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異世界転生 ヒキニートの俺が王女様と?  作者: dragon
第1章 始まりの異世界転生
20/27

仲直り

 

 ちなみにムカつくことにレオンの礼法はとても上手かった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「女らしくしたらどうだ」


 レオンに言われた言葉が思い出される。


「私だって言われなくてもわかってるわよ」


 面と向かって言われたのは初めてかもしれない、それも異性に。


 言われたのがレオンじゃなかったら?


 他の3人だったらこんな気持ちにはならなかったかもしれない。


「だけど、しょうがないじゃない」


 戦争でお父さんとお母さんが死んじゃって、ここまで必死にやってきたんだもん。

 女らしくって言われてもどうすればいいのかわかんない。

 お母さんはそういうの教えてくれる前に死んじゃったから。


 自然と涙が出てきた。


「大丈夫……レオンも売り言葉に買い言葉で……ハンナのことちゃんと……女として……見てる」


 クロエはそっと私を抱きしめてくれた。私が泣き止むまで。




「ありがとう。もう大丈夫だから」


「本当に……?」


「本当に大丈夫だから。いつもありがとねクロエ。私はこんなんだからいつも迷惑かけちゃって」


 クロエはいつも私のそばにいてくれる。私を助けてくれる。でも私は私は……、


「私もこういう……内気な性格だから……いつも……ハンナに……助けてもらってるし。それに……友達だから……当然」


 また涙が出そうだった。私もクロエを助けてあげれてるんだって嬉しかった。もう一度私たちは抱き合った。それから私はクロエに今の気持ちをすべて話した。





 トントン


 私たちが友情を確かめ合って少しすると誰かが来た。


 ドアを開けると目の前にレオンがいたので私はドアを閉めた。


「ちょっと待てって。いきなり閉めることはないだろ。こっちはお前に話があるんだ」


「だから何?私はあんたと話すことなんかないけど」


 クロエに話して少しはスッキリしたが、やはり本人が目の前にいると動揺してしまう。


「頼むから俺の話を聞いてくれ。さっきはいくら売り言葉に買い言葉とはいってもデリカシーがなさすぎた。お前の事ちゃんと女として見てるから」


 いつになくレオンが必死なのがドア越しでも伝わってきた。


 私がこのまま意地を張ったままだと6人の空気も悪くなるよね。


「しょうがないわね。許してあげるわ」


 私はドアを開けてレオンに言った。


「ただこれだけは覚えておいて。私だって女の子なんだってこと」


「わかった。本当悪かった。これ、傷つけちゃったからお詫びみたいなもんだ」


 そう言ってレオンは小さい紙袋をくれた。


「開けてもいい?」


「いいけど大したもんじゃないぞ」


 中身は可愛らしい髪留めだった。


「俺の頭じゃこんなものしか浮かばなかった。気に入らなかったら捨ててくれ」


「こんなものなんかじゃない。ありがとう。本当に嬉しい、大切にするわね」


 私がこう言うとレオンは安心したようだった。


「みんなにも心配かけちまったからな、ハンナとクロエみんなまだ食堂にいるから2人も行こうぜ」


「そうね心配かけたものね」


「早く……行こ」


 こうして私たちは仲直りをした。


 それと、私に宝物ができた。














しばらくの間1週間に1話投稿になりそうです。

すいません。

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