第14話 よくある相談
ティミーはティミーで今の配属先に不満はあるようです。
まだまだ働き盛りの若い後輩にとってこの場所は退屈でしょうがないのかもしれません。この工場は私の受け持ちの隊の中で一番の過疎化地域にあります。
引き継ぎの情報だと、この工場もいつ無くなるか分からない状態とのですが、過去に泥棒が入った事がきっかけで守衛を立てると言う流れになったようでした。一時期は日勤の守衛業務を工場の社員さんがやっていましたが、定年退職された為、夜間を含む全日を私達の会社が請け負っていました。そういう経緯があるのでなかなか断る事は出来ず、今もまだ契約は続いている状況でした。
アル「ここもな、どうしても契約を断れない部分もあるみたいだからな」
ティミー「隊長が来られた時に、直接言おうと思っていました」
アル「どうした?」
ティミー「長い間こうやって一人で居ると、色んなことを考えてしまうんです」
アル「うん、それはわかる」
ティミー「元々小売店に居たんです。あの頃が懐かしいとか思いながらですね・・・」
アル「そういえばそうだったな」
ティミー「給与が安かったので、高みを求めて転職したのですが・・・・」
確かに今居る会社で暫く過ごせば一般以上に給与は貰う事が出来ます。しかしそれは自分の時間を売り物にして稼ぐ為多いようには見えます。ただ単純に時間給だけを言えば、前の小売店に居た時の方が高いのかもしれません。
ティミーは転職を考えています。話の流れ的に間違いありません。
幾千もの辞める後輩の背中を見てきました。このような相談。受けてきました。こうなってしまった後は引き留めても止まりません。
次彼がどこの業界に行くのか分かりませんが、自分がやりたいことであれば応援したいと思っています。新人の頃からここまで彼を教えて来た立場としては、非常に残念ですがこの会社に居るうちはしっかりわが子のように育てるのが私の役目なのです。そこだけは最後まで全うしたい。その気持ちだけを持って育ててきました。
ティミー「シェルター事業です」
アル「シェ・・・シェルター事業?・・・・・ってあぁ・・あれか」
ティミーの口から思わぬ言葉が飛び出しました。今再び話題になっているあの事業。以前の配属先の休憩時間にもこの『シェルター事業』について二人で話をしたことがあります。そういえばティミーはやけに詳しかったな。元々この事業に対して興味があったのかな・・・・。
アル「あの政府がいよいよ介入したっていう事業のこと?」
ティミー「そうです。元々は一般企業が研究していたんですが、どうしても一般の力では抱える事が出来ず、別部門の力が必要という事で国の研究機関に一部特許を明け渡したんです」
アル「そういうことだったのか。随分前から言ってたもんな。何故今更国が介入するんだって思っていた所だったんだよ」
ティミー「俺は元々、シェルター事業の機械やサテライト版の体験チケットを販売していました」
以前お酒を飲んだ時に、家電製品を販売していたということを彼から聞いていましたが、まさかそのような特殊機械を販売していたなんて・・・・・。
え?というか家電?・・・富裕層からしたらそれもただの家電なのか・・・。
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