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人を殺すなんてとんでもない

遠い遠い未来の話……


その時の世界は貧困層と裕福層が完全に別れた時代でした。

貧困層は奴隷のように働くもお金を貰えず朝と晚のご飯が用意されているだけでした。

働く機械のように扱われ、それが裕福層からすれば当たり前でした。


そんな最中、とある裕福層の男がこんな提案を思いつきます。


「貧困層の輩を集めて戦わせたら面白いんじゃね?」


そんなわけのわからない提案で貧困層が賞金を求めて戦う時代が始まりました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カメラ内時間 8:15分


司会「間もなく本大会のルール説明を開始します」

司会「出場する貧困層の方はあちらの扉の向こう側にありますホールへお進み下さい」


ついに始まってしまった

これは自分が貧困から裕福に昇華する最初で最後のチャンスなんだ……

ルールはよく聞いておこう……


【この貧困層の殺し合いに参加した男の名はジーニー 裕福層を夢見て本大会に参加するもいまいちパッとしない男……】

【そして今、ホールへの扉が開く】


司会「貧困層の皆様、本大会に御参加頂き有難うございます。」

司会「今から簡単な本大会のルール説明をしますので聞き逃さないようご注意下さい」


ジーニー(ちくしょう 周りはムキムキの奴らが多いな )


司会「まず本大会の試合が行われる場所についてですが、この時点では貴方達に公表しないものとします。」


「え?」 「ちょっと待てやおい」

「いかんでしょ」

「はぁ?」


「「あ、あの!!!ちょっと待って下さいよ」」


「頭おかしい」

ジーニー(会場がざわめいてる……そりゃそうだよ、今から命かけるとわかってる奴らが殆どなのに戦う場所が分からないなんてふざけてる)

「馬鹿じゃないかしら」

司会「お静かに ルール説明が聞けなくて損するのは貴方達の方では?」




司会「さて、説明の続きをしますね

島にはパラシュートで降下するか一人用のゴムボートで運営者に送ってもらえるか選ぶ事が出来ます。」


司会「ゴムボートの方が島に着くタイミングは早いです」


ジーニー(ゴムボートだと島の全貌は見れないけど、早く着けるのならアリといえばアリかもしれない……?でもまだ島がどんな場所か分からないからな、民家があるかも知れないし険しい山があるかも知れない)


司会「そして次に皆さんも気になっているでしょう、武器についてです」


司会「出場者の中にはやっぱり身体能力の差が激しく、ムキムキのナイスガイにこの大会で無双されては面白くない。」


司会「そんな訳で非力な貧困諸君にも勝てるような装置を用意しています。」


司会「これをご覧下さい」


司会はそう言うと右手に缶バッチのような物を掲げた


司会「この缶バッチを自身の服に付けて頂くと缶バッチに応じた′′能力′′が使えるようになります」


司会「実際に試して見ましょう、ちなみにこの缶バッチは手からアマガエルが出てきます」


「おー」 「いんじゃなーい?」

「すげぇ!」

ジーニー (用途は不明だけど確かに凄いな……)

「どうやって使えっちゅーねん」


司会「まぁこんな感じで缶バッチを使って貴方達には戦ってもらいます。」

司会「ちなみに缶バッチは使って見るまでどんな効果か分かりませんのでご注意を」


司会「そして、ここからが重要です」


ジーニー(なんだ?)


司会「この缶バッチをこの説明が終わった後、ご自身で選んでもらいます」

司会「全て見た目は同じなので中身は分かりませんが」


司会「そしてこの缶バッチ、貴方達が島で戦っている途中で相手のものを奪ったり、奪った物を重ねて付けたりして構いません。」


ジーニー(缶バッチは相手にも見えるから余りに持っていると逆に狙われるかもな……)


司会「そして次に脱落条件について、

この大会では死ぬか、自分から衛星電話でリタイアの意志を伝えるかが脱落の条件となります。」


司会「最後の1人になればその御方は晴れて賞金も手に入れ裕福層になれるでしょう」


司会「そして、本大会はチームを自由に組んでもらって構いません。何人でも良いです」


「これはいいな」 「まず和解から入るか」

「全員チームに入れたらどうなるんだろ」


ジーニー(最後の1人って言っていたがチームで生き残った場合はなにかあるのか?)


司会「ただし、チームで優勝した場合は賞金は山分けです。」


司会「それではここで説明を終わりますね、後の詳しい事については島に到着してから知る方法がありますので」


司会「それでは右手の通路の奥で缶バッチと試合中使用する道具の配布があります。人数分ありますのでゆっくり移動してください」


ジーニー(なるべく早くいって移動手段を選ぶか)


【かくして、裕福層になるための夢をもった彼らの戦いは幕を開けた……】


おうい!そこのパッとせんアンタよいよいよい!

そこの前の方にいる青い服着てるやつだよ!


ジーニー(もしかして俺の事かな)

「ああ!気づいてくれたか!! ちょっと用があるのさ!」


ジーニー「君は誰だよ?」

???「へんな喋り方だな?俺はスイビンドルベンっていう長い名前なんだ!」

ジーニー「スイビンドルベン君でいいかな?長いからスイ君でいいかい?」

スイビン「呼びやすいならそれでオッケーださ!


ジーニー「それでスイ君はなんの用なのかな?」


スイビン「実はアンタとチームを組みたいんだ!移動手段が決まる前に話しかけとけば合わせられると思ってさ!」


ジーニー「なるほどねぇ……確かに早い段階でチームを組んどけば有利だし……」


スイビン「そうそう!ゴムボートで移動して早いうちに合流しないか!?」

ジーニー「ただ島の形がまだ分からないぞ?どうしろってんじゃい」


スイビン「島の端を渡って行くようにすれば会えるんじゃないかなって思うんだ!どうかな!?」


ジーニー(……こいつの言ってる事は一理ある

島の端を渡って行けばゴムボートで島の全貌を掴めていなくても会う事が出来る、パラシュートで降下する場合はヘリ1つから降下する場合でなくても、降下のタイミングを決めて入れば両方の位置を掴める……)


ジーニー(ゴムボートで行ったとしてその後降下する人が何分後ぐらいに来るかだよな……けど降下する人が来る前に合流するのがゴムボートの強みでもある……)











ジーニー(というよりそもそも缶バッチを使って人を殺さなきゃならないじゃないか)


スイビン「どうした?早く決めないと缶バッチ取れないぞ?」


ジーニー「考えさせてくれよ、なんでお前は平然としてられるんだよ」


ジーニー「俺は本当に自分が成り上がるために人を殺す準備が出来てない」


ジーニー「怖いんだよ!!!お前が平然としすぎているんだ!!!それが怖い!!今から人を殺すという顔じゃない!!なにくわぬ顔で俺と一緒に人殺しの計画を立てている!」


ジーニー「司会の野郎も!お前もなにくわぬ顔で人が死ぬとか言いやがって……!!」


スイビン「落ち着けよ……」


ジーニー「落ち着けるかよ!!今お前とは人を殺すのが目的で話していたな!有利だとか不利だとかよ!」


ジーニー「そもそもチーム組む方法も俺は知らない!!それなのに信用できるかっ!!お前を!」


ジーニー「お前に俺は殺されねぇぞっっ!!」


スイビン「落ち着けよ……ほんとに」


スイビン「……先に行ってるからさ…チームになってくれるならゴムボートに乗って島の端に立っておいてくれよ」


【スイビンドルベンは缶バッチ配布場へ向かった】


ジーニー(落ち着け……落ち着けよ……)


ジーニー(人を殺したくないから俺はにげて逃げて逃げまくれば良いだけさ……)


ジーニー(それで皆が餓死する時にまで俺は生き抜いてやろう……)


ジーニー(逃げるんだ……人を殺しちゃダメっ……生きるんだ!)


【ジーニーは缶バッチ配布場へ向かった】


スタッフ「お待ちしておりました。こちらの3つの中から缶バッチをお選び下さい」


ジーニー(人を殺すような中身でありませんように……!!)


スタッフ「選び終わりましたらこのバッグをお持ち下さい」


スタッフ「この中にはビデオカメラ 連絡用端末 そしてギブアップ用の衛星電話が入っています」


ジーニー(衛星電話は視野に入れておこう……

とにかく生きていれば良い)


スタッフ「ゴムボートとパラシュートどどちらで行きますか?」


ジーニー(……パラシュートは降下の時目立ちすぎるからな……生き残る事を重要視するなら目立たないゴムボートだ!)


ジーニー「ゴムボートをお願いします」


スタッフ「分かりました。あちらの席でお待ち下さい」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ジーニー(椅子に座っただけなのに疲れが取れた感じがするな……)


ジーニー(さっき聞き流してたけどこの連絡用端末から情報が送られてくるんだろうな)


スタッフ「お待たせしました!ゴムボートで移動の方はこちらへどうぞ!」


ジーニー(来たか……!!)


【ジーニー、旅立つ!ゴムボートに乗って、謎の島へ!!!】














着いた先は……民家も無かった 無人島という言葉が当てはまる島だった。



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