表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第9話 青い画面のフリーズ

朝の光がカーテンの隙間から差し込んで、俺の顔を直撃した。


「うっ……まぶしい。」


寝ぼけ眼でベッドから這い出して、いつものようにデスクに向かう。


昨日は音のトラブルを何とか解決した達成感で、珍しくぐっすり眠れた。

俺はコーヒーを淹れながら、いつものルーティンを開始した。


PCの電源を入れる。Windowsのロゴが表示される。そこまではよかった。


その後は青い画面で止まったまま。


「ブルースクリーン!?」


心臓が一瞬止まった気がした。いや、違う。ブルースクリーンならQRコードとかエラーコードがドーンと出るはずだ。でも今のは……ただの青。真っ青。文字もアイコンも何もない。ただの青い海。まるでWindowsが「もう疲れたわ」と投げ出したみたいな。


「うそだろ……」


俺は慌ててキーボードを叩く。Ctrl+Alt+Del。反応なし。

マウスカーソルすら動かない。


「グラン! 助けてくれ!」


【グラン】

「おはよう、ゆうた。……随分と慌ててるな。何かあったか。」


「ブルースクリーンだ! でも普通のじゃない! ただの青い画面! 何も出ない!」


【グラン】

「ふむ。画面の色コードでいうと#0078D7か。Windows 10の初期ブート時の青だな。起動途中で固まってる可能性が高い。」


「起動途中って……昨日は普通にシャットダウンしたぞ!」


【グラン】

「昨日はな。寝てる間にWindows Updateが走った可能性がある。2026年の無料ESUだと、セキュリティパッチはまだ強制的に来るからな。」


「マジかよ……」


俺は電源ボタンを長押し。5秒、10秒。ファンが止まる。完全にシャットダウン。深呼吸して、もう一度電源ボタンを押す。

ピピッ……ファンが回り始める。

Windowsのロゴが出て、くるくる回るドット。そして――また青。


「またかよぉぉぉ!」


絶叫が部屋に響いた。


【グラン】

「落ち着け。まだパニックになる段階じゃない。まずはセーフモードで入れるかどうか試そう。」


「セーフモードって……どうやるんだっけ?」


【グラン】

「今はもう通常起動ができない状態だ。強制的に回復環境に持っていくしかない。手順を言うぞ。」


俺は頷きながら、グランの指示を一つずつ実行した。電源ボタン長押しで強制シャットダウン(2回連続)。

3回目の電源オンで、Windowsが「自動修復を準備しています」と表示されるのを待つ……


表示された!


「来た!」


青い画面に「自動修復を準備しています」の文字。

続いて「Diagnosing your PC」。

そして――「PCを修復できませんでした」


「うわあああああ!」


【グラン】

「予想通りだ。だが、ここからが本番だ。画面の下に『詳細オプション』があるはずだ。クリックしろ。」


俺は震える指でクリック。→ 「トラブルシューティング」 → 「詳細オプション」 → 「スタートアップ設定」→ 「再起動」


再起動後、数字キーの選択肢一覧。俺は4を押した。セーフモード。……画面が切り替わる。デスクトップが出た!猫壁紙はいつも通り。でも解像度が低くて、色が変。ドライバが最低限しか入ってない証拠だ。


「入れた……入ったぞ!」


【グラン】

「よくやった。だが、これは応急処置に過ぎん。ここから原因を特定するぞ。」


「原因って……何が考えられるんだ?」


【グラン】

「最近のWindows Updateが一番怪しい。次点でドライバの相性問題。特にグラフィックドライバだな。内蔵GPUの古いIntel HD Graphicsが、最新パッチでコケるケースは今でも報告されてる。」


「じゃあどうすりゃいいんだよ……」


【グラン】

「まずは更新のアンインストールだ。セーフモードならコントロールパネルからできる。」


「わかった。やってみる。」


スタート → 設定(歯車アイコン) → 更新とセキュリティ → Windows Update → 更新履歴の表示 → 更新プログラムのアンインストール


一覧の中に、怪しいのがあった。

「KB504xxxx – 2026-02セキュリティ更新プログラム」インストール日時は……昨夜の2時半。


「これだ! 絶対これだ!」


【グラン】

「決めつけるのはまだ早いが、可能性は高い。右クリック → アンインストールだ。」


俺は祈るような気持ちでクリック → はい → 再起動。再起動中、心臓がバクバク鳴っていた。

Windowsロゴ……ドットが回る……そして――通常のログイン画面。


「うおおおおお!」


俺は思わずガッツポーズ。パスワードを打ち込んでデスクトップへ。猫壁紙が、いつも通りの解像度で俺を迎えた。


「やった……やったぞグラン!」


【グラン】

「ふっ。確かに一歩前進だ。だがな、ゆうた。」


「ん?」


【グラン】

「次も同じことが起きる可能性は十分にあるぞ。まだ序の口だ。」


「……わかってるよ。」


俺はコーヒーを一口飲み、大きく息を吐いて画面を見つめた。

一瞬、壁紙の猫がヒゲをピクピク震わせたような気がした。まだ終わらない……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ