騎士校祭
「まずは決勝まで行かないとな」
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2周目にできた前と後ろの差は広がる一方だ。あのままペースを上げていなかったら危なかったかもしれない。
「かといってあと5周か」
半分走り終わったところで少しだが先頭集団についてこれなくなる奴が出てきた。
それは仕方ないだろう。いくら軽めの鎧だからといってその重さは走り続ければ走り続けるほど大きなものとなっていく。
「 かくいう俺も結構辛くなってきたな。でも俺には体力くらいしか誇れるものなんてないからな」
あと2周になった時先頭集団は12人だった。決勝に進めるのは10人誰もが気力を振り絞って離されないよう走る。
「はぁはぁ。あと1周半ってここからペース上げんのかよ」
誰かがスパートをかけた。
もう誰も決勝への体力温存だなんて考えていない。
ただ必死に前についていくだけだ。
リアムは終盤に入っても先頭集団についていっている。
「このままならいけるんじゃないか?なあクロエ」
俺は興奮しながらクロエに話しかけた。
「ここからが……勝負……誰がいつスパートを……かけるか」
誰かがスパートをかけた。一人また一人と少しずつ集団が崩れ始める。それでもリアムは必死に食らいついていた。
「クッソ」
「もっと走り込んでいれば」
映像には決勝に進むことができて選手が喜んでいる様子、進めなかった選手が悔しがっている様子が映し出されていた。
映像には最後まで先頭集団についていき6位で決勝行きを決めたリアムが映っていた。うちのクラスからもリアムの他に4人出ていたが決勝に進めたのはリアムだけだった。
剣闘場での長距離が終わるとすぐに俺たちの番だ。
「リアムに負けないよう俺たちも頑張らなきゃな」
俺たちの出る探索は森林の一定範囲内に隠された様々な種類の玉が隠されていてその大きさや色など見つけやすい玉は得点が低く、見つけにくい玉は得点が高い。
探索は運要素が大きく絡んでくるためどのクラスもたくさん人数を割いてくるため出場選手は128人64ペアだ。うちのクラスも俺たちのペアを含めて6ペア出ている。
何個玉があるか、何種類玉があるかなどは公表されないためもしかすると一発逆転の可能性もある。
制限時間は本部にある毎年違う大きさの砂時計が落ちるまでで、すぐに戻らないと失格になってしまう。
「見つかったか?クロエ」
「あった……けどまた2点」
30分ほど探したが俺とクロエのペアは2点の比較的見つけやすい場所にあった玉3つしか見つけられていない。
「もうほとんどみつけられちゃったのかな?あんだけ人数いたからな」
「まだ……残っているはず。……毎年……高得点の玉は……何個も……残るから」
なんでも毎年気づかずに踏まれてしまったり、蹴られて茂みに入り込んだりして見つからない玉があるらしい。
「あっちの……人があんまり……」
振り向こうとしたクロエが木の根につまずく。
もちろん俺とクロエの足は繋いでいるため俺もつられて転ぶ。
「ごめん……大丈夫?」
「おれは大丈夫。クロエこそ大丈夫?」
「私も……大丈夫……あっ」
クロエが転んで低くなった目線の先を指差した。




