クラスタリア王国
13話です
俺たちは急遽街に行くことになった。
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この街は城を中心としてドーナツ状に広がっているらしく、内側から1番区画2番区画と6番区画までありそれぞれ目的があるようだ。
「綺麗な街だな」
建物の壁はどれも白を基調とし道は石畳で舗装されていてどこか中世のヨーロッパの街並みのようだ。
「ここは王都だからな。少し離れた農村部なんかはこんなに整備はされてないぞ」
1番区画2番区画早く王族や貴族たちの家があり身分の低い者は使用人以外はほとんど入れない。
3番区画4番区画は宿屋や飲食店などの店舗が多く並んでいる商業街で5番区画6番区画は3番区画4番区画で働いている人たちなどの庶民が住んでいる居住区のようだ。ちなみに俺たちが通っている騎士学校は3番区画と4番区画のちょうど間くらいにある。
大臣などを多く輩出している家などは1区画に、一般的な貴族などは2区画に家があり城に近ければ近いほど身分が高く権力が強い。
3番区画4番区画でも中心に近い3番区画は貴族たち向けの高級な店宿屋が、4番区画は5番区画6番区画向けの安価な品物を扱う店宿屋が多くある。
「どこへ向かってるんだ?」
「4番区画だ。安い物もいっぱい売ってるし屋台も結構出てるしな」
「そういえばお金はどうしてるんだ?家からの援助もないし休みの日にどこかで働いたりしてるのか?」
他の奴らは実家などから毎月援助をしてもらっているが俺たちにはそれがない。孤児院からもらってるはずもない。
「いや別に働いたりしてないぞ。俺たちには学校から毎月いくらか金をもらっている」
俺たち孤児上がりには毎月必需品なんかを買う金と少量だが小遣いがもらえるようだ。
この国の貨幣は下から銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨とありそれぞれ10倍の価値になっているが大金貨、白金貨は国や大商人など以外にはほとんど使われないらしい。
大通りに出ると俺たちと同じように今日休みの人が多いのか人が急に増えた。人同士がすれ違うのも困難だ。俺もレオンと離れないようにしなければいけないと注意はしていた 。していたものの人混みに飲まれレオンとはぐれてしまった。
俺は人混みに揉まれるまま気づくと王都の端の方6番区画まで来てしまった。どうやらこの6番区画は貧しい庶民が住んでいるいわゆるスラム街のようだ。
「やめてください。離して」
突然悲鳴が聞こえた。
「おとなしくしてろ。その綺麗な顔汚したくないだろ?」
「兄貴こいつ相当いい服着てますぜ。どこの貴族の娘ですかねぇ」
「こいつを餌に身代金ふんだくれば一生働かなくて済むぜ」
悲鳴が聞こえた方を見るとここには似合わない、すれ違う人全てが振り向くような美しい銀髪の女の子が男2人に裏路地に連れ込まれるところだった。
周りの人は見て見ぬ振りをしている。女の子が裏路地に消える瞬間俺と目があった。その目は
「助けて」
と訴えていた。この子を助けなきゃ。
そう思った俺は後先考えずに走り出していた。




