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3-5 全力でいく




光の断罪ジャッジメント


光の断罪ジャッジメント


光の断罪ジャッジメント


光の断罪ジャッジメント


光の断罪ジャッジメント


 俺は、魔法を唱えるというより、連続で叫びながら、魔王から距離をとった。

 いくら、俺が強くなったと言っても、魔王を一撃でのせるなんて考えるほど、うぬぼれてはいない。

 だが、最強の呪文を五連続で喰らえばどうだ。

 最強の魔王でもダメージを受けるだろう。


 俺の唱えた光の断罪ジャッジメントは、攻撃を続けている。

 一辺三メートルほどの立方体の中に魔王をおしこめ、強烈な光が絶えず炸裂していた。

 あの場所にあったものは、建物ごと、すべて消滅しているはずだ。

 光がおさまりかけた時に、俺は、さらに魔法を唱えた。


爆裂炎バースト・ブレイズ


 これは、おまけだ。

 MPをこれで、かなり消費したと考えた俺は、念のために、確認する。

 MPの残りは、318もある。


 ――精霊のリングの効果により、MP消費が半分になっているのだ。


 ここで、俺は迷った。

 さらに、光の断罪ジャッジメントを唱えるのか、あるいは、別の攻撃魔法である破滅の剣ルーイン・ブレードを唱えるのか。

 異なる効果のある魔法の方がいいのだろうか?

 だが、破滅の剣ルーイン・ブレードで攻撃するには、相手に近づかなければならない。

 俺は躊躇した。

 魔王の攻撃を受けるかもしれない、という恐怖がよぎったのだ。


 それでも、俺が停止したのは、一瞬だったはずだ。

 ぞくりと背中が凍る。


身体強化3ブースト・スリー


 唱えて、俺は、さらに距離をとった。

 俺がいた場所に、闇が生じる。

 魔王からの何らかの攻撃だ。

 その余波で、俺は、吹っ飛んだ。

 俺は地面を転がる。

 身体強化3ブースト・スリーを唱えていなければ、今ので、終わっていたかもしれない。

 顔をあげると、魔王が変わらぬ姿で、立っていた。

 俺がやったことは、ただ、建物を破壊しただけだったらしい。


「なるほど、仮に、ただ封印が解けただけであったのなら、今の攻撃は、私も危うかったかもしれない。本当に感謝せねば、宝玉オーブを私にささげてくれたことを」


「王様ってやつは、自分が都合の良いように何でも解釈するんだな」


 俺は、立ちあがった。

 捧げたつもりなど、微塵もない。


「さっきまでは、あんなに従順に私の言うことに従っていたのに、なぜ、今になって、刃向う」


「認めたくないけど、騙されたってやつだ――いいように利用された」


「わかっているではないか」


「あんたを解き放つのは、まずいってこともわかっているよ」


「まだ、奥の手があるのか?」


 俺のMPは285。

 まだまだ、いける。

 やつが、余裕ぶっこいている今の内に、やるしかない。

 俺は、小声で呟く。


限界強化リミット


 魔王は、俺の変化に気がついたようだが、特に何もしてこない。

 チャンスだ。

 今、俺のステータスは三倍になっている。

 この状態で、呪文を唱えれば、先程とは、比べものにならない威力が生まれるはずだ。


光の断罪ジャッジメント


「また、それ――」


 魔王の周囲が、光に埋めつくされた。

 先程までとは桁違いの白光色が、魔王を世界から消滅させようとする。

 さらに、俺は、唱えた。


破滅の剣ルーイン・ブレード


 右手に暗黒の剣が生まれる。

 俺は、魔王に向かって、一直線に走った。

 光が消失し、魔王が現れる。

 形相が変わっていた。

 服もぼろぼろになり、身体からは煙があがっている。

 さっきとは、あきらかに異なる。

 だが、ダメージがどれほどあるのかはわからなかった。

 俺は破滅の剣ルーイン・ブレードを魔王の胸にむけて、突きだした。

 同じタイミングで、俺の正面に闇の力が出現する。

 俺は、とまらない。

 そのまま攻撃を続行した。


 そして――。


 俺は、弾けとんだ。

 何が起こった?

 俺は、地面にあおむけになっていた。

 魔王の魔法に負けたのか?

 俺の右手にあった魔法の剣は、すでに消失していた。

 俺は、首だけを動かし、魔王を見る。

 目がかすんで、よくわからない。

 だが、魔王の影は、膝をついているように見えた。

 攻撃が通った?

 しかし、俺の方も、ダメージを負っている。

 これは……。

 あの時よりも、やばい……。


回復3レストレイション・スリー


 一瞬にして傷が癒え、痛みが引いていった。

 俺が身体を起こすと、目の前には魔王がいた。

 回復している短い間に、近寄ってきていたらしい。

 この距離では、魔法使いの俺になすすべはない。すでに、限界強化リミットも解除されていた。

 それでも、死をただ待つつもりはない。あがいてやる。


 魔王が攻撃態勢に入ろうとした時、突如、魔王の身体がぶれた。

 魔王が、俺の前から消える。

 なんだ?


「危ないことしないでよね」


 俺のよく知る後姿が、魔王と入れ替わるようにして立っていた。

 ミユキだった。

 俺の幼なじみは、ヒーローの資質があるようだ。








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