に迷惑掛けそうですし、そのままで」
「わかった、また宜しくな」
中銅貨3枚を受け取ってインベントリへ入れると衛兵さんに見送られて西門外へ、スキル上げたいしここからは普通に掘ろう。放置されてる石はもちろん拾うけどね。
――《生物知識》が0.5上昇しました→3.0
――スキルUPに連動してINTが1上昇しました→14
――《鉱物知識》が2.0上昇しました→7.0
――スキルUPに連動してINTが1上昇しました→15
――《採掘》が0.7上昇しました→10.7
――スキルUPに連動してSTRが2上昇しました→26
――《運搬》が4.0上昇しました→5.0
――スキルUPに連動してSTRが1上昇しました→27
――《荷車革命》が0.7上昇しました→4.9
――スキルUPに連動してSTRが1上昇しました→28
――スキルUPに連動してVITが2上昇しました→14
――これまでの経験で《握力》がレベル1相当に達しました
――有効化しますか? >有効化
――《握力》が2.0上昇しました→3.0
――スキルUPに連動してSTRが2上昇しました→30
ふー、結構掘ったかな。荷物いっぱいまで掘って詰所で石の納入を何度か繰り返して鉄鉱石と銅鉱石もそれなりに貯まった。
日も落ちてきたしそろそろ終わりにしよう、石の納入を終えて詰所の外に出る。
結局僕以外で石の納入をしていたのは例のマッチョさんと色々検証しながら掘ってる二人組の3人だけだった、町襲撃イベントとかあった時大丈夫だろうか。
一抹の不安を覚えつつスキルを習いにギルドへ……と思ったけど、採掘作業でかなり汚れちゃったんだよね。
着替え……持ってないし、適当に着替えを買ってから一旦眇の妖精亭に戻ってシャワーを浴びよう。
そう決めた僕はゴロゴロと猫車を押しながら居住区西側を抜けて商業区へと向かった。
「ただいまー」
なんて言おうかちょっと悩んだけど、これでいいよね。
「おう、お帰り。どうだったよ?」
ガンツさんがお店の奥から返事してくれた。
「収穫はそれなりに、ただ……城壁建設の石集めはあまり進んでないみたいでちょっと気になってます」
「む、ああ……アレか、手間の割に報酬が安いから仕方あるまい」
少し苦笑を浮かべると手元の作業を再開する、夕食時だしあまり話すのは迷惑だよね。
「えっと、ファナいます? 一度身奇麗にしてからギルドの方行く予定なんですけど、シャワーの使い方とかちゃんと聞いてなくて」
「ファナなら上にいるから捕まえて聞いておくといい」
「はい、ありがとうございます」
ガンツさんに礼を述べると猫車を抱えて2階へ、ファナはすぐに見つかった。
「ファナ、ただいま」
「あ、レイーおかえりー☆」
声を掛けるとクルクルっと回転しながらこちらに飛んできた。
「早速で悪いんだけど、シャワーの使い方教えてもらえるかな。採掘で汚れちゃったんだ」
「はいはーい、じゃあ部屋に行こう☆」
ふわっと飛び上がると奥にある僕の部屋へ飛んで行く。
元気で可愛いなぁ、ほんと。
扉を開けて部屋に入る、まずは猫車とインベントリの中身を箱へ。
鉄鉱石433に銅鉱石281かぁ、ちなみにスコップは全滅、ツルハシも残り2本まで使い潰してしまった。このままじゃ明日以降に採掘出来ないし、作るか買うかしないといけない。
「あ、ファナ、洗濯は頼んだり出来るのかな? 自分でやらないとダメ?」
脱いだ布の服と肌着、布の帽子を机の上へ、自分でやらないとダメだと手間だなぁ。
「んー? そこの籠に入れといてくれたらこっちでやっちゃうよー、流石に武器防具の手入れまでは出来ないから服だけーって、わー大胆☆」
上半身裸の僕を見てちょっと頬を赤らめてる。
「いや、流石にまじまじと見られるとこっちも恥ずかしいんだけど」
家じゃ姉さんも祈も上半身裸くらいなら気にしないから意識してなかったけど女性の前でこの格好はちょっと気が緩んでたね。
「えっと、シャワーの使い方をお願い。お客増える時間だし忙しくなるでしょ?」
ちょっと強引に話題を逸らす。
「あ、うんうん。元々その為に来てたんだったね☆ こっちおいでー」
奥の扉でファナが手招き、僕が扉を開けると中へ。
「まぁ簡単なんだけどね、蛇口に手を当てて水って言ってから捻ると水、お湯って言ってから捻るとお湯が出るよ☆」
捻るけど捻りが無いね。
「ええっと、お湯?」
力を注ぐようなイメージをしながら蛇口を捻ると何か身体からごそっと抜ける感じがした。
直後、シャワーのノズルからお湯が勢い良く出てきてファナに直撃。
「うひゃーっ!?」
うわっ!? 慌てて蛇口を逆に捻ってお湯を止める。
「もー、魔力込め過ぎだよー、自動で必要な分のMPを消費するから力注いだりしなくていいんだよー」
全身びしょ濡れになって注意してくるファナがとても……濡れ透けで凄い事になってる。
「ご、ごめん。MPが減るって聞いてたからつい注ぎ込むイメージで」
言い訳と謝罪をしつつ視線は完全に白いワンピースから透けているファナの肢体に釘付けだ。
チュートリアルの時から着替えたのか透けて見える下着は上下とも白だ、というかファンタジーだけどブラあるのか。
「レイ、反省してないでしょー? 視線がねちっこくてエロいよー☆」
「そういうファナだって、恥ずかしいなら無理せず隠しなよ、耳まで真っ赤」
後ろを向いて視線を外しながら指摘する。
お姉さんの余裕とかそんな感じを見せたかったのかな、可愛いよね。
「そんな生意気言うレイにはこうだぞー☆」
後ろからいきなりシャワーのお湯が襲い掛かってきた。
「ちょ、待って! ファナ、まだズボン脱いでないって!!」
勝ち誇った楽しそうなファナの声が背後から聞こえる。
「だいじょーぶだいじょーぶ、おねーさんが背中を洗ってあげるから大人しくするんだよー☆」
「恥ずかしかったからって照れ隠しに自棄にならないで!!」
ふぅ、酷い目に遭った。
とはいえ美少女妖精とお風呂場でワイワイ騒いで洗いっことか現実では絶対に出来ない体験が出来た、NLO凄い!!
あと、びっくりしたのは自分の身体に"ついてた"事と"可視状態"だった事かな、異性PCのは基本的に見えないよう処理されるらしいけど。
ちなみにPL基準になるので異性PCを作っても自分のが見える事は無いし、他の異性PCのも見えないらしい。
すったもんだの後ファナは身体と衣服を魔法で手早く乾かして自室へ戻っていった、きちんと着替えるみたい。
まぁ、なんだかんだで裸の付き合いと場のノリで濡れ透け姿のSSを撮らせてしまったのが後になって恥ずかしくなってきた可能性が高い。
次に顔合わせる時どうしようか……。
さて、こちらもさっぱりした所でギルド周りをしないとね。
帰りにお店で買ったインナーに麻の服と木綿のズボンに初期装備の木靴にある程度のお金、と。忘れちゃいけない鍛冶用ハンマーに鉄鉱石と銅鉱石を入れた猫車。
あとは丸太に狼の牙、ウサギとネズミの歯と皮に肉……持ちきれないよね、これ。
支度を終えて1階へ。
「おう、レイ。キャッキャウフフするのは良いが鍵を掛けて防音するのを忘れないようにな」
早速ガンツさんから注意が……そういえば戻った時鍵を閉めてなかった。
「すみません、これからは気をつけます」
完全にこちらが悪いので素直に謝る。
「狩りで入手した肉があるんですけど引き取ってもらえます?」
北門で狩ったネズミとウサギの肉をインベントリから出す。
「お、なかなかの量だな引き取るぞ。っと、草大ネズミの腹肉もあるのか!」
ガンツさんが感心してる、強かったもんね。
「さて、確かギルドを周るんだったか。それならついでにこいつを商業区の外れにある店に持って行ってくれんか」
お使いクエストかな?
「構いませんよ、詳しい場所を教えて下さい」
料理か何かの入った箱とお肉の代金を受け取ってインベントリに入れつつ場所を聞く。オープニングイベントの前に総司と合流した区画みたいだ。
「あれ、あそこってまだ入れないんじゃ?」
「む、もう行った事があるのか、若いな」
ガンツさんがニヤッと笑った。
「いやいや、なんか人だかりが出来てたから野次馬したんですよ」
「おう、日中は結構な騒ぎだったと聞いとる。シェーナの奴も目立ちたがりだからな。……ああ、依頼の件だが区画入り口でカリンって獣人族の女が待ってるはず
だからブツはそいつに渡してくれ」
そう言うとカンテラを渡された。
「これは?」
「外はもう暗い、明かりの魔法が使えるならあまり必要無いだろうが、一応持っていけ。使えないなら後で魔法使いギルドに寄って習っておくと良い」
ガンツさんって面倒見良いよね。
「ありがとうございます、いってきますね」
外に出て木製猫車を地面に置く、上にカンテラを乗せて明かりを確保するとまずは商業区の外れへ向かった。
名 前:レイ 種 族:人間 性 別:男 レベル:9
H P:251→271 M P:266→230/278
STR:24→30 VIT:12→14 AGI:23
DEX:20 INT:13→15 MEN:19 余剰:24
装 備:麻の服、木綿のズボン、簡素な木靴
所持品:剥ぎ取り用ダガー、初級細工道具、初級木工具、大銀貨1枚、中銀貨4枚、大銅貨1枚、中銅貨5枚、銅貨74枚、白紙の魔法書、鍛冶用ハンマー4、インゴット/鉄30、銅鉱石228、眇の妖精亭の紙箱
収納数12/30 限界重量239.1/236→251
【運搬器具】木製猫車 価値1 耐久26/40 重量10
鉄鉱石276
収納数1/20 限界重量262.2/262.2《重量軽減5%》
鉄鉱石228 銅鉱石48
収納数2/- 限界重量262.2/262.2《重量軽減5%》
加 護:《妖精の祝福2》
スキル:《採掘10.7↑》《鍛冶7.0》《鉱物知識7.0↑》《細工3.0》
《木工1.0》《身体バランス3.6》《生物知識3.0↑》《殺気感知11.0》
《耐寒2.1》《回避2.7》《片手剣11.6》《片手刺突剣3.4》
《片手鈍器3.1》《蹴撃2.4》《武器受け3.4》《解体1.1》《食材鑑定1》《植物知識1》《投擲/片手剣1》《投げ2.2》《荷車革命4.9↑》
《ランニング1.0》←NEW《運搬5.0》←NEW《握力3.0》←NEW
余剰:8
次回は猫耳カリンさんの顔見せと新スキル集めの予定
ちなみに猫車を2重に使えてるのは《荷車革命》の効果です。




