第二話
「よう、ケリアン。どうだった?」
「アレクトか。こっちは特に問題はなかった。そっち……は……」
「こっちは盗賊どもがいたからぶっ倒してやったぜ。って、どした?」
ケリアンに報告するが、なぜか呆然としている。俺の横を見てるみたいだが……、ってああ、そっか。
「この人のことか。彼女はキール、盗賊どもに追われてたから助けて、その間に迷子になったみたいだから、村まで送ることにしたのさ」
「始めまして、キールです」
俺がケリアンに紹介すると、キールも挨拶をする。ちなみに、キールは真っ赤な短髪に、金色の目をしている。背は俺よりいくらか低い、スリムな体型をしている。普通に美少女だ。俺もいきなりケリアンから紹介されたらびっくりするだろうなー。などと考えていると、
「そうか、始めまして、俺はケリアン。よろしく」
「ん、よろしくお願いします」
ケリアンも復帰、そのまま自己紹介に。さて、
「じゃ、俺はキールを村まで送ってくから、その間の見回りよろしく」
「ああ、ちゃんと送れよ?」
「大丈夫だよ。この辺りで迷子になるわけないだろ?」
「途中で襲うなよ?」
「襲わねーよ!」
確かにかわいいとは思うが、俺はソルトロットとは違う!あいつは知らんが、俺はんなことしねーよ!
「ったく、心外な。ほらいくぞ、キール」
「ああ、すまないな」
そのまま俺はキールと一緒にまっすぐに村まで帰った。
「ん?アレクトじゃん。どうした?まだ見回りの時間だ……ろ……」
村に入って早々ソルトロットとエンカウント。面倒くさいな。
「あー、ソルトロット、この人は……」
俺がキールの説明をしようとすると、
「あ、あ、アレクトが女を連れ込んできたぞーーー!!」
「って待てや!!人の話を聞け!!」
いきなり意味のわからないことを叫びだした。とりあえず蹴っ飛ばしてやった。
「なるほど、助けた迷子を村まで送り届けてきただけか。お前がさらってきたわけじゃなかったんだな、安心したぜ」
「俺がそんなことするか!」
「へぶっ!」
おかしなことを言い始めたソルトロットを殴っておく。あの後、ソルトロットの声を聞いて集まってきた人たちに説明をすると、ソルトロットとクレを残して他の人たちは戻っていった。
「始めまして、キールです」
「おう、俺はソルトロットだ。よろしくな」
「始めまして、私はクレ。よろしくね」
自己紹介も終了、じゃ、俺は戻るとするか。
「ソルトロット、クレ。キールのことを頼む。俺は見回りに戻るからさ」
「ん?いいのか?」
「いくら何でも見回りをサボったらダメだろ。ケリアン一人にまかせっきりはまずい。早く戻らないとな」
とりあえず、ソルトロットとクレにキールのことを任せて、見回りに戻ることにした。まあ、何も無いとは思うが、念のためさ。
「ようケリアン、戻ったぞ」
「む、無事に送り届けたか。こっちは特に問題ない」
キールを村に送り届けてからケリアンと再び合流。盗賊のやつらがまた来てるかな、とも思ったが、そんなことは無かったようだ。結構な数がいたから、追ってきてケリアンが一人で対処するようになってたら危なかったかな、との思いは杞憂だったか。さて……
「なら、盗賊どもをやったとこに行ってみようぜ。準備整えて襲ってくるようなら厄介だからな」
「まぁ、そうだな。とりあえず、倒したところには行ってみるか」
ケリアンも同意し、さっそく俺たちは盗賊どもを倒したとこまで行くことにした。結構叩きのめしてやったし、もう来ないとは思うが、念のためだ。
……それに、キールが帰るときにまた襲われたら、いやな気分になるだろうしな。
とりあえず俺たちはキールを助けて、盗賊どもを倒した所まで来た。盗賊どもはもう復活していたようで、そこには誰もいなかった。が、特に村まで向かっているわけでは無いらしい。
「いないな。もうアジトまで戻ったみたいだな」
「だな。追いかけられなくも無いが、すれ違ったりしたら危ないし、今日はもういっか」
もし追いかけに行ったのに、別ルートを通って村まで来られると見回りの意味が無い。また明日、捜しに行けばいいか。
そのまま俺たちは村の周辺まで戻り、いつも通りの見回りをした。その時に猪が出てきたので、ついでに狩っておいた。今夜は豪華なのができるかもな。
第二話、読んでいただいてありがとうございます。この連休中に何話までだせるかなー。おかしな点の指摘、感想、意見くれたら嬉しいです。