セイレーン
セイレーンとは何者だということだがこちらの世界では神話の怪物とされている。歌声で誘惑して船を難破させるという言い伝えがあるそうだ。だが、僕らの世界では奴らの声は一種の快楽作用があり言う通りにしたくなるのだ。セイレーンを危険とみなした国たち合同で部隊が作られ大規模な討伐作戦が立てられたくらいだ。その時の生き残りなのかわからないがどうやらこの世界に来てしまったらしい。
「ここなら見つからないよなぁ」
馬鹿ホストがビクビクしながら激闘のあった広間を歩き回っている。
「一応、寝るのに使えそうな布団とか見つけましたよ」
ケイが手に一杯の枕や薄手の毛布を持ってきた。研究施設とは言っても元はヤクザの事務所。ある程度の宿泊装備はあるのは予想通りだ
「今日は寝て朝から行動しよう。教祖の娘を探さなきゃだし」
地雷型の爆裂魔法を地下までの階段に設置し終え今日は寝ることにした
10年前
私は走った ひたすらに。王国のセイレーン討伐部隊が私たちの村を襲い虐殺した。父も母も私を逃がすために犠牲になった。討伐される理由は大方予想はつく。私たちの声だ。私たちの声は人間やドワーフ、様々な生き物魅了し操れる。だが使うのは自分たちが危険に目にあった時だけだ。それでもあいつらは許さなかった。
「いたぞ!」
人間やドワーフ数種類の部族が合わさった私たちを殺しに来る。とうとう見つかったこれで私の命も終わりか・・・ 突然轟音と共に激しい風が吹きあがった。空間を引き裂いたような穴があり私を吸い込もうとしていた。どうせ死ぬならかけてみるしかないと思いその穴に飛び込んだ。
目が覚めると青空が広がっていた。
「ここはどこ?」
周りは傾斜のある草原だった。驚くことに上空は巨大な機械も飛んでいる。傾斜を上ると馬車とは違う不思議な乗り物が動いていた。
「あのここ車道なんですけど」
乗り物からメスの人間が出てきて私に話しかけてきた。ちょうどいいこの世界を案内してもらおう
「私をこれに乗せて。そしてこの世界について教えて」
私は能力を使い快く乗せてもらった。
話を聞くとここは日本という国でこの乗り物は車と呼ばれている。仕組みもざっくり教えてもらったがドワーフが作ってそうな感じがした。そういえば逃げてから食べ物にありつけてない
「ねぇ私を食事に連れって」
能力を使った後、数分移動し不思議な看板をする店に入った。人間は乗り物に下りず食べ物の写真を見ていた。
「何食べたい?」
「え、じゃあ一番おいしいの」
女性は車を進少し進めまた止めて細かい穴の開いた壁に話しまた少し進んで別の人間から食べ物であろうものを受け取った
「これは何?」
「ハンバーガーよ 知らないの?」
初めて見る食べ物だ。とりあえずかぶりついてみる。なんて美味しいものだろう!こんなものは初めてだ。こいつをうまく使えばまたハンバーガーにありつけると思い家にもお邪魔することにした。
車が止まると家は私たちの家より立派に見えた。ふとある感情が頭に沸いた。この家を自分の物にしたいと
「そういえば名前を聞いてなかったね」
「私?私は青山セイラ」
予定変更だ 私が青山セイラとして生きる
「あなたは何者でもない 私が青山セイラ」
私は能力を使いセイラと成り代わることにした
「あなたはこの道をまっすぐ歩いて 絶対止まらないで」
本物のセイラは体を家から逆向きにし歩いて行った。見えなくなったのを確認し家のドアを叩いた
家の中から二人の中年の男女が出てきた。恐らく彼女の親だろう
「おや、こんな時間にどちら様?セイラのお友達ならまだ外出中なんだが」
父親らしき人が私にやさしく対応してくれた。
「何言ってるの私がセイラよ 今家から帰ってきたの」
一瞬の沈黙はあったが能力の効果はあったようでうまいこと家に入れてくれた。
10年後
うまいことこの家の娘として潜り込んでから10年 その間に状況が一変としている。厄介なことに私以外に別世界の奴がいるらしい。どうやら裏世界の住人のようで私一人で襲われてしまう可能性がある。仮に襲われたら自殺でも命令して死なせればいいが
「休みだからって寝てばかりではいかないよ」
父が入ってきた
「入るならノックしてよ!」
「ノックはしたよ ヘッドホン付けてるから聞こえなかったんじゃないか」
図星をつかれて黙るしかなかった。父は朝食を机に置いて部屋から出ていった。昨日の夜、異世界の住人が仕切ってる町をうまいこと私が牛耳られるようにしたんだから疲れてるのは仕方ない。今頃、奴は居場所がないから探しやすくはなる。そこで接触して私のおもちゃにしてあげることにした。正直元の世界には戻りたくはない私たちの能力は対策されてるし殺される危険性がある。仮に私たちの住人だとしたらセイレーンだとバレる危険性も出てくる。ならここで支配してしまえばいい。
「私の能力の弱点を知ってるなら夜に会えるかもね」
どんな奴であれ会えるのが楽しみだ




