家族の団欒【後編】
カヘーをもう統一してしまおうかと悩んでおります
作者がポンコツなのでいつも間違うてしまって(;´・ω・)
「まあ。美桜、良く似合うわ。」
「お祖母様、ドレスをありがとうございます。とっても綺麗。これ、私が作った手荒れ防止クリームなんですけれど、よかったらもらってください。伯母様も。」
「まあ嬉しい。ありがとう。美桜、紹介させてね。こちらの二人が私の息子たち。トーマスとデレクよ。」
――熊が増えた。熊が。
「初めまして。カイド・ヴェルノウェイの娘、美桜です。よろしくお願いいたします。」
「あー。かたっ苦しいのはいいよ。従妹どの。家族なんだから。俺がトーマス。長男だ。」
「そして俺がデレク。可愛いなぁ。妹ができたぞ兄貴。美桜、兄さまと呼んでくれ兄さまと。」
「はい。トーマス兄さま。デレク兄さま。」
「いい・・・いいぞ。いいか? 美桜。ろくでもない男には気をつけろ。何かあったら守ってやるからな?」
――熊がデレた。
バクストンの男らしい長身の体躯が隅々まで鍛えられている。わずかに覗く手にも傷がうっすらあるのが解る。デレクにいたっては顔にすらも。しかしそれもまた美しさを損なってはいない。
「あ。すまん。俺の顔怖いか? ワイバーン討伐の際にしくじってな。令嬢には怖いよな?」
しゅんとした熊に、美桜はそっと近づいて手を取る。
「お兄さま。ワイバーンって大きいの? それを討伐に行かれて生きて戻られるなんてすごいです。さすがお兄さま。あ。この2頭が私のお友達。アルジェントウルフのハティとスコル。こんな狼を連れて歩く娘は怖いですか?」
「いいや・・・いいや! そうか。ハティとスコルか。美桜を頼むぞ? 綺麗で賢い生き物じゃないか。そうか。美桜はこの顔は怖くないか。」
「ちっとも。勲章ではないですか。美桜も男ならお手伝いできましたのに。あ、女でも行けますか?討伐。」
「「そんなことは絶対にさせない。」」
「あら残念。」
なんだこのかわいい生き物は。とトーマスとデレクは射抜かれる。お兄さま。と自分たちの威圧のある外見にも傷にも臆することはなく、にこにこと慕ってくれる娘。夜会で自分たちに威圧され、気を失った娘を見てきた二人にとって、美桜は別格の存在となった。
「カイド叔父上。この妹バクストンにください。」
「やるか馬鹿者。まったく。美桜も討伐に行くなんて言うんじゃない。」
「はーい。」
穏やかな談笑の中、夕食が始まった。家族の夕食はこんなににぎやかで楽しいものなのか。今日の討伐内容、収穫の相談、街の事業の相談。話すことは尽きないようで様々なことが話されていく。
「ごめんなさいね。美桜。びっくりするでしょう? 昼と夜はみんなそれぞれ別々だし、朝だけはみんなでとるようにしているのだけれど、今日は久々に夜みんな集まっているから仕事の話ばかりで。」
「いいえ。集まった時に話すほうが建設的です。お疲れなのに再度集まって話すことなんてありません。お聞きしているのも楽しいです。一人で食事をすることが多かったので。」
「まぁ。。。」
その言葉に一瞬、会話の流れが止まる。皆が自分に顔を向けていることを知り、美桜は苦笑した。自分の育ちを話すかどうかは自分にまかされている。
「母が6歳で亡くなってから、祖母としか食事をとったことがありません。祖母が亡くなってからは一人で暮らしてきました。だから人の声のする食事がこんなに温かくておいしいものだとヴェルノウェイに来てから知りました。皆様、お話しておきたいのですが、私『落ち人』なのです。」
すっとテーブルの下で右手をサーシャが、左手をエミリオが握ってくれた。私は大丈夫。
「貴族の生き方も知識も学びが足りません。ダンスやお茶の入れ方もまだまだで。言語の読み書きと魔法の詠唱がやっとできるようになった程度なのです。それでも、この両親の娘となれたことは本当に感謝しております。自慢の娘となれるよう努力してまいります。こんな私でもよろしいでしょうか。」
「よいよい。美桜は美桜のままでよいのだ。そのまま努力を怠らずにいればよい。美桜を害するものはバクストンを害するものと同じこと。」
「お祖父さま。」
「そうだぞ。お前はお前の持つ知識でたった3日で流通を動かした。そんなことが出来る姫は他にはいない。カヘーの流通で、討伐で死んだ者たちの家族がどれだけ救われるか。」
「伯父様。」
「妹が出来て俺たちはただ嬉しい。それでいいじゃないか。今後は交替で暇なときはマノアに顔を見に行くからな?」
「お兄さま。ありがとう。ありがとうございます。皆様。」
涙目になりながら、美桜が笑うと、家族は一様ににこにこと笑ってくれた。私の居場所はここにある。ここに。
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