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朝
朝焼けの空。
お日様が、顔をちょっと出したそんな空。
そんな空をくじら雲は飛んでいた。
ビー玉みたいな目は、朝の太陽の光が差し込んできらきらと輝いていた。
くじら雲は思った。
思ったけれど、潮をぷしゅうと吐いた。
そして大きなあくびをした。
ふぁあ~、と。
ゆったりゆったり朝焼けの空を飛びながら、少しまだ眠いなぁとそんな雰囲気を漂わせていた。
くじら雲は、地上を見下ろした。
そして、呟いた。
雲語であった。
雲語は空気みたいな不思議な言語。
私たちには、わからない。
お日様が顔を完全に出し、朝陽が地上にあまねく差してゆく。
くじら雲にも朝陽があたる。
くじら雲はゆっくりとそんな空を旋回した。
他の雲にもあいさつしなくては、と。
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