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0.その男、存在する

とりあえずリハビリ兼ねています。

ファンタジーが書きたくなったので(^^

見るに堪えないものがあるかどうかわかりませんが頑張ります。

あ、思いつきなので続きはすぐには出ないと思います。

この世のものとは思えない荘厳な場所にその男はいた。


「はぁー……。どうしようかなぁ」

言葉だけを取ればさほど困っていないかのように思えるだろうが、そこに載せられた思いはその困惑の深さを量るには十分な重さであった。

そして不思議な現象が起こる。

男がいる荘厳な場所、そこにあるこれまた荘厳な品――例えば貴重な神格の魂であったり――が音も立てずに消失したのである。

実はこの現象は今に始まった事ではない。

そして男が悩んでいるのもこの現象のことについてである。



男は神だった。

いつ神になったか、どうして神になったか、どのようにして神になったのかは語るべき問題ではなく、その男は神だったのである。


一般的に思い浮かべられる神、といえば全能の神であったり美の女神であったりするわけだが、この男はさほど有名な神ではない。

されど、一地方では社で奉られたりする程度には名の知られた、土着の神である。


さて、現象についてだ。

何故この現象が起こっているのか、それをこの男は知っている。



―――神はその存在を奉られなければ存在が消滅する。


例えいかような神であろうとも、それを知るもの無くば時代の流れで消滅してしまうのは自明の理である。


一地方では名の知られたこの神だったが、その一地方に問題が発生したのである。


それは戦争による人口の激減。

地方を、大陸中を襲ったその出来事の結果としてかの地方は人口密度がほぼ0である。

そして人口の激減は神を敬う、あるいは存在を伝えることを困難にさせる。


そして最終的に神の居る座、自体が消滅の危機に陥っているのである。





「だったらいっそのこと、大陸の国教にしてしまえばいいんじゃねーか?」


通常であれば無謀としか言えないその言葉。

しかし、それを言い出さなければならないほどに現状は切迫していた。


もちろん大陸には国教がある。

八百万の神がいて何だかよくわからないくらいごちゃごちゃになっている大陸ではあるが、その中で最も幅を利かせている神がいることも事実である。

大陸の中の一国家、その国教になるだけでも大幅に権威は回復するだろう。


「しかしどうやって………」


問題はどうやってそうするか、である。

権威の大小はそのまま神の持つ力と比例する。

権威が大きければ力も大きく、逆ならまた然り。


つまり、いきなりこの男が大陸で幅を利かせている神に戦いを挑んでもムシケラのように惨殺(・・)されるのは誰にでも予想が可能であり、男自身もそう考えていた。


――となれば。


「やっぱり、俺がやるしかないのか」



そう呟き、次の瞬間にはその場所から男は消えていた。

そしてその次にはその場所自体が消滅していた。



男は元・大陸の最高神であった。

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