第24話 光
緑色の光が物理実験棟の一室を照らしていました。
光が集まり始めます。
その光の中から、モワッという小さな音と共に何かの物体が出てきます。最初は丸い形だったものが、徐々に人間の形に変わっていきます。
光が無くなった瞬間・・・・・私は叫びました。
アル「今だ!!」
私の掛け声とともに、グラッドとジュリが飛び掛かります。
ガコン!!!ドン!!
男「うわああぁあああ!!!!!なんだ?!なんだ?!」
一斉にその男性の声を発する物体を取り押さえました。
グラッド「大人しくしてろ!!」
グラッドは手をロープで縛り始めました。
男「ちょっと待って!ちょっと待ってください!!お願いだから!!実験をしていただけなんです!!」
取り押さえた男性が必死に助けて欲しいと懇願してきます。
アル「以前にも同じような事象が起きているが、こんな深夜に一体あなたは何をしているんだ。大きな音や強い光が出るような実験は禁止されている筈だ。申請してるのか?してないよな?」
私は先ず、何をしているかではなく、やっていることの正当性に焦点を当てました。
守衛として、禁止されている事項の実行は咎めなければなりません。もう何年もこの仕事をやっていますが、業者を取り押さえたのはこれが初めてです。最初で最後になると思います。
男「すいません!決して危険な事をしているわけではないので!上司を呼んで説明させてもらえませんか」
グラッド「夜中にこんな大きな光を出して、私達が気づかないとでも思ってんのか」
ジュリ「大学側のルールを知っててやったのか、どうなんだよ」
グラッドもジュリも厳しく追及します。
これまでこの光に騙されて警察も呼んだ事案が複数あります。ここで叩かないといつまで経ってもズルズルと続いていきます。グラッドもジュリも分かっているようです。
ダッダッダッダッダ!!!
廊下から誰かが走っている音が聞こえています。
上司「お前何してるんだ!報告・・・・・え?!警備員さん!?」
取り押さえた男の上司と思われる人間が私達が居る部屋に入ってきました。
アル「あなたもこの男性の関係者ですか?」
グラッドとジュリが新しく来た男性に近づきます。
上司「いやちょっと待って!!私はこの男の上司です!!怪しい者ではありません!!今日は転送テストの日でして、実験をしていました!」
上司と男性の身分証を確認し、『国家シェルター事業連合会』の人間であるという事が分かりました。別部屋で機械を操作していた技師も呼んでもらい、3対3の話し合いが始まりました。
安全を守る仕事というのは、嫌でも時に厳しい事を言わなくてはなりません。ルール違反であるなら尚更厳しく言う必要性があるのです。
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