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今さらだけど異世界満喫! 〜気づけばアラサー冒険者ですが、ゲーム知識で強くてニューゲーム〜  作者: しんこせい(『引きこもり』第3巻2/25発売!!)


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成果


 まずは向かってくる魔物達の選別からだ。


 やはり目立つのは飛竜ワイバーンを一回り小さくしたような蜥蜴型の魔物。

 鷹や鷲のモンスターなどもそれほど多いわけではないが、ある程度の数が居る。

 彼らに城壁を突破されてしまうと非常にマズい。


 下を見ればそこには、空へ照準を向けているバリスタを操る兵士達と精霊魔導師の姿がある。

 俺達が狙うべきはやはり――超高高度に居て下からの迎撃が不可能な個体!


「行くぞスカイ!」


「きゅうっ!」


 まず狙ったのは、こちらをいち早く発見した鷹型魔物の個体だ。

 あれは……マキシムファルコンか。


「クアアアアッッ!!」


 翼を羽ばたかせながらこちら目掛けて飛んでくるマキシムファルコン。

 俺が放つのは、あらかじめ準備しておいた自律魔法。


「『魔力の矢(ハーロ・キーン)』!」


「クオオオッ!?」


 俺から約五十メートルほど離れた場所に魔力の矢が現出し、射出される。

 マキシムファルコンは翼を打ち抜かれ、そのまま地面へと墜落していく。


 滑空しながら体勢を整えようとしていた様子を最後まで確認することはせず、俺はそのまま次の魔物の下へと向かっていった。


 ――高度を取った戦闘の場合、無理をしてまで相手の息の根を止める必要はない。

 最も大切なのは、相手の飛行能力を削ぐことだ。


 高所から墜落すればそもそもの肉体の作りが脆弱な飛行可能な魔物であればまず間違いなく即死するからである。

 墜落して生き残ったとしても危険性は大きく下がる。


 飛んで直接城壁の内側に乗り入れることさえさせなければ、後は歩いてやってきた魔物達と同じ対処方法でいい。


 よしんば完全に飛行能力を奪いきれなかったとしても、低空飛行状態であればバリスタと精霊魔導師達で対処が可能になる。

 彼らだけでは対処できないことに時間をかけるやるべきだ。


「きゅうっ!」


 スカイは勢いよく前進し、至近距離から『魔力の矢』を放った。

 空飛ぶ蜥蜴であるエアリザードを打ち落とす。

 スカイに新たに覚えさせたのは、魔力量の消費を抑えながら威力を上げるため、射程を短くさせた『魔力の矢』だ。


 ――俺が仕込んだことで、スカイは問題なく自律魔法を発動させることができるようになった。


 あまり複雑すぎる魔法陣だと覚えるのが難しいらしいが、『魔力の矢』のような比較的簡単なものであれば既にいくつかを習得することができている。


 ただ空を飛んでいるスカイのやることは多い。

 空を飛びながら、俺の持つ手綱に従い、近付いた魔物達にはそして噛みつきや蹴りなどの物理的な攻撃などに意識を集中させなければならない。


 そのためなるべくこいつの負担を減らすべく、俺達は空中戦を見越して、特訓を重ねてきた。

 まず一つ目は、目算での正確な距離の把握だ。


 俺は十センチ刻みで目算で正確な長さを測ることができるようになった。

 今ではこちら目掛けてやってくる相手の速度から、距離を逆算することもできる。


 これによってできることが格段に増えた。


 俺は『一筆書き(ストローク)』を使う際に出現する場所と方向を指定することで、自律魔法を出す場所を自在にコントロールできる。


 今まではある程度決まった距離や方角からパターンで使うようにしていたが、その自由度が格段に上がったのだ。


 相手とこちらとの間の距離を正確に計ることで、攻撃を着実に相手に当てる方法を導き出す。

 今の俺なら死角から敵を自律魔法で攻撃することも自由自在だ。


「『茨の棘』!」


 今もまた、俺が放った魔法の棘を食らい飛行能力を失った蜥蜴が地面に落ちていく。


「スカイ!」


「きゅうっ!」


 スカイが放った『第三の手』が、グリンと思い切り鳥形魔物の翼を捻る。

 なんとかして姿勢制御を行おうとする魔物へ近づき、思い切り蹴りを放って翼の骨を折る。

 こんな風にスカイに魔法の当たるタイミングを指示して攻撃を放つこともお手の物だ。


 スカイの高い身体能力のおかげで、遠近両用で戦えるのも強みだ。

 近距離だと相手がしづらいような相手であれば、俺の自律魔法が火を噴く。

 お互いを補い合う形で、俺とスカイはどんどんと魔物を落としては次の獲物へと食らいついていく。


 魔精魔法が飛び交い、少し高度を下げて戦えば下から飛んでくる精霊魔法に炙られそうになる。高度を可変し、味方が劣勢とあらばすぐに助太刀へと向かう。


 飛行ユニットは、俺達だけではない。

 数は少ないが、周囲は空を飛びながら敵の魔物へ攻撃を仕掛ける従魔達も存在している。

 冒険者と今回雇ったという傭兵達の中に、飛行可能な魔物を使役しているテイマーが何人かいたからだ。


 適宜味方の魔物達のフォローもしながら動いていると、下から銅鑼の音が聞こえてくる。

 どうやら地上の方でも、攻勢が本格化してきたらしい。


「GYAAAAAO!」


 小物を倒し続けていると、流石に見かねたからか、遠くからでもその姿が視認できるほどに巨大な魔物がこちらへやってくる。

 あれは……エンシェントワイバーンか。


 飛竜の中でも特に強力な、全属性の魔精魔法を繰り出す強敵だ。

 ランクはA、少なくとも今まで戦った魔物の中で最も強力な魔物になるだろう。

 しかし、相手にとって不足なし。

 ドラゴン相手の前哨戦だ、派手にやろうぜ。


「――行くぞ、スカイ!」


「きゅきゅうっ!」

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