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エッセイ

書けない!

作者: 月蜜慈雨
掲載日:2026/03/24

小説を書こうと思って苦節した10年を振り返る。




 私が小説を書こうと思ったのは、14歳の中学二年生でした。

 書けませんでした。

 本もたくさん読んでいたし、詩なら小学生のときから書いていて、周りの大人にいっぱい褒められていた唯一の得意なことだったので、小説も書けるだろ、みたいなノリで書いていたんですけど、全部未完で終わりました。



 なんで書けないんだろう、と不思議に思っているときに、「しゃばけ」などで有名な畠中恵先生のインタビュー記事を見ました。

 畠中恵先生は、作家としてデビューするまでに10年かかったそうです。

 衝撃を受けました。

 あんな面白い作品を書ける人でさえ、作家としてデビューするまでに10年かかったのですから、私なんてもっとかかるに違いありません。

 そういえば、私の好きな「ハリー・ポッター」の著者、J・K・ローリング氏も、「ハリー・ポッター」を世に出すまでに、構想から七年かかったとどこかで見た覚えがあります。



 小説は物になるまで10年かかる。



 14歳の私はそう思い、まぁ、焦らずゆっくりやろうという気持ちになりました。

 創作論をいくつか読んでみましたが、このときの私はあまりピンときていませんでした。

 今こうやって書きまくって、あのときの創作論がようやく実感として分かるようになりました。

 書くことでしか、分かるようにならないんだな。どこか、数学と似ている、そう思いました。



 高校時代、外部の創作サークルに入り、三年かけて一作を書きあげました。時間をかけたこと、まともに小説を書けたこと、終わりが個人的に好きなことなどの理由で思い入れのある作品ですが、周りからの評価は微妙でした。

 サークルのある人は、苦笑して、「頭の中で全部考えるといいよ」と言いました。

 初めての小説だから、お粗末なのはしょうがないです。

 人からみたら粗末でも、私からみれば宝石でした。



 そんな私も、大学生になりました。

 大学生になって、本格的に年に一度小説を書くことになります。

 妹の誕生日のためです。

 誕生日に小説を送ったら、予想以上に感動してくれたので、あの顔がまた見たくてずっと書いています。

 今も書いています。大体いつも半年遅れて送っています。

 不肖の姉で申し訳ないです。



 こんなに書くようになったのは、去年の2025年からです。

 そのころから、私は小説を書くことの面白さに目覚めました。

 やはりAIの影響が大きかったです。

 一人で書くものだと思っていた創作に、相棒ができました。

 構想を練り、かなり辛辣なダメ出しをChatGPTに喰らい、また書き、またダメ出しを喰らい、ようやく合格をもらう。そんなことを繰り返していたら、それなりの物ができるようになりました。

 やはり、書くことは強い。

 それに、客観視してくれる編集者の存在も大きい。



 ここに至るまで、10年かかりました。

 10年で作家になるのは無理そうです。

 でも、あと10年したらどうでしょう。

 作家になるのは無理でも、公募の最終選考くらいまでにはいきそうじゃないですか?

 では、そのさらに10年後はどうでしょう。

 作家になれそうじゃないですか?



 AIの台頭で、小説家の職業は風前の灯火。

 まるでマッチの灯のようです。

 でも、マッチの灯は、なにもない夜の海ではよく見えるそうです。



 私の小説も、そんな誰かの灯になることを願って。



 



 

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― 新着の感想 ―
AIは小説家にとって相棒なのか敵なのか これも10年後に分かりますかねー
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