双子物語 前編
怖いもの百科、前編と後編に分かれているのは珍しいんですよ。もちろん、読むでしょう。
私には双子の姉がいる。まだ12歳の私にとってはこれ以上になく頼もしい。私はよく姉にいろんな事について相談していた。
最近姉の様子がおかしい。よくぼーっとしているし、夜は大体うなされている。でも姉には自覚がないようだ。こんな状態の姉に私は相談する気にもならない。私は姉を心配していた。しかしそれを口には出さなかった。ここまで来て自覚がないのはおかしいと思っていたからだ。しかし、姉は良くならなかった。それどころか姉がぼーっとしている事が増えた。
そんなある日、おじいちゃんちの本棚から古い本が見つかった。タイトルらしきものは‥‥、見当たらない。その本は双子の女の子のお話だった。主人公は双子の妹で、おかしくなった姉を元に戻すというストーリーだった。これで姉がよくなるかもしれない。私は食い入るように本を読んだ。
「なんで‥‥。」最後のページをめくった私は絶句した。物語が途中で終わっていたのだ。やっと見つけた手がかりがこんなものなんて‥‥。私の手から本が滑り落ちた。その時、カバーがめくれ、こんなメッセージが目に入った。
この物語はあなたのものです。結末が知りたいのなら見せてあげましょう。この本の中でね。
その瞬間、私の意識が薄れていくのを感じた。
最近、妹の様子がおかしい。
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