第一章 第六話 スキルの上昇
最大レベルと転職について軽く補足を加筆修正致しました。
そして翌朝である。
ヒバリは目が覚めると少し伸びをし、軽く体を動かしてから玄関に向かう。
玄関にあるショートソードを取り、外に出る。昨日みた絶望の光景が全く同じく広がっている。
ゴブリンに対して怒りが沸いてくる。そして自分に対しても。
剣を取る際の金属音でゴブリンたちはこちらを向いている。
「グギャッ」
剣を持つ右手に力を込め、ゴブリンに攻撃を行う。
昨日よりも素早く、片手で1匹目を屠る。
2匹目がいる場所はわかっているため、そのままショートソードで切りつける。
あっという間に2匹を倒した。
多少距離のある3匹目には、体当たりバッシュで距離を縮め、その勢いのまま斬り倒す。
原因が判明しないスキル戻りだが、救えたはずの命を救えず、村長たちを2回も死なせてしまった自分に対してひどく憤りを感じる。
そのまま村のゴブリンを殲滅。
前回と同じく跡を追う。
走り出すとすぐに落ち着きを取り戻した。
(それにしても睡眠魔法が村全体にかけられたから誰も気付かず壊滅したってことなんだな)
ゴブリンメイジは攻撃魔法と睡眠魔法を使う。攻撃魔法は<ファイヤ>だ。50cm程度の炎を山なりに飛ばしてくる。
睡眠魔法は<スリーピング>といい、周囲の対象を眠らせる効果がある。
範囲魔法のため複数で魔法を唱えられると相乗効果で範囲も広がり、村全体を覆うくらいは出来る。
(そうなるとメイジだけでも結構な数がいそうだな)
村全体を眠らせるほどだ。メイジの他にも指揮している上位ゴブリンがいると考えた方がいいかも知れない。
さらに小一時間ほど走るとハモンドに追いつく、同時にゴブリンの後方部隊を視界に収める。
「ハモンドさん!加勢します!」
ちょうど接敵するところだ。50体ほどのナイフと弓を構えた混成のゴブリンたち。
声をかけ自分に気付いてもらい、勢いのままゴブリンに剣を叩きつけにいく。
「 お前……すまん、この先に妻と子供が連れ去られたんだ! 戦えるなら、助けてくれ……!」
泣きそうな顔で、助けを求めてくる。
「わかりました! とりあえずここのゴブリンを倒して先に向かいましょう!」
多少時間はかかったものの、戦士となり力と耐久が上がった誠は無傷でゴブリンたちを殲滅していく。
ハモンドを見ると所々、矢を受けており苦しそうにしている。
「グギャィァ」
「ギィーャァ」
何かを読み上げるようにゴブリンの声が聞こえると木々の奥から炎が2つ山なりに飛んでくる。
今回の狙いはヒバリではなくハモンドだった。
「魔法が来てる! 避けて!!」
注意の声も虚しくファイヤの魔法は吸い込まれるようにハモンドに着弾する。
「がっ、あぁぁぁァァ!!」
連戦に次ぐ連戦で動きが鈍くなり、周りへの注意力もなくなっていた所を狙われたのだ。
通常、一般人がゴブリンと戦うことはないと聞いていた。
ハモンドさんはスキルを使っていたところを見ると一次職と推測出来る。
スキル名からおそらく探検家だろう。
直接の戦闘より支援タイプのため、パラメータは今のヒバリより低いはずである。
狩りとしての慣れはあっても、体力が保たなかったのだ。
魔法が着弾したハモンドは炎上。ものの数秒でうつ伏せに倒れ込み息絶える。
「グギャィァ」
次の狙いは自分だ。間髪入れず魔法が放たれる。
元々素早さの高いヒバリである。ハモンドのそれを見たとき次は自分だろうと予測していたため、飛んできた魔法をギリギリで避ける。
後ろ足に力を込めゴブリンメイジに向かって走り出す。思っていたより素早い動きだったのだろう。
ゴブリンメイジの1匹は次の対応をするべく逃げようとしたところ背を剣で斬られる。
動きが鈍くなるゴブリンメイジ。斬り返しにより首を飛ばされ絶命する。
「ギィイプ」
もう1匹のゴブリンメイジは少し離れたところで睡眠魔法を使ったのか、ニヤニヤしてこちらを見ている。
勝ったと思ったのだろう。
だが残念、全く眠くならない。
先ほどまで睡眠魔法で眠らされており耐性が付いている。さらに魔法耐性スキルがある。。
余裕の表情を浮かべるゴブリンへ一気に駆け寄る。
一転、驚愕の表情を浮かべたゴブリンは首を飛ばされ息絶える。
そしてまたあの声が聞こえる。
『エクストラスキル =起死回生= を発動します。』
時間が経過するが視界は何も変わらない。
(??? 今エクストラスキル発動したよな? また飛行機からやり直すのかと思ってたんだけど…………何も変化がないのはなんでだ……?元の世界に戻るのにも何か条件が必要なのか)
スキル戻りするものだと予想していたヒバリは狼狽る。
周辺にゴブリンはいない。後方部隊を倒し切ったところでレベルが上がったらしい。
(とりあえずステータスを見るか)
「ステータス」
称号:なし
職業:戦士
レベル:3
ランク:ー
HP:38/38
MP:10/10
STR:24
INT:5
VIT:22
AGI:21
EXP:2/250
職業スキル
-バッシュ-消費MP3
スキル
<体術:4>、<剣術:3>、<回避:1>、<追跡:2>、<魔法耐性:3>
エクストラスキル
=起死回生=
(レベルが上がってパラメータは上がってるな。スキルレベルも上がってる。回避スキルも取得してる。エクストラスキルが発動するとスキルが変化するのか?……まぁ、とりあえずレベルが上がったんだ。職業を確認しよう)
選択可能職業一覧
・剣士
・騎士
・弓士
・槍士
・魔戦士
(おっ! きたきた。レベルが上がる毎に上位職にクラスチェンジ出来るのはインカネートオンラインと同じだ)
レベルが1つ上がる毎に上級職へ転職出来ること。
また、選択可能職業の構成を見るといつも遊んでいたゲームを思い出してしまう。
設定が同じであれば、獲得出来るスキルも理解出来る。
さらにいうとゲームでの最大レベルは10である。
選んでいく職業によって、派生先が変わり最大で9回転職出来ることになる。
この辺りは情報として知らないと5回くらいの転職で派生が終わってしまう職業に就いてしまうこともあった。
その分、強力なスキルを使えたりもしたが、純粋に転職によるパラメータ補正もあるため攻略情報が出てからは、ほぼ全員その方向で転職を繰り返していた。
今回は少し悩むが剣士を選択する。
魔法剣を使う魔戦士でもよかったが、単純な戦闘力だと剣士の方が強い。
属性攻撃が可能になるのは大きなメリットだが、MPを使うことになるし、ゴブリンは無属性だ。
これから村人の救出に向かおうとするならば剣士が最適である。
騎士、弓士、槍士は論外だ。弓はゴブリンの弓があるが、ソロだと使い勝手が悪い。盾も槍も、現状では調達する術がない。
(ステータスはどうなった?)
「ステータス」
称号:なし
職業:剣士
レベル:3
ランク:ー
HP:58/58
MP:15/15
STR:39
INT:10
VIT:30
AGI:28
EXP:2/250
職業スキル
-バッシュ-消費MP3
-スラッシュ-消費MP5
スキル
<体術:4>、<剣術:3>、<回避1>、<追跡:2>、<魔法耐性:3>
エクストラスキル
=起死回生=
(かなり上昇したな。これなら上位ゴブリン数匹までなら立ち回れそうだ。次のレベルまでは経験値250か)
上位ゴブリンが経験値5だとすると前回のレベルアップの辻褄が合う。
スラッシュは射程距離の長い剣技だ。これからメイジが多数出てくると考えると剣士の選択は間違っていなかったなと思う。
燃え尽き、炭になってしまっているハモンドを横目にゴブリンの跡を追う。
(最初に助けてもらったのは俺だ。強くなれたなら、今度は俺が助けないとな)
連れ去られた村人たちが無事かはわからないが、出来る限り救出しようと心に誓う。