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0.プロローグ

天才エルフのリフェル・シュトラウスが披露した次元転移魔法が暴走して行きついた先は血と薬と暴力が広がる世界だった

~プロローグ~

王立魔法研究所

とうとうこの時が来た!僕が開発した次元転移魔法を研究会で発表する時だ。

今までは鍵穴サイズの魔法で異世界を覗く程度しかできなかったが今回は大きい実験施設を使えるから鍵穴とは言わず窓サイズで異世界を観察できる。

次元転移魔法は膨大な魔力がいるからこういう時じゃないと本格的に使えないんだ。シミュレーションも済んだし後はは僕の番を待つだけだな

「緊張してないか?リフェル君」

隣に座ってきた彼は僕の研究仲間のエルフのトロイアだ。

「緊張?そんなのするわけないだろ。次元転移魔法は毎回実験してるんだし今回もサイズが大きくなるだけど手順は変わらないよ」

トロイアは鼻で笑った。少し腹立つ

「サイズが大きくなるというのが懸念点だよ。今までは鍵穴サイズ安定してたけど窓サイズとなると未知の領域だ。ここには魔力増幅装置があるから調整ミスると大惨事だ」

ごもっともな意見。だがそんなの想定済み

「わかってるよ。でも一緒に何回もシミュレーションしただろ。もし事故ったら単純に僕たちの運が悪かっただけさ」

次の発表者で僕たちは待機室に行かなきゃならない。観覧席から離れる準備をした

「次の発表はドラゴンの希少部位を活用した魔法道具の実践?地味に気になるな・・・」

だが見ている時間はないので渋々待機室に向かった。


とうとう次に迫った。実際緊張する。トロイアはデータ収集の係なのでもうここにはいない。

「次はリフェル・シュトラウスさんの次元転移魔法の実践です」

アナウンスが流れたんので会場に向かった。

特に僕が出てきたところで歓声はない。淡々と今までのことをスケールアップしてこなせばいい。上の関係者室にいるトロイアも確認できたので始めるとしよう

「これから我々がいる世界以外に別の世界があることをこの目でご覧にいただきます。すなわち異世界は理論上存在しますが観測方法がわからなかったです。しかし私たちが開発した【次元転移魔法】は可能にします。転移と名乗ってますが今は観測だけです。ですが近いうちに転移が可能になれば新たな資源や労働力を確保することができます。私からの説明は以上です。では始めます。」

僕はあらかじめ用意した魔方陣を敷き呪文を唱えた。すると小さい球体が宙に浮かんだ。そうこれが異世界の観測する鍵穴だ。

「とりあえず第一段階終了。次は魔法増幅装置で鍵穴を大きくする」

僕はスイッチを取り出し装置を起動させる。装置から線状の光が勢いよく鍵穴に当たる。みるみる大きくなり球体はとうとう僕の頭くらいのサイズになった。

それくらいのサイズになると中の様子が見える靄の中に城や空を飛んでるのかわからないが不思議な機械が映っている。みんなにも見せてやりたい一心で少しずつ球体を大きくした

最終的に球体は僕と同じくらいのサイズになった。観覧席のリアクションもいいしもうこれくらいでいいだろう。僕は装置を止めて安定させる工程に移った

「あれ?止まらない」

何度もスイッチを切る動作をしたが反応しない。これヤバいやつだ。球体はみるみる大きくなる。なぜだかわからないが僕に向かってる気がする。

「みなさん逃げて!装置が壊れました!」

壊れたかどうかわからないがもうこう言うしかなかった。次の瞬間球体が轟音を上げ僕を勢いよく吸い込んだ。どこにも掴むものもなく無抵抗に球体の中に入るしかなかった。

球体の中は風がすごい。なんだかわからないがすごい眩しいし稲妻が光る積乱雲の中を飛んでる感覚だ。

だが突然風がやんだ。


「うわ!なんだこのクソアマ!?」

突然品のないとしか思えない男の声が聞こえた。声のほうを見ると変な髪形をしたおっさんが武器のようなものをこちらに向けていた

「はい?なんて?クソ何?」

とりあえず後半聞き取れなかったので聞き返してみた。

「てめぇ緑間(みどりま)のもんかぁ!邪魔すんじゃねぇ!」

言ってることはわかるが内容は理解できないので反対方向を見ると男が3人血を流していた。息はあるそうなので止めの直前で僕が表れた結果こんなややこしい事態になったのだろう。

「あぁめんどくせぇ!お前も死ねぇ」

こちらに向けた武器から炸裂音が聞こえた。

「おい当たったはずだろ・・・」

事前に防御魔法を展開させといたおかげで特にダメージはない。なるほどあれは銃というものだな。元の世界でも一部の種族が使っている記憶がある。

「当たったけど僕には届かなかったね。はいこれプレゼント」

僕が変なおっさんに赤く光る球体を渡してあげた。その3秒後派手に爆発しておっさんは倒れた。そんな威力出せるものではない死にはしないだろう。

邪魔がいなくなったので3人に声をかけてみた

「すまねえ金髪の嬢ちゃん。助かった・・・どこの組のもんかわからねぇが俺たちの応援がくる。早く逃げてくれ」

男なんだけどとツッコミしそうになったがまたトラブルに巻き込まれるのは嫌なのでお言葉に甘えてさっさと薄暗い建物の中の出口を探そうとした瞬間いきなり視界が揺れた。

「うっ・・・きもちわる・・・」

恐らく次元移動の反動で酷い酔いが出たのだろう。そんなことだろうなと考えてるうちにとうとう視界が真っ暗になった。

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