いざ、姫路へ
いやあ、姫路っていうのはいいもんですよ。
中国やらインドやら韓国やらもいいですけど、私はあのエキゾティックな雰囲気が少々苦手でね。
まあ読んでくれたら幸いでございまする。
私はその日、ニコニコ動画とかいうサイトを見てたわけですよ。で、そこの生放送とかいうたわけたシステムを利用して遊んでいたわけなんです。
そして、偶然へもさんに出会ったんです。へもさんとスカートを穿いただのまた女装しただの部室でアッーだの下らない話をしていたら、突然へもさんが言うんです。
「俺の友達、姫路に住んでる」
そんな話がどんどん展開していき、ついにリスナーの私が姫路へ勃つ……じゃない、発つことになりました。
そして、その日の翌々日。身支度を整え、私は玄関を出ました。私の家は、田舎とも都会ともつかない微妙な位置にあります。歩いて最寄り駅に向かうと。
その最寄り駅に居たんです、あの怪物が。そうです、へもさんです。私はガクブルしました。まさか最寄り駅を知られていたとは。
とにかく、談笑しながら電車を待っていました。オレンジ色103系クソオンボロ電車を快く迎え、乗り込みます。
中は熱気に包まれ、ラッシュ時でもないのに非常な混雑。いやあ、この路線、侮れません。ヘモグロびんがワルグロびんになってしまいますよ。私の股間もビンビーンですよ。
そして大阪駅に到着。もうこの時点でみなさんは私の最寄り駅の見当はだいたいついていますね。そうです、私が住まう家の近辺にある駅は、福島駅か野田駅か西九条駅か弁天町駅か大正駅か芦原橋駅か今宮駅か新今宮駅か天王寺駅か寺田町駅か桃谷駅か鶴橋駅か玉造駅か森ノ宮駅か大阪城公園駅か京橋駅か桜ノ宮駅か天満駅なわけです。
大阪駅から、新快速晩秋麻生行きに乗ります。なんだか哀愁漂うかわいそうな行き先ですね。私のパソコンがそう変換してしまったので仕方がないです。
新快速のシートは、いわゆるクロスシートです。特急電車みたいな。だから、超絶ミニミニテーブルを出してひとまず食事です。
時間帯を言っていませんでしたね。家を出た頃は朝の五時でした。てなわけでおいしそうな幕の内弁当を朝食としてイタダキます。
しかし、当の私は動揺して箸が持てませんでした。そう、へもさんは私が穿く用のアレを持ってきていたのです。なんでも、私の汚装を見たいようで。これじゃあ、この旅日記の趣向が変わってしまうではないですか。なのでこの辺のアッーな話は控えめでいきます。
てなわけで、ソーセージをパクリ。普段ならパッサパサで不味いと思う(いや、決してそんなことはないのだけれども)真っ赤なソーセージは、この浮かれた気分の中では大変美味に思えます。
そして、決してサクサクとはいえないが八丁味噌がおいしいとんかつ。まさに、手八丁口八丁です。よいこのビールをグイッです。
更に、おいしそうな生ハムとカマンベールチーズとフランスパンとぶどう。へもさんの粋な計らいです。いやあ、よいこのワインが合う、合う。この世にこんなうまいものがあるのかと感嘆。
途中、某有名私立学校のある住吉駅で降車。東灘区観光です。いやあ、見事になんにもない。だが、この田舎ななんにもなさが好きだ。遥か上空を走る六甲ライナーを横目に、楽しく東灘を歩き回ったのでした。