第2話 夜勤
私の仕事は非常に夜勤が多いですと言うか、まず日勤だけでその日の勤務が終わることはほとんどありませんでした。24時間の泊まり勤務が基本中の基本となります。
勤務時間はとても長いです。時に泊まり勤務をベースに36時間勤務をすることがあります。異常に長い勤務時間ですが、私がどっぷり浸かっているこの業界ではこの程度は普通のようです。私の先輩の時代は48時間勤務や72時間勤務などがあったようです。巡回やトラブル以外は守衛室から動くことは無いにしてもそんなに長い時間仕事場に居るのは精神的に参ってしまいそうです。
私はその日、戸締り確認の巡回業務を行っていました。というのも今日一緒に勤務していた若手のティミーが巡回を嫌がった為、代わりに私が行く事になったのです。若いので仕方ありません。辞められる方が困ります。
上司からは甘いと叱られるかもしれませんが、巡回は決められたマニュアル通りやっていれば誰がやっても結果は同じです。なのでこの場を任されている私としては問題ありません。
ティミーには守衛室で待っていて貰って、私はこの広い敷地内にある建物の確認に行きます。
どう考えても家より長く職場にいるものですから、すっかりこの景色は覚えてしまっています。誰かから道を聞かれれば家の事よりも分かります。家のことは妻に聞かなければわかりませんが・・・。
私はその日、いつもの巡回の準備をしていました。
ティミー「隊長、すいません。・・・無線の番していますんで、何かあれば連絡ください」
アル「ああ、いいよいいよ」
この今私が持っている巡回ルートの地図の中で、一箇所だけ怖い場所がある為、それでティミーは嫌がったようです。もう私はすっかり慣れてしまっており、何とも思わないようになりました。
新人や若手はとても怖がります。たまに人が足りず、応援に来てくれるベテランの人間でも少し怖がっていたくらいです。
巡回業務に向かう準備が出来た私達はお互いを正面に向き合いました。
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