主要人物紹介①
今回の更新は本編ではなく、ここまで登場した主要キャラの紹介となります。
本編で触れていた内容の深堀や初出の情報もありますが、これを読まなければ今後の物語がわからなくなるといったことは無いので、見なくても良いという方は、スルーしていただいて問題ありません。
なお、第五章終了時点の内容となっていますので、ネタバレにはご注意ください。
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[名前] オルン・ドゥーラ
[性別] 男性
[年齢] 19歳(四聖暦610年6月生まれ)
[外見] 黒色の髪、瑠璃色の瞳※、身長178cm、中背中肉
※【封印緩和:第五層】以上で右目が、【封印解除】で両目が黒色に変化する。
[所属] 《夜天の銀兎》:第一部隊
[異能] 【■■■■】:魔力を感知できたり重力を操作できたりと様々なことが可能
[異名] 竜殺し/王国の英雄
[概要]
数百年前に邪神を倒したとされるおとぎ話の勇者こと、《異能者の王》の先祖返り。
幼少期より学習能力、適応能力がずば抜けて高く、それによって周囲から畏怖されていた。その視線や態度に幼かったオルンは耐えられず、最終的にオルンの父親が開発した封印魔術を施されることとなる。
9歳の頃にベリア率いる《シクラメン教団》の襲撃を受けて敗北。里の人間はオルンとオリヴァーを除き全員殺され、生き残った二人も【認識改変】を受けて記憶を教団の都合の良いように書き換えられる。その影響で南の大迷宮の攻略が自分たちの夢であると刷り込まれた。
探索者となってからも学習能力や適応能力は衰えることは無く、武術・魔術共に高水準で修めていたが、肝心の身体能力と高位の攻撃魔術は封印魔術によって封じられ、最終的に能力不足を理由に勇者パーティを追い出されることになった。
追い出された後は《夜天の銀兎》に加入し、クランの幹部にも抜擢される。クラン加入後も新人の指導や新規魔術である【物体浮遊】や【重ね掛け】の公開、武術大会優勝など、上り調子であった《夜天の銀兎》への追い風となる実績をいくつも作っている。
また、【認識改変】の影響もあって勇者パーティに居た頃はオリヴァーを立てるよう行動していたが、パーティを追い出されたことをきっかけに立てる相手が居なくなったことから、これまで以上に自由に行動することが可能となった。
その結果として、黒竜の単騎討伐や勇者の暴走・魔獣氾濫の鎮静化、帝国の侵攻を退くことに大きく貢献など、勇者パーティを追い出されてから1年と経たずにその存在を内外に強く認知されることとなった。
戦闘面に関しては封印魔術を改変できるようになったことで、近距離戦・中距離戦・長距離戦全てにおいてトップレベル。勇者パーティでの付与術士としての経験からサポートも問題無くこなせるため、付け入る隙はほとんどなく第五章終了時点で作中世界の上位に位置する。
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[名前] ソフィア・クローデル
[性別] 女性
[年齢] 15歳(四聖暦614年12月生まれ)
[外見] 緋色の髪、桃色の瞳、身長145cm、小柄
[所属] 《夜天の銀兎》:《黄昏の月虹》
[異能] 【念動力】:物体に対して物理的な影響を与えることができる
[異名] 無し
[概要]
愛称はソフィー。
ノヒタント王国東部の都市ダルアーネを治めているクローデル伯爵と当時の使用人との間に生まれた私生児。母親が出産時に亡くなってしまったことから、クローデル伯爵家で育てられることに。
ソフィアの存在が気に食わないクローデル夫人からは酷い扱いを受け、父と兄からは無関心を貫かれていた。そんな状況で姉のセルマだけはソフィアを可愛がっていて、ソフィアにとって家族と呼べる人物はセルマだけであった。
そんなセルマも貴族院卒業後は探索者となり生活拠点をツトライルに移したことによって、クローデル夫人のソフィアに対する態度は虐待へとエスカレートしていく。クローデル夫人の機嫌を損なわないように自我を可能な限り押し殺して過ごす日々が続いた。
その事実を知ったセルマによって家を連れ出され、ダルアーネからツトライルへ移ることになった。
事ある度に家名を持ちだすクローデル夫人を見続けていたことも相まって、家名を抜きに自分の力だけで周りから頼られ、認められているセルマの姿を見たソフィアは感銘を受ける。
そんな姉のようになりたいと思い、ソフィアは探索者となることを決意した。
最初の三十層攻略時にシオンたち《アムンツァース》より命を狙われ、その状況を打開するために「物体に影響を与えられる感覚」を昇華させて異能を発現させた。
元々引っ込み思案な性格であったが、パーティメンバーであるキャロラインやローガンと打ち解けたことやオルンの指導、自分たちの力で大迷宮の階層を進めていくことで徐々に自信をつけ始めている。
なお、第五章終了時点でソフィアの所属している《黄昏の月虹》は南の大迷宮の61層に到達している。
戦闘面に関してはAランク探索者の中では上位に位置する。魔術と異能による中距離・遠距離戦闘を得意としていて、異能の拡大解釈も相まって探知能力に関してはSランク探索者に匹敵するほど。
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[名前] ローガン・ヘイワード
[性別] 男性
[年齢] 15歳(四聖暦614年11月生まれ)
[外見] 金色の髪、紫色の瞳、身長152cm、やや細め
[所属] 《夜天の銀兎》:《黄昏の月虹》
[異能] 【影操作】:影を操り実体化させることができる
[異名] 無し
[概要]
愛称はログ。
作中屈指の天才であり、物語開始時点ではその才能に溺れそうになっていたが、教導探索を経て自分を見つめ直したことで道を踏み外すことは無かった。
生まれは寒村であるが村民の援助のお陰で探索者になれたため、そのことに深い感謝をしている。
毎月クランから支払われる給料の大半は、食材や生活魔導具に換えて村への仕送りを行っている。
レグリフ領にてキャロラインの兄姉であるルエリア、フレデリックとの戦闘の中で、これまで後ろ向きに捉えていた「自分は影のようなものだ」という意識を昇華させて異能を発現させた。
戦闘面に関しては既にSランク探索者と比べても見劣りしないほどであり、状況に応じて魔術、槍術、異能を使い分けたり併用したりと、近距離戦・中距離戦・長距離戦・サポートの全てで充分以上に活躍できるオールラウンダーへと成長している。
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[名前] キャロライン・イングロット
[性別] 女性
[年齢] 14歳(四聖暦615年3月生まれ(仮))
[外見] 赤混じりのベージュ色の髪、翠色の瞳、身長152cm、年齢不相応なほど豊満
[所属] 《夜天の銀兎》:《黄昏の月虹》
[異能] 【自己治癒】:自身が負った傷を即座に癒すことができる
[異名] 無し
[概要]
愛称はキャロル。
《シクラメン教団》の元被験者。
十年前のオルンとベリアの戦いをきっかけに教団は異能の研究に力を入れることになった。その中で【自己治癒】がピックアップされ、発現の可能性のあったキャロラインとその兄姉が誘拐されることに。
ベリアより異能の研究の責任者を任されていた《博士》により、非人道的な扱いを受け続けていたキャロラインは、自死を決意し実行するも、深層心理ではまだ生きたいと思っていて、それが昇華した結果【自己治癒】を発現させた。
しばらくして用済みと判断されたキャロラインは、放棄された迷宮兼教団の拠点に探索者たちをおびき寄せ、他の処分対象者同様に処分される予定であったが、その拠点襲撃に参加していたアルバートによって保護されることとなる。
教団に誘拐される前に母親から言われていた「辛くても笑っていれば、いつか幸せと思える日が来る」という言葉を心の支えに、耐え続けていたことによって、自身は常に笑みを浮かべるようになり、周りの人間にも笑っていてもらえるように自分のことを差し置いて他人のために行動するという思考が根付いていた。
また、非人道的な扱いを受ける中で痛みに対して鈍感になっていき、物語開始時点では自分の身体に対して頓着しなくなっていた。
しかし、それらもソフィアやローガン、オルン、ルーナをはじめとした人間の優しい面に触れ続けることで少しずつ考えを変えつつある。
戦闘面に関してはAランク探索者の中では既に上位。異能の拡大解釈によって疲労回復が可能であり、文字通り常に全開戦闘が可能。身体能力についてはフウカやオルンといった世界有数の実力者に迫るものであり、こと近接戦闘に於いてはSランク探索者にも引けを取らない。
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[名前] ルーナ・フロックハート
[性別] 女性
[年齢] 19歳(四聖暦610年9月生まれ)
[外見] 藍色の髪、藍色の瞳、身長155cm、スレンダー
[所属] 《夜天の銀兎》:《黄昏の月虹》
[異能] 【精霊支配】:変質した魔力である精霊を意のままに操ることができる
[異名] 聖女
[概要]
ノヒタント王国内で有数の商会であったフロックハート商会の養女。養女となる前は孤児だった。
当時は下級貴族との繋がりを強めることを目的とした政略結婚の道具となるために商会長の養女となったものの、ルーナが異能者であること知ったツトライルの領主であるフォーガス侯爵が、商会に対して要求を呑めば取引量を増やすと提案をしたため、政略結婚は無くなった。
そして、侯爵の指示に従ってオルンとオリヴァーとルーナの三人で探索者パーティ《黄金の曙光》を結成する。
探索者となってからは自身もその才能を遺憾なく発揮し、途中でデリックとアネリを仲間に加えて南の大迷宮94層に到達したことで、新たな《勇者》となった。
その後、自分のあずかり知らぬところでオルンが勇者パーティを追い出されたことを知ったルーナは、勇者パーティに見切りを付けて脱退を考えていたが、それを養父によって却下される。
脱退が叶わなくなったため勇者パーティの立て直しに注力するも、アネリやデリックからの反発が大きく、感謝祭開始時点の勇者パーティ内の雰囲気は最悪と言えるものであった。
そんな中でフロックハート商会が少年少女の拉致監禁の罪に問われたことで、取り潰しされてダウニング商会に吸収されることが決定。それに加えて勇者パーティメンバーが街で暴れ拘留されたことによって実質的に勇者パーティが解散となり、感謝祭期間の数日で自身の居場所を全て失った。
これからのことを考えていたところでオルンと再会し、《夜天の銀兎》という新たな居場所を作ってくれたオルンに深い感謝をするとともに、これからもオルンに付いていくことを決意した。
《夜天の銀兎》では《黄昏の月虹》に所属し、他の三名の成長を見守りながらサポートに徹している。
戦闘面に関しては、オルンより「出会った後衛の探索者の中では間違いなく一番」と言われるほどのもの。魔術と異能を併用した戦闘スタイルで中距離戦・長距離戦・サポートを高水準でこなす。近距離戦闘も必要最低限のレベルはこなせる。
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[名前] セルマ・クローデル
[性別] 女性
[年齢] 22歳(四聖暦607年7月生まれ)
[外見] 深みのある緋色の髪、赤色の瞳、身長163cm、グラマー
[所属] 《夜天の銀兎》:第一部隊
[異能] 【精神感応】:声を発することなく任意の対象と意思疎通を図ることができる
[異名] 大陸最高の付与術士
[概要]
ノヒタント王国東部の都市ダルアーネを治めているクローデル伯爵家の長女。
腹違いの妹であるソフィアを溺愛している。
幼少期より貴族社会が肌に合わないと感じており、貴族院で過ごすうちにその気持ちは大きくなっていった。貴族院では同級生であったルシラやローレッタと一緒に行動することが多く、次席で卒業。
卒業後は貴族社会と距離を置くために探索者になることを決意し、《夜天の銀兎》に加入。
探索者となった直後は順調だったが、下層に到達した辺りから大きな壁に阻まれ、思うような結果が出せなくなってきた。
そんな時に友人であるルエラに「自己分析をして強みと弱みをきちんと把握することが肝要」だとアドバイスをもらったことで、割り切って自分の強みである支援魔術に特化した探索者になることを決意。
その後パーティメンバーにも各人の強みを加味した役割を与えたことが、ロールという概念が生まれたきっかけとなる。
それがクラン、ツトライル、探索者全体とどんどん広がっていったことでセルマの名前も広がっていき、非凡な支援魔術も相まって《大陸最高の付与術士》とまで呼ばれることとなった。
第五章終了時点で、オルンが開発した他者にも効果のある【重ね掛け】がクラン内で公開されているが、オルンとローガンを除けば唯一【重ね掛け】を習得していて、《夜天の銀兎》に所属している他の付与術士は未だ習得できていない。
戦闘面に関しては支援魔術と異能によるサポート特化であり、その点においてはSランク探索者の中でも頭一つ抜けている。攻撃魔術に関しては他のSランク探索者と比べると見劣りしてしまう部分があるが、それを補って余りあるほどに迷宮探索におけるセルマの存在は大きいものとなる。
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[名前] レイン・ハグウェル
[性別] 女性
[年齢] 24歳(四聖暦605年4月生まれ)
[外見] 青みがかった黒色の髪、空色の瞳、身長145cm、十代前半に見間違えられるほど幼い
[所属] 《夜天の銀兎》:第一部隊
[異能] 無し
[異名] 無し
[概要]
ヒティア公国の名家であったハグウェル家の次女。
特異魔術士であり、特異魔術は【空間跳躍】。
ハグウェル家は魔術至上主義であり、幼少期より魔術の才能に溢れていたことから、姉を差し置いて両親より愛情を注がれ育ってきた。
5歳の頃には既に魔術の教育機関である学園に入学しており、魔術を学ぶ過程で自身が特異魔術士であることを知ることとなった。
精神が未熟であったレインは自分は特別な存在であると天狗になっていたが、同じく学園に籍を置いていたシオンの逆鱗に触れてしまう出来事が起こり、完膚なきまでに叩きのめされ、始めての敗北感を味わった。
そんな折にレインの存在によって増長していた両親は、《シクラメン教団》の甘言に惑わされてしまう。レインはその両親の指示に従って疑問を覚えながらも特異魔術を行使するが、それが《アムンツァース》に甚大な被害を与えるとある事件の発端となった。
そのことを知ったレインの姉であるテルシェによって、両親をはじめとしたハグウェル家に連なるものはレインを除き全員粛清されることとなった。
レイン自身も死を覚悟していたが、彼女は国外追放を言い渡されただけで命を取られることは無かった。レインはこの結果がテルシェのお陰であると考えていて、姉に深い感謝をするとともに、姉のような慈悲深い人間になりたいと思うようになった。
ヒティア公国を追われ、行く当てもなく彷徨っていたところで、偶然休暇を取って各地を漫遊していたアルバートと出会う。
その後アルバートの旅に同行し、最終的に《夜天の銀兎》の探索者となった。
外見はあまり成長しなかったため、侮られることが多かったが、それらは全て実力と結果で黙らせてきた。第五章終了時点における団員たちからの認識は「頼りになる小さなお姉さん」となっている。
戦闘面に関しては、特異魔術を使用しないと自分に縛りを設けているものの、特異魔術士としての魔術との親和性は他を寄せ付けないほどのものであり、全ての魔術を高水準で扱える。また、小柄な身体を行かした身軽な動きも可能であり、回避能力も高い。
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[名前] ルクレーシャ・オーティス
[性別] 女性
[年齢] 19歳(四聖暦610年8月生まれ)
[外見] 金色の髪、碧色の瞳、身長154cm、細め
[所属] 《夜天の銀兎》:第一部隊
[異能] 【魔力追跡】:魔法や魔術の残滓を追って、魔術や魔法が発動された場所や術者が分かる
[異名] 無し
[概要]
愛称はルクレ。
第一部隊の回復術士。
回復魔術に高い適性を持っていて、理論についてはからっきしでありながら第一部隊に抜擢された感覚タイプの魔術士。
以前はセルマやレインからも理論もきちんと学んでおくべきだと言われ、渋々魔術の勉強をしていたが、難なく魔術を発動できていることから必要性については疑問視していた。
そして、93層の到達を目指して当時の第一部隊で黒竜に挑んだが結果は敗北。
致命傷を負ったアルバートに懸命に回復魔術を掛けるが、その努力虚しく彼は息を引き取ってしまった。
その後、自分の力不足を呪い一時期塞ぎ込んでいたが、ウィルクスに背中を押してもらい立ち直ることができた。
その経験から、今では回復魔術をメインに魔術の勉強を本気で取り組むようになり、物語開始時点ではオリジナル魔術を開発できるまでに魔術への理解を深めている。
戦闘面では回復魔術は当然、攻撃魔術や支援魔術もSランク探索者として見劣りしないレベルで行使できる。
第一部隊の一員として戦闘する際は常に回復魔術の余力を残しつつ、セルマとレインの補佐も務めている。
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[名前] ウィルクス・セヴァリー
[性別] 男性
[年齢] 20歳(四聖暦609年2月生まれ)
[外見] 灰色の髪、琥珀色の瞳、身長183cm、やや筋肉質
[所属] 《夜天の銀兎》:第一部隊
[異能] 無し
[異名] 無し
[概要]
愛称はウィル。
第一部隊のディフェンダー。
なんでもそつなくこなせる秀才タイプで、子どもの頃から金銭面以外に困ったことはほとんどなく育った。
成人になり、真面目に働く気のなかったウィルクスは楽して稼げる方法を考え、自分の身体能力の高さなら探索者として食うに困らない程度なら稼げるのでは、と考え探索者になることを決めた。
そんなある日、その日も日銭を稼ぐために中層に潜っていたウィルクスは、同じくソロで中層の探索をしていたアルバートと出会うことになる。
アルバートに気に入られたウィルクスは、《夜天の銀兎》への勧誘を受け、最初は断っていたもののアルバートの巧みな話術によって最終的には加入することとなる。
クランに入り、多くのルールに縛られることに辟易しながらも、アルバートから武術の指導を受けたことで、手を抜きながらも下層でも活躍できるほどに成長し、第一部隊に抜擢されることになる。
アルバートはウィルクスの身体能力以上に体幹の強さに注目していて、アルバート曰く、彼の元相棒であるウォーレンをも超える可能性を秘めていると言われていた。
当時は盾と剣といったオーソドックスなディフェンダーとして、前述の体幹の強さもあり充分に活躍していた。
しかし、黒竜との戦闘の中で、攻撃を受け止めきれずによろめいたところに追撃を受け、死を覚悟するも、両者の間に割って入ってきたアルバートに庇われ九死に一生を得た。
その代償としてアルバートは亡くなった。
アルバートに救われた命を無駄にしないようにと決意を新たにしたウィルクスは、南の大迷宮攻略というアルバートの夢を引き継いで、探索者というものと本気で向き合う覚悟を決めた。
それからは自分の戦闘スタイルから見直すこととなり、どんな攻撃を受けてもよろめかない護りができるようにと考えてたどり着いた答えは、敵の攻撃を正面から受け止めるのではなく受け流すスタイルだった。
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[名前] フウカ・シノノメ(東雲風花)
[性別] 女性
[年齢] 18歳(四聖暦611年8月生まれ)
[外見] 濡羽色の髪、黒色の瞳、身長160cm、スレンダー
[所属] 《赤銅の晩霞》
[異能] 【未来視】:少し先の未来が視える
[異名] 剣姫
[概要]
《剣仙》と《姫巫女》の先祖返りにして、キョクトウの国宝である妖刀――白櫻に適合した超越者。また、キョクトウの皇族の生き残り。
幼少期より剣の才能はずば抜けており、氣の操作を習得した頃には異能込みであれば、フウカに勝てる者は師を除いて国内には居なかった。剣術のみでも当時のキョクトウ最強の剣士に追随するほどであり、将来を期待されていた。
フウカが12歳の頃、フィリーの策謀によってキョクトウは内戦へと発展しており、その戦いの中で、キョクトウの皇族であったシノノメ家は、フウカを除いて全員亡くなってしまった。
武力は申し分なくとも、まだ子どもであったフウカに家臣たちを従えるだけの影響力は無く、最終的に家臣のほとんどに裏切られるかたちとなるが、テンドウ家は最後までフウカへの忠誠を尽くして、彼女を国外へ逃がすことに尽力した。
無事に国外へ逃れる算段が立ったタイミングで、当時のテンドウ家当主より白櫻を授かる。
海を渡り大陸へと逃げ果せたフウカは、そこで《アムンツァース》の保護を受け、しばらくの間ヒティア公国で暮らすこととなる。
元から感情表現が乏しかったが、内戦を経験してそれが顕著となっていた。しかし、ヒティア公国で出会ったシオンやその他の人たちと接していく過程で、少しずつ感情を取り戻していった。
また、妖刀と適合したことで何もしていなくてもエネルギーを大きく消費してしまう体質になってしまい、シオンがそれを知り大量の食事を与えた結果、フウカの大食いに拍車がかかってしまった。
精神的にも回復したタイミングで《アムンツァース》のリーダーであるクリストファーより依頼を受ける。その依頼内容はオルンやオリヴァーの監視及びオリヴァーが暴走した際に彼を止めるもしくは殺すこと。
その依頼を遂行するためにハルトと一緒にツトライルへと向かった。
その道中でカティーナたち、後の《赤銅の晩霞》のメンバーたちを仲間に加えることとなる。
ツトライル到着後は、いつでも違和感なくオルンたちに接触できる名目や生活費を稼ぐために探索者になり、あっという間に深層に到達。
その圧倒的な強さから《剣姫》の異名で呼ばれることとなる。
戦闘面に関しては【未来視】によって敵の行動を事前に察知できるため、彼女を捉えることは困難を極める。近距離戦闘に関しては、探索者全体の中でも間違いなくトップであり、作中世界の最強候補の一人。
魔術の行使を苦手とするが、異能と妖刀によって実質的に魔術を無効化する術を身に着けているため、強引に近接戦闘に持ち込むことが可能。また、斬撃を飛ばす荒業で離れている敵も斬りつけることができるため、中距離戦もそこまで苦にはしていない。
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[名前] ハルト・テンドウ(天堂陽翔)
[性別] 男性
[年齢] 25歳(四聖暦604年10月生まれ)
[外見] こげ茶色の髪、黒色の瞳、身長187cm、やや筋肉質
[所属] 《赤銅の晩霞》
[異能] 【鳥瞰視覚】:視界を任意の場所に転移させることができる
[異名] 無し
[概要]
キョクトウを治めるシノノメ家の分家に当たるテンドウ家の長男。
テンドウ家は代々シノノメ家の補佐や護衛を務めている家系であり、ハルトもその例に漏れず、これから生まれてくるシノノメ家の人間を護れるようにと、幼少の頃から厳しい稽古を付けられていた。
その稽古とハルト自身の戦闘センスの高さもあって、幼くして一族相伝の『氣』の操作を習得した。
そしてフウカが生まれ、彼女の護衛を拝命したが、早々にハルトよりもフウカの方が強くなり、護衛である意味があるのかと疑問に思っていた。
そんな中で内戦が起こり、シノノメ家の人間が家臣の裏切りによって数を減らし、ついにフウカ一人になってしまった。移ろいゆく状況に戸惑い傷つきながら、それでも気丈に振舞っていたフウカの姿を見たハルトは、彼女がまだ子どもであることを実感し、同時に彼女の心の強さに惹かれて、フウカの家臣として彼女についていくことを決めた。
キョクトウから離れ、ヒティア公国に亡命してからもフウカの足りない部分を補うように彼女の補佐をしていた。
ツトライルへとやってくると、その道中で得た仲間(フウカの家臣)たちとともに探索者クラン《赤銅の晩霞》を立ち上げ、そこの団長を務めることとなる。対外上はハルトがリーダーであるものの、実際の《赤銅の晩霞》のリーダーはフウカであり、クランの中では彼女の意向が最重視される。
戦闘面に関しては、剣術を修めているが、武器を使わない格闘戦闘を得意としている。
また、氣の操作はフウカ以上であり、体外に放出して目に見えない鎧のようにしたり、破裂させることで武器や敵の身体を内側から破壊したりと、無手でありながら攻防に隙が無い。
魔術は苦手ではあるものの充分に行使できるため、中距離・遠距離も対処可能。
ハルトのスタンス的にフウカと共闘することが多く、彼女と一緒に戦う際は異能を行使してフウカの死角を補う等のサポート的な動きが多い。
最後までお読みいただきありがとうございます。
思っていた以上に文字数が多くなってしまったので、今回は主要な探索者たちに絞りました。
探索者以外の主要キャラは②にて紹介する予定です。
もしかしたら、第六章の更新の方が早くなるかもしれませんが、気長に待っていただけると有難いです。