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露天掘をやってみたい!  作者: け~らく
・1日目(4月29日木曜日)

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11/32

第11話「今後の予定」

 ――4月29日14時30分頃(リアル午後8時30分頃)


 本日2度目のログイン、リアルの自室にあるベッドよりもふかふかな感触を感じて目を開ける。

「ええっと……?」

 僕のお腹の上でファナが熟睡してた。



「ふぁ、おはよーぅ☆」

 眠っている小さな妖精を起こすのに必要な力加減とか全くわからないから起こすのに手間取った。

「うん、おはようファナ。なんでここで寝てるの?」

 まだちょっと寝ぼけた顔のままファナが首をかしげてる、可愛い。

「んー☆ レイが寝ちゃった後部屋の鍵閉めてないのに気付いたからー、中から鍵

 閉めて……その後寝顔見てたら眠たくなっちゃってそのままー☆」

 てへへ☆ って可愛い仕草だけど、そうじゃなくて!

「ええっと……うーん、とりあえずお仕事サボってガンツさんに怒られない?」

 あっ! って顔して目を逸らされた。

 そりゃそうだよね……。

「まぁ、それはそれとして宿について教えて欲しいな。お仕事の一貫でしょ?」

 え、なにその、忘れてたよー☆ って顔。

「あはは……えっとねー、そこの大きな箱はアイテムの保管箱ね☆」

 ベッド脇の大きな箱を確認、試しに丸太2本を入れてみる。

「わ、インベントリと同じ扱い?」

 箱より大きな丸太があっさり入って目の前にウィンドウが開いた。

 確認するとちゃんと樫の丸太と楢の丸太が表示されてる。

「思考選択は出来ないからそこだけ注意ね☆」

 ふむふむ。

「他の宿に泊まった時でも中身は共通してるから活用してね、本人にしかインベントリは開けないし防犯は安心☆」

 便利だなぁ、昔のネットゲームではわざと不便な部分を残して中世的な雰囲気を出した作品もあったらしいけど。

「あっとっはー、鍵を閉めたら完全防音の結界が張られるからお仲間との作戦会議や商談、密談なんかもOKだよ☆ あ、女の子連れ込んでも追加料金とか要らないから安心して連れ込んでねー☆」

 前者はともかく後者をあっけらかんと言われてもなぁ……苦笑いするしか無いよ。

「あとは、食事は別料金だから食べる時はちゃんと払ってね☆ そうそう、そっちの奥の扉はトイレとお風呂ね、シャワーもあるよー」

 え、お風呂にシャワーまであるんだ。

「お湯を出すのにMP消費するから使うのはログアウト前とかが良いかもね☆」

 こういう住環境系のシステムって面白いなー、今までのゲームじゃ体感出来ない事だし。

 あ、そうそう、さっきから気になってた事があるから聞いてみよう。

「あのさ、箱の中にお金とヒールポーションと、あとカードも入ってたんだけどなんだろ?」

 ファナは、んん? と可愛く首をかしげてから。

「えっと、クエストの精算誰かに頼んだ?」

「うん、友達の総司に全部任せたよ」

 ファナは、うんうんと頷いてから

「じゃあその分だね☆ 報酬を振込にする事が可能だし。ポーションはログインボーナスだと思う、カードは身分証みたいな感じだから持ち歩いてね」

 そうなんだ、それにしても……箱から出して机の上に置いていく。

「ちょっと、レイ達って何したの?」

 僕が取り出したお金――大銀貨6枚、中銀貨9枚に銅貨が沢山――を見てファムが目を丸くする。

「えっと、最初に草原野ウサギと戦って逃げられて……」

「はい?」

 最初がレアPOPとかびっくりするよね、僕もびっくりしたし。

「次が草大ネズミで……」

 ファナが額に手を当てて天を仰いでる、気持ちはわかる。

「それからのんびり検証しながら草ネズミと草原ウサギを狩っていって……」

 ファナがやっと安心した表情になった、可愛い。

「森でサフナの一匹狼倒して、2匹目が即湧きしたから逃げて、以上かな」

 ファナが空中できりもみ3回転しながら枕に突っ込んで動かなくなった。

「あ、そうそう。ファナがオススメしてくれた猫車のお陰で一匹狼に勝てたよ、ありがとうね。お陰で《荷車革命》も覚えたし」

 動かなくなったファナの頭をそっと撫でる、翡翠色の髪の感触が心地良い。

「これは思ってた以上に……」

 のそのそ起き上がって枕に座ったファナが呆れている、その仕草も可愛い。

「銀貨1枚あればここ(眇の妖精亭)で3食おやつ付きで2日分かなー」

 物価イマイチわかってなかったけど銀貨1枚で5000円位かな、これは結構稼いでるんじゃ。

「銀貨10枚で中銀貨、50枚で大銀貨、100枚で金貨ね☆」

「えっと、大銀貨6枚あるし……全部で銀貨390枚分だから195万円!?」

「現状のプレイヤーの中では所持金上位だよねーきっと☆」

 んー、鉄鉱石でも買い込もうかな?

 総司はもう薬草とかポーション買い占めたりしてるんだろうか。

 それにしてもなんだかお腹がすいてきた、ちゃんと夕食摂ったのに……。

「あ、ファナ。今後のことも相談したいし食事にいこうよ」

 食事と聞いた瞬間ファナが飛び上がった。

「いいねー☆ おやつの時間だし下で食べよっかー。ととと、最後に忘れてたよ」

 不要な装備を外してインベントリの中身も全部備え付けの箱へ移しつつ耳を傾ける。

「メニューに復帰ポイントの設定項目があるからここを登録しておくといいよー」

 メニュー画面を開いて見てみると確かにある、登録されてるのはスタート地点の桟橋と居住区の噴水前の2ヶ所。

「これはいくつまで登録出来るの?」

「今は5ヶ所だよー☆ 開拓が進めば増える予定だけどログアウト可能な安全な場所じゃないと新規登録出来ないから足りなくなる事はそうそうないと思うよー」

 その条件だとそんなにはないかぁ、荷物を片付けたので銀貨一枚をポケットに入れると立ち上がる。

「じゃあ、下で食事しようか」

 とてもとても嬉しそうにファナが微笑んだ。お腹すいてたのかな?



 テーブルに着いて注文、ファナも食べる気満々だ。

 しかし、ガンツさんのいかつい外見に反して甘味メニューは充実している、これは凄い。他の席にも甘い物を食べに来たらしい女性NPCの姿がちらほらと見える。

「流石にプレイヤーはいないね」

 目の前のチーズケーキをフォークで一口サイズに切って口に運ぶ、美味しい。

「もふ、ここの通りは、もふ、お店いっぱい、もふ、あるし、もふ、気軽にここの料金を、もふ、払える稼ぎとなったら、もふ、なかなかねー☆」

 ファナも自分の身長の半分くらいのチーズケーキを小さく切り分けて次々と口に運んでる。

「あー、そうそう。ある程度は飲食しないとステータス下がったりするからちゃんと食べてよー☆ 流石に20日ぶりにログインしたら餓死しました☆ とか、そういう事は起きないけどね☆」

 なんか空腹感があったのはそのせいだったのか、こっち(ゲーム内)だと8時から15時まで何も食べてなかった事になる。

「ケーキじゃなくてちゃんと食事を頼んだ方が良かったかなぁ」

 一緒に頼んだ紅茶を飲みつつファナの食べっぷりを観察する、僕の食べるペースとほとんど変わらない速度でケーキが減っていく、どこに収まってるんだろうか。

「ん? コレくらい余裕だよー☆ 妖精族の女の子はね、気に入ったものはどれだけサイズ差があっても受け入れられるように出来てるの☆」

 突然隣のテーブルの女性が紅茶を噴いて咳き込んだ、大丈夫かな……?

 しかしファナの話はそういうものなんだなと納得するしか無い、本当に凄い速度でケーキが消えていく。

「さって、お腹も落ち着いてきたし相談に乗りましょうか☆」

「え、あぁ、うん。今後の予定としては……」

 総司と相談してた薬草とポーションの件をファナに話す。

「まず、ポーションの値上がりを期待するのは止めた方がいいねー」

 おや?

「まず、ポーションの材料になる薬草は外に出たらいっぱい生えてるよね?」

 確かに総司や他の人達がいっぱい採取してるのを見てる。

「オープニングイベントでおっとり系巨乳女王フェルーナ・アースレイト様が加護をかけたから採り尽くしてもすぐ生えてくるし。みんながスキル上げするなら結構な量のヒールポーションが出回る可能性が高いよね」

 特定職じゃないとポーションが作れないゲームもあるけどNLOノースランドオンラインは誰でもポーションを作れるからスキルを上げる為に大量に作られる、かぁ。

 むむむっと考え込んでしまった僕にさらにファナが言葉を続ける。

「それに加えて本土からの定期便が消耗品を運んで来るから多少品薄になってもすぐに在庫は回復するのよねー」

 あ……。

「港で荷運びのバイトがあったね、そういえば」

「レグダ海運だね☆ 他にも輸送してる業者はあるけどレグダが最大手ねー。まーとにかくヒールポーションを作って販売や自己消費するのはアリだけど一攫千金狙いは止めといた方がいいねー☆」

 ファナの説明を聞きつつ2皿目(チョコケーキ)を食べ始める、こっちも美味しい。

「総司にも伝えておくよ、狩りの報酬を全部ヒールポーションに突っ込んだりしたら目も当てられないし」

 メニューを開いて総司にメールを送って……と、ファナが僕のチョコケーキをチラチラ見てる。

「ん、新しいの注文する?」

「そんなには食べないかなー☆」

 "食べられない"じゃなくて"食べない"のがポイント?

 フォークを使ってケーキを小さく切り分けるとファナに差し出す。

「えっ、何々、あーん?」

 ファナが頬を染めてモジモジしてから僕が差し出したケーキを恥ずかしそうに食べる。

 なんとなくしてみたけど、こ、これはなかなか可愛い……!

「あとはスキルを習ったり読書して勉強できる場所と採掘できる場所、かな」

 両手を頬に添えて幸せそうにしてるファナの様子に満足を覚えつつ聞いてみる。

「スキルは各職の組合(ギルド)か訓練場にいけば習えるねー☆」

 お店じゃなくてギルドに行けばいつでも習えるか、それもそうだよね。

「採掘とか狩場に関しては……掲示板を見よう☆ メニューからいけるよー」

 あ、掲示板あるんだ……チェックしてなかった。

 えっと雑談スレ、狩場スレ、スキル・戦技スレ、募集スレ……4つしかない。

「狩場スレを《採掘》で検索……ふむふむ」

 色々と書き込みが出てきた。

「採掘は西側かぁ、あとは石も集めて納品しないといけないんだね」

 隣のテーブルの女性がピーチミートパイを注文している、実在するのかPMP……。

「別段アクティブな敵も居ないみたいだし、猫車と採掘道具があれば良いか」

 採取や採掘する時は持ち物を軽くした方がいいよね。

「それじゃあ、ギルド巡りしてスキル覚えたら採掘かなー」

 残りの紅茶を飲んでから立ち上がる。

「あー! ちょっと待って待って」

 残りのチョコケーキをもふもふまふまふ食べていたファナが慌てて声を掛けてきた。

「今からだと採掘を先にした方がいいよー、暗くなるとがっつり活性化する奴もちらほらいるし☆」

 そうなんだ、そういえば街灯とかも無いし夜は本当に月や星の明かりとかだけで真っ暗になりそうだよね……。

「んー、じゃあ採掘からだね、支度してくるよ」

 満面の笑みを浮かべてチョコケーキを頬張りながら手を振ってくるファナに軽く手を振り返して2階へ戻った。



 しまった。また部屋の鍵を掛けてない。部屋に戻ってから気付くこの迂闊さ、これからは気をつけよう。

「部屋の鍵は持って出たのになぁ……」

 インベントリから出した鍵を机の上に置く。

「あれっ?」

 机の上に放置したままだった身分証に鍵が吸い込まれてしまった。

 鍵を無くすのはマズいよー……慌てて身分証を手に取るけど鍵は机の上には無いし床にも落ちてない。首をひねって身分証を裏返すと

・"草ネズミ討伐"達成

・"草原ウサギ討伐"達成

・"草大ネズミ討伐"達成

・"サフナの一匹狼討伐"達成

・"眇の妖精亭"210号室の鍵

 と書いてあった。

「クエスト履歴が載るんだ、あと鍵も履歴に入ってる……?」

 カードをかざしたら鍵が掛けられる便利機能搭載とかだったりして。

 試しにドアに身分証をかざすとガチャリと音がして鍵がかかった。

「……凄い」

 でもこれ身分証無くしたら大変な事に……いやいや、とりあえずは支度をしよう。



 食事前に箱へしまっておいた布の帽子をかぶってツルハシとスコップに加えて木製猫車に納入クエストがある石と無くしちゃマズい身分証をインベントリへ。

「あとは、小銭があればいいか」

 銀貨と銅貨を数枚ずつに一応剥ぎ取り用ダガーもインベントリに移したら準備完了。

「よし、採掘採掘♪」

 勇んでドアを開けようとしてさっき鍵を閉めた事に気付いた。

「あ、鍵鍵……開けないと」

 開けようと思った途端ガチャリと鍵の開く音。

 インベントリに入れたままで鍵の開け閉めは可能みたい、ほんと便利だね。



 よし、部屋の鍵も閉めたし、今回は大丈夫!

 階下に降りて奥にいたガンツさんに出かける旨を伝える。

「おう、頑張ってこい。しかしそんな初期装備で大丈夫か?」

 いかつい外見に反して結構心配性なのかな?

「大丈夫、問題ないです、西側でちょっと採掘するだけですから」

「む、そうか。ファナに聞いたが《鉱物知識》もあるようだし西側なら大丈夫だろう」

 確か海側が危ないんだったっけ、気をつけよう。

「では、行ってきますね」

「行って来い」

 ガンツさんにお辞儀をして出入り口の扉を開ける。

「あ、レイー☆ 採掘がんばってねー」

 風の魔法を使って表を掃除していたファナに声を掛けられた。

「うん、頑張ってくるよ」

 あ、そうだ。フレンド申請出来るかな?


 ――ファナさんへフレンド登録の申請を送りました


「あ、登録ー? いいよー☆」

 満面の笑みで承諾された、ちょっと嬉しい。


 ――ファナさんをフレンドとして登録しました


「OKしてくれてありがと」

 断られたりシステム的に不可だったりする可能性もあったもんね。

「あはは、いいよいいよー。私とレイの仲だしー☆」

 なんか嬉しくてやる気が満ちてきた……!!

 そんな気分になった時、突然西側から強烈な光と轟音が町全体を震わせた。

「なっ!?」

 思わず身構えた所へファナが肩に乗ってきた。

「大丈夫だよー☆ 時間的にナームちゃん(清流騎士団団長)じゃないかなー、オープニングイベント午後の部やってるからねー。午前の部の事を知った人達がわざと攻撃魔法食らうために馬鹿騒ぎしたんだと思うよ☆」

 あー、勇者(ドM)達再び……って事ね。

「な、なんか気勢を削がれた気もするけど、行ってきます」

「うん、いってらっしゃーい☆」

 こういう何気ないやりとりって良いよね。


名 前:レイ  種 族:人間  性 別:男  レベル:9

H P:251 M P:266

STR:24 VIT:12 AGI:23

DEX:20 INT:13 MEN:19 余剰:24

装 備:布の帽子、布のシャツ、布のズボン、布の腰袋、簡素な木靴

所持品:剥ぎ取り用ダガー、木製猫車、銀貨2枚、銅貨23枚、白紙の魔法書

スコップ5 ツルハシ10 石40

収納数8/30 限界重量75.6/236

加 護:《妖精の祝福2》

スキル:《採掘10》《鍛冶7》《鉱物知識5》《細工3》《木工1》

《身体バランス3.6》《生物知識2.1》《殺気感知11》

《耐寒2.1》《回避2.7》《片手剣11.6》《片手刺突剣3.4》《片手鈍器3.1》《蹴撃2.4》《武器受け3.4》《解体1.1》《食材鑑定1》《植物知識1》

《投擲/片手剣1》《投げ2.2》《荷車革命4.2》余剰:8


レイ君、未だにボーナスポイントを振るの忘れてますね。


2015年12月13日

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