協力
第10話です
俺は再び医務室に向かった。
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レオンは日が傾きかけた頃に戻ってきた。ジャスティはレオンなら協力してくれると言っていたが俺は不安だった。ここでレオンが協力してくれなかった場合こちら側では俺は1人で行動しなければならなくなる。
「待たせたな。俺は正直お前の言っていることをすべて信じることはできない」
俺もレオンと同じようなことが起こったら信じることはできないだろう。こんなにも冷静でいられるレオンはすごいと思う。
「すべてを信じることはできないがすべてが嘘だとも思わない。それは俺の目の前にはジャスティの身体がある。それだけで十分だ」
レオンの目には強い意志が宿っていた。
「俺はお前に協力してやる」
俺の心配が当たらなくてよかった。
「ありがとう。よかったレオンが協力してくれてなかったらどうしようかと思ってたよ。やっぱりジャスティの言うとおりだったよ」
「ジャスティが?俺がお前に協力するって言ってたのか?」
「レオンは頭のいいやつだから必ず協力してくれるってジャスティが」
「そうか。ジャスティ……」
レオンは少し寂しげな目をしていた。俺は改めてレオンにお礼を言った。
「レオン本当にありがとう。これからいろいろ迷惑かけると思うけどよろしく」
「礼なんかいい。俺はお前のためじゃなくジャスティのためにやっているんだ。ジャスティの戻ってくる場所を守るために協力するんだ」
レオンは俺に面と向かってお礼を言われたからか少し照れているようだった。
「まだ自己紹介もしてなかったな。俺はレオン・カルトス。ジャスティとは6年の付き合いだ」
「俺は鈴木正義。別の世界からジャスティの身体に
転生したようなんだ」
「それよりこれからどうするかだ。まずとりあえず俺はお前のことをジャスティと呼ぶ。違和感があるとは思うが早めに慣れてくれ」
この身体は鈴木正義の身体じゃない。俺はジャスティに慣れなければならない。
「わかったよ。それより俺がジャスティじゃないってことは他の4人には伝えない方がいいってジャスティは言っていたけどレオンはどう思う」
「俺もジャスティの意見に賛成だ。他の4人に話しても信じてくれるかわからないし、このことが他の奴らに知られたら面倒なことになるかもしれない」
俺の秘密を知っている人が増えるということは秘密が漏れる可能性も高くなるということだ。ここは2人の秘密にしといた方がいいだろう。
「そうだな。この話は2人だけの秘密にしておこう」
俺はまず何が必要かレオンが協力をするか決めている間に少し考えていた。まず俺に足りないのはこの世界の知識や情報だ。それが手に入りやすい場所といえば
「レオンこの学校には図書室見たいのところはあるのか?」
「ああ。この寮の向かい側の建物が図書館だ。明日と明後日は休日だ。そこでいろいろ調べてくるといい」
幸いなことに明日と明後日は休日らしい。早くこの世界に慣れなくてはいけない。
「あと街に出てみるのもいいかもな。でも1人で行くと迷子になるから街に行きたいときは俺に声をかけてくれ。一緒に行ってやるから」
「わかったよ。ありがとう」
やはりレオンはいいやつだ。俺はそのレオンに報いるような行動を取っていこうと決意したのだった。




