第17話 疲労?
私が仕事中にこの電話が入ったのは、ティミーの後任が決定していることを部長に報告している時でした。
暫くはスポットで応援に入り、引継ぎ後該当者に正式勤務して貰う人事に決まりました。
アル「え・・・・本当ですか?・・・・・」
事務員「アル副指令、状況が状況ですので、総務部長から本日の所は帰宅して欲しいとの事です」
アル「わっ・・・分かりました・・・帰ります!」
取り掛かっていた仕事を途中でやめて、急いで杖を取り出して車へ急ぎました。
・・・・・妻が仕事中、倒れたのです・・・。
確かに少し前から調子が悪いと言っていましたが、恐れていた事が起きました。私が事故に遭った時から殆ど昼寝もしなかった妻は寝て休んでいる事が多くなりました。その間もしっかり仕事は行っていましたが、今日は限界だったようです。
それが続くので、最寄りの医院で診察をうけましたが異常無し。
やはり私が杖をつく生活に変わり、そんな姿を見て、心労があったのでしょうか。
病院につくと、妻は起きていました。
ローズ「アル、ごめんね。ちょっと調子が悪くなっちゃって・・・・」
アル「大丈夫か?!・・・・」
見た目はいつもより少しやつれて見えましたが、声のトーンはいつも通りの妻でした。
ローズ「今朝から少し眩暈がしてたんだけど、今はもう大丈夫よ」
アル「疲れが溜まってるかもしれないな。・・・・もう暫く仕事は休ませて貰おう。俺も明日の午前に一つ仕事があるから、午後から休む」
医師の話だと、頻繁に眩暈がするのであれば、入院して精密検査が必要との事でした。確かにこれまでいくら調子が悪くても大きな病院には行っておりませんでした。しかしその眩暈の感覚が日に日に短くなってきているように感じていました。
ローズの直属上司の方も病院に駆けつけており、直接待合室にて座って話しましたが、ローズは最近疲れが溜まっている状況であることをそこで聞きました。
休憩時間も同僚から見えない所で座って休んでいるという話を聞きました。
暫く会社を休むことに関しては承知しているから万全で戻って来て欲しいと同僚全員が願っているということも併せて上司の方は話されました。
確かに家では寝る事は増えましたが、起きている時は気丈に振舞って家事や洗濯をしてくれていました。寝ると少しだけスッキリするようでしたので、私は休むようにただただ言うだけで、この病状については軽視していました。
これからは俺も家事をしなくちゃいけないな・・・・妻に任せ過ぎたんだ・・・・。
私が家事をすると言えば、風呂掃除とたまに庭の掃除をするくらいでした。
家事分担は9.5(ローズ):0.5(アル)といったところでしょうか。ほぼほぼ妻がやってくれている状況でした。
ピリリリリリリ・・・・・
スマホが鳴ったので、車を路肩に停めて出ると電話の主はティミーでした。
アル「おう」
ティミー「隊長!お疲れ様です!明後日の勤務が最終勤務でしたので本社に挨拶に行っていたんですが、隊長の姿が見えなくて・・・・電話をさせて貰いました!ハーツ指令の送別会も夜勤で行かれませんでしたので、これで多分・・・最後になると思いまして・・・・・」
アル「そうか・・・・」
ティミー「この後は配属先の工場に行く予定です。御年70歳の先輩が勤務されているので飲み物を差し入れようと思っています」
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