第9話 久しぶりの家
私の体は右膝の怪我が原因で、杖が無いと長い時間の歩行が難しい状況になっていました。
アル「・・・・・・・・・」
ローズ「だいぶ歩けるようになってる!!凄い凄い!!もう少しよアル!!」
妻のローズがビックリするような回復ぶりでした。
毎日のリハビリ。確かにそれはとても大変ではありましたが、常にリハビリの先生が私のことを見て下さり、回復に向かっていると実感する毎日でした。
階段の上り下りがなんとか出来る所まで回復した所で私の担当医より退院しても良いという許可がおりました。
リハビリ期間中に会社の上司や役員が見舞いに来てくれましたが、そこで退職の話をすることはなく、無事であった事に対してお互いに喜びを交えながら少しだけ話をした程度でした。
ただ、犯人は相変わらず見つかっていないという上司の言葉が私の中では気にかかります。そしてティミーの今後の話もまだ聞き出せていません。
上司からは体が一番だから他のことは何も考えずに、治療やリハビリに専念するように念押しをされました。
ローズ「確かにティミーのことは心配だろうけど、元気になってしっかり動けるようになってから逢いに行けばいいじゃない。元気な姿を見せた方がティミーもきっと安心するはずだから」
アル「まぁ、それもそうだな」
今彼も各方面から聴取を受けているようなので、こちらから逢いに行くと言う選択はしませんでした。
妻が運転する車で、自宅に戻りました。
買った時に組んだ30年ローンももうすぐ終わりそうです。
リビングにある椅子に座り、庭を眺めていました。暫くこの定位置での生活が続きそうです。
庭にはバラが咲いていました。
アル「あれ?・・・ローズ、バラを植えたのか?」
ローズ「そうそう、なんだか気分的に華やかにしたくてね」
アル「あまりまじまじと見た事はないんだが、花って綺麗なんだなぁ・・・」
ローズ「でしょ?どれにしようか迷ったんだけど近所のお店で一番豪華そうなのを選んだの」
たかが花ですが、されど花。妻が用意していた赤や白、ピンクのバラの美しさに私はうっとりしてしまいました。これまで仕事が忙しくてゆっくりこのような物に触れる機会が無かったからでしょうか。
気付けば杖をつき庭に出て、バラがある庭の風景を眺めていました。
気付けばローズが横に立っていました。
ローズ「本当はもっと他の色も植えたかったんだけど、なかなか他の色が無くてね」
アル「いいさ、ゆっくり増やしていけばいいんだよ。これから楽しみだね」
二人で美しく咲く花を、眺めていました。
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