初対面
第14話です。
そう思った俺は後先考えずに走り出していた。
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俺は3人を追いかけて人気のない裏道へ入っていった。
「兄貴こいつなら身代金だけで金貨1000枚はいくんじゃねぇですか」
「それを俺とお前で8:2で山分けだな」
「それは山分けって言わないっすよ〜。せめて7:3にしてほしいっす」
「2.5だ。それ以上はやらん」
片方の男は大柄でもう片方は小柄な取り巻きのようだ。こいつらはあの女の子を誘拐しようとしているらしい。
「もしどこの貴族の子でもなかったらどうするつもいなんです?」
「こんだけの上玉だ。少し値段は落ちるが高く売れるだろう」
まずい。このままではあの子が売られてしまうかもしれない。せめてあの子だけでも逃さなきゃ。
「やめっやめろぉ」
こいつらの後ろから言ったのにびびって噛んでしまった。
「あんだてめぇ。ガキはすっこんでろ」
「痛い目見たくなかったらここで見たことすべて忘れてとっととお家に帰んな」
「その子を離せぇぇぇぇぇぇ」
俺は大柄な男に殴りかかった。
秒殺だった。
俺の拳は簡単に受け止められその代わりに腹に強烈な蹴りを食らい朝食べたものをすべて吐いてしまった。
「汚ねぇこいつ吐きやがった」
「あ〜らら。だから言ったのに。この国に兄貴に勝てる奴はそうはいねぇ」
「ゲホッゲホッ。離せ。その子を……」
「しつけえんだよっ」
俺は再び蹴りを食らい吹き飛ばされてしまった。
(強い。俺では手も足もでない誰か助けを呼んでこなきゃ。でも誰に助けを求めれば)
「やっと見つけました」
別の男の声が響いた。その声は俺も知っているものだった。
「このガキ誰か助けを呼んでたのか。まぁ誰を呼んでこようと兄貴には勝てないだろうけどな」
「いや早く逃げるぞ。こんなとこで捕まるわけにはいかねぇ」
そうだ。その男は昨日俺も授業を受けたドレアス騎士長だ。でもどうしてこんなところにいるのか。
「ドっドレアスだってぇぇ」
どうやら兄貴と呼ばれる方は気づいてたらしいが取り巻きの方は気づいてなかったらしい。
「すっすいませんでしたぁぁ」
そう言い残すと一目散に男たちは一目散に逃げて言った。
「やっと来ましたか。来るのが遅いですわよドレアス。私が連れて行かれたらどうするつもりだったのですか」
「そんなこと言われましても。私の注意を無視したのはルシア様ではありませんか」
「そっそれはそれです」
ドレアス騎士長はこの子と知り合いらしい。
「ところでジャスティどうしてお前がこんなところにいるんだ」
「いやたまたまこの子が変な奴らに連れて行かれそうになったからつい」
「お前は昨日の模擬戦で怪我したばかりだろう。あんまり無茶はするな。だがルシア様を助けてくれて感謝する。お前がいなかったらもっと大事になっていたかもしれん。ほらルシア様もお礼くらいは」
「でもその男は簡単にやられただけだし助けてとも頼んでないわ」
うわっ。せっかく殴られてまで助けようとしたのにこの言い方顔はいいけど性格は悪いタイプかただの殴られ損じゃないか。
「ルシア様」
ドレアス騎士長が強めに注意すると嫌々
「先ほどは助けようとしてくれてありがとうございました」
と嫌みを含めながらも一応お礼を言ってきた。
「ところでジャスティ大丈夫か」
「蹴られたところは少し痛みますけど大丈夫です」
「そうか俺はルシア様を送って行かなければならないからな。お前は1人で帰れるか?」
「大丈夫です。1人で帰れます」
「そうか。さっきも言ったがあんまり無茶するなよ」
最後にもう一度釘を刺されドレアスと見た目はいい女の子は帰って行った。
ドレアス騎士長と別れるとすぐにレオンが走ってきた。
「どこに行ってたんだよジャスティ。だいぶ探したぞ」
「ごめんごめん。人混みに流されて」
「それよりもその怪我どうしたんだ。大丈夫か?」
「ちょっと厄介ごとに巻き込まれちゃってな。そこまでひどくないから大丈夫だよ」
「本当か?お前がそう言うならいいけど。気をとりなおして本来の目的通り4番区画を見ていこうか」
俺たちは当初の予定通り4番区画に向かった。




