第6話 目覚め
ティミー「隊長!!隊長!!聞こえますか?!しっかりして下さい!!」
耳元で叫ぶティミーの声が聞こえます。恐らく私は担架によって運ばれている状況と思われます。体が宙に浮いており、勝手に動いているのです。地面からは車輪の音が小刻みに聞こえます。
少し遠くでパトランプが点滅している光も見えます。どうやらティミーが救急車の他に警察も呼んでくれたようです。
アル「てぃ・・・ティミー・・・・」
ティミー「隊長!!すいません隊長!!俺が閉め忘れたばっかりに!!・・・・」
泣きながら私に謝るティミーの顔が少し見えたような気がしました。
安心してくれ・・・憎むようなことはしない・・・・それよりちゃんと俺とのやり取りを・・・・警察にありのままを伝えて欲しい・・・・。捜査に協力するんだティミー・・・・・。こうなってしまった以上、早く解決出来るようにつとめるのが警備員である俺達の役割だろ・・・・。
そう、はっきりと後輩のティミーに言いたかったです。どうやらバンで轢かれた後に頭も強く打ってしまったようで言葉をしっかり発する事は出来ず、心の中でそう思う事しか今の私には出来ませんでした。
あとは頼む・・・・。俺は病院だ・・・・。
それから意識がはっきりしたのは病院のベッドの上でした。
酸素マスクなど無数の点滴や器具が私の体中についていました。
ボーっとする視野の中で、見慣れた顔が私の目の前にありました。
「おっ、起きたかアル。俺だ、分かるか?」
この聞き慣れた太い声、直ぐに誰だかわかりました。
アル「・・・・・・・・・グラッドか・・・」
グラッド「・・・おう・・・。丁度非番だったから様子を見に来たんだ。俺がお見舞いに来た時に目が覚めるなんて、相変わらずタイミングのいい奴だなお前は。さすがだ。ちょっと待ってろ、お医者さん呼んで来るからな」
と言うとグラッドは病室から出ていきました。
俺はなんとか生きているようです。交通事故に遭ったのになんとか生きていたようです。
目を開けた時に、私の唯一の同期の顔が見えた時は本当に安心しました。
グラッドとは悩みが一緒でした。苦楽を共にしてきた仲なのです。今でこそお互い隊長になってそれぞれ任されている持ち場が違いますが、若い頃は共に仕事をし、仕事が終われば友人同士でした。よく酒を飲んで語り、幾千の辞めていく仲間達の背中を見送った仲でした。
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