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異世界産まれは異世界に帰ります!

作者: 緑憐

 私は異世界産まれ、異世界育ちの20歳。

 そんな私は18歳の時にひょんな事から異次元ホールに吸い込まれてしまれてしまったのです。

 17歳の時に一つ年上の婚約者と結婚し、素敵な毎日を過ごしていたというのに!


 どうしても元の世界に戻りたい!

 そう思った私は異世界の研究をしている科学者、研究者の二人と協力し元の世界と連絡を取ることに成功!

 苦節1年半、今日こそ異次元ホールをこじ開けて、元の世界に戻る日なのです!(あくまでも予定)


「ゆゆさん、今日異世界にいけるんですね!」

「儂も楽しみですぞ!この歳で異世界!人生捨てたもんじゃないですな!」

「瑠璃さんに仁さん、お二方のおかげで異世界に戻れるなんて、感謝しかありません!」


『いやいやこちらこそ~異世界にいけるなんてラッキーですから!』



私、ことゆゆ、瑠璃さん、仁さんで異世界に帰還します!







「約束の時間まで〜3、2、1〜つ!」


この世から異世界へレッツゴーする悲し〜い寂し〜い雰囲気には間違ってもなりそうにない、ハイテンション。私もやっとこ帰れるので例外ではありません。


「ふんが!」


 なに、このへんな空気。

 殺気、じゃないんだけど絶対こじ開けようというものすごい空気を感じる、。


『誰か飛び込め!』


「「ゆゆさん!!」」


 わたし!?

 と、とにかく飛び込みましょう。

 

 頭から突っ込んで派手に飛び込む。

 

落ちたのは痛い地面、ではなく。



「やっと会えた。」

「アル…。」


2年前別れた愛しい夫の腕でした。



仁さんと瑠璃さんは足から飛び込む。

 あ…。私も足から飛び込めばよかったんだね…。


「仁さん!瑠璃さん!」

「ゆゆさん!やっとこれましたね。」 

「儂は嬉しいです!」


「私も嬉しいです!協力して下さり本当にありがとうございます!」 


本当に二人には感謝しかない。

右も左もわからずにうずくまっていた私に手を差し伸べてくれた二人は私が生涯忘れることのない恩人だ。

コツコツ。誰かがやってくる音。

あ、これは彼の靴の音だ。


「あなた方が瑠璃さんと仁さんですね。ようこそ異世界セレナイトへ!」


やってきた彼は二人にそう告げた。

彼と言うのは勿論アルのこと。

アルっていうのは彼の本当の名前アルガードの呼び名で今のところその名で呼ぶのは私と彼のご両親方だけ。


「すっごいイケメン!!!♡」


そう瑠璃さんが言うとおりアルはものすごく整った顔をしていて、背が高くて。まさに


「結婚してください、麗しの君!」


瑠璃さんがあってすぐプロポーズしたようにモテる男なのだ。




「お断りします、貴方とは結婚できません。」

「え〜!なんでよ〜!」


「私にはユユリーアという、愛しい妻が居ますので。」


 すぐそばにいた私を抱きしめ髪の毛にそっとキスを落とされる。

 ひ、人前でこういうことは、は、恥ずかしい…。


 そんな思いを込めてアルを見つめるけど、とびきりに甘く微笑まれまてますます顔が赤くなるばかり。


「ゆゆさんって、結婚してたの?」


「はい、彼が私の夫です。」

「「え〜!!」」


 あ、また髪にキスが…⁄⁄⁄




「アルガード様にユユリーア様、おかえりなさいませ。」


「ただいま帰城しました。ダン、このあとの予定は何もない、よね?」

「書類仕事ならいつでもできますよ?ですが…今日はユユリーア様がおかえりなさいましたので、お二人で過ごされるといいかと。」


「そうする予定だ。重要書類は昨日処理しておいた、各機関に送っておいてもらいたい。」

「承知致しました。」 


 彼はこのセレナイトを治める国王の子息。いわば皇太子なのだ。私と結婚した頃も忙しそうだったが、今はもっと忙しそうな感じがする。


「ユユリーア様!いつもお待ちしておりました!」


「メアリ!」

 私の側近兼侍女のメアリとも久しぶりの対面です。


「元気にしていた?」

「はい、この度ダンと結婚いたしました。」 

「まあ、おめでとう!」


 メアリやダン、懐かしい彼らとの対面に胸が踊る。 


「そろそろ行こうかユユリーア。」

「はい、アル。」

 

 動き出すメアリとダンをおいて自城の廊下を進む。アルとともにこの廊下を歩くのは本当に久しぶりだ。


 私達二人の部屋のドアノブをひねり、部屋の中へ。先にソファに座った私の隣には彼がやってくる。


「リア。」

 彼しか呼ばない私の呼び名。彼の声で聞き、やっと彼のもとに帰ってきたのだと実感が湧いた。


 彼の胸に思わず抱きついた。

「リアと会えない間も私はずっと愛していた、今のようにもう一度、抱き合える日を願って。」

 耳もとで囁かれる愛の言葉は私の耳から体中を甘く染める。勿論、私の頬も。


「私もずっとアルを想っていました。」


 言葉にすると、ちょっと恥ずかしい。でも愛する人に伝えたい。そんな私の想いはアルに伝わったでしょうか?

 

 私を抱きしめる力が少し、強まったような気がした。

 


お読み頂きありがとうございます。

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