実力テスト
代表は一礼して礼台より去った。
「次は学園長、挨拶」
「えぇ、本当にやるの?だるいなぁ」
そう言いながら礼台に上がってきた
アロハシャツに短パン、クロックスを
履いたおっさんが学園長だ。
「んん、皆おはよう。」
「おはようございます。」
「小さい、小さい、もっと大きな声で。」
「おはようございます!」
「もういっちょ♩」
「おはようございます!!」
「あ、そーれおまけのおまけ」
「いい加減にしなさい!!早く挨拶してください!!」
突如、声を張り上げたのは進行の先生だった。
「しゅ、しゅみません。では挨拶を始める。
この学園には学業はないぞ、当然、成績も
つけないサボりたければサボればいいし
学びたければ学べばいい。つまりサボって
怠けてると義務教育終わりの学生と
変わらんって事だな。何で気合い入れて
励むように、以上」
そう言うと礼台を降りて行った。
空也は学長だけあって案外まともな事
話すんだなと少し感心した。
「では、入学式は終わります。新入生は
実力テストがあるのでグラウンドに
です。では解散。」
ぞろぞろとグラウンドへ移動し始めたので
空也も流れに着いていく形でグラウンドに
向かった。
グラウンドに到着するなり横から男が声を
かけてきた。
「なぁ、君は花、種?」
「何だそれ?」
思わず空也は聞き返した。
「知らんって事は種やな。俺は橘 士郎や。
よく、シロって呼ばれてたからシロで
ええで。」
「そうか、俺は内崎 空也よろしく。橘君」
「つれないなぁ、空やんは」
「冗談だよ、よろしくシロ」
「おう、おっ先生のお出ましや。」
黒の上下ジャージ姿の身体のごっつい先生が
やってきた。
「先生は黒崎 鉄だ、早速
入学テストを行う。終わったものは帰って いいので、さっさとここに順番で並べ。」
それを聞くと我先にと皆ダッシュで並んだが
空也と士郎、その他数名は歩く形で並び最後の方の順番となった。
空也はそういえば士郎に花か種か聞いてなかった事をふと思い出した。
「では、試験は簡単。ここに用意した鉄板に手をつけるだけだ。ほら順にやってみろ。」
最初に並んだ生徒は恐る恐る鉄板に手を
差し伸べた。
「何もおこりません...」
「はい、種と。帰っていいぞ、次!!」
次、次と鉄板に生徒が触れて行くが何も
起こらない。半分位来たところで鉄板に
異変が起きた。華奢な身体をした髪が腰までかかっている色白な女子が鉄板に触ると
色が紫へと変化した。
「おっ花だな。よし、帰っていいぞ。一応
言っとくが花は能力が既に目覚めている
もので種はまだ能力を引き出せないもの
達のことだ。まあこれはテストなんで
クラス分けの為にやってるだけだから
安心しろ。では次」
先に帰った人達はその事すら知らされて
ない。聞いても聞かなくても結果は
変わらないから教える必要もないと
言う事か。既に格差社会は始まっている
と言うのか。
「おい、後ろでまだ待っている生徒がいるんだ。
早くしろ」
「すいません」
いつの間にか空也の順番まで来ていたので
慌てて先生の方へ移動し、鉄板に手を差し伸べた。結果は一瞬黒くなったが元の鉄板の色に戻った。
「ん、一瞬、色が変わったような?
もう一度、触れて見てくれないか?」
そう言われると空也は一度手を離して
もう一度触れた。また一瞬黒くなり
元の色に戻る。
「よし、帰っていいぞ。」
「先生、俺はどっちですか?」
「花に決まってるだろ。」
この言葉で空也は能力組の
クラスに決定した。




