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第三章 第十七話 剣神




 キラーコンドルを倒し、レベルが上がったヒバリは転移魔法陣のある部屋を抜け、階段の途中でレベルアップによる転職の確認を行う。




選択可能職業

・剣神




 派生先が一つしかないため、唯一出ている文字に触れる。




ブルッ




 前回よりも力の上昇を感じる。


 レベルが上がっているためステータスを確認する。




称号:[ゴブリンキラー]、[コボルトキラー]、[ドラゴンキラー]、[ジャイアントキリング]

職業:剣神

レベル:7

ランク:E


HP:11500/11500

MP:2034/2034

STR:4238

INT:1696

VIT:3545

AGI:5570


EXP:650/156250


職業スキル

-バッシュ-消費MP3

-スラッシュ-消費MP5

-一閃-消費MP10

-サザンクロス-消費MP38

-アトミック・レイ-消費MP95

-絶星-消費MP80

-剣技覚醒-消費MP0(24時間に1回使用可能)

-超集中-消費MP350


スキル

<体術:10>、<剣術:10>、<投擲:7>、<回避:8>、<追跡:8>、<隠密:7>、<夜目:6>、<気配察知:6>、<魔法耐性:9>、<自己回復:10>、<精神統一:10>、<鑑定:7>


エクストラスキル

=起死回生=




「HPが万を超えたか……魔王戦だと心許ないが魔族相手なら問題ないな」


 本来はレベル8で転職可能な剣神である。対魔王として適性レベルではあるのだが、それは同じレベルの仲間がいてこその話。

 基本的にソロ活動が多かったヒバリからするとソロ目線での感覚になってしまうのだ。


 新たに2つ職業スキルが増えている。

 まずは剣技覚醒を鑑定する。




『剣技覚醒』

 発動すると全てのステータスが2倍になり、職業スキルの威力も上昇する。

 24時間に1度使用可能。効果時間は5分間。

 



 切り札のようなスキルだ。

 次は超集中だ。




『超集中』

 剣の扱いを極めたものが扱うことが出来る。

 剣を装備時のみ発動可能。

 通常の3倍加速する。

 効果時間は30秒間。

 




「これは速さが加速するってことだよな……思考が追いつくのか心配だが」


 ゲームでは単純に圧倒的な速度で攻撃を繰り出し続けるスキルであった。

 スキルのクールタイムもなくなり、MPの続く限りスキルを好きに発動できた。

 だが、実際にその速度に反射神経が付いていくのかがわからない。


「ぶっつけ本番よりは一度試しておくべきだな……って言っても階段で使ってもよくわからないか」


 スキルを発動しようと思ったが、周りの景色が何も変わらないこの場で行っても意味がなさそうだと考え、階層を降りてからにする。


「よし、行くか」


 ステータスを確認しながら食事と水分を取り終えたヒバリは次の階層に歩き出す。 

 

 


 


 第二十一階層に降りると、そこは森の中だった。

 道という道はないが、木々の間は空いていて全速で走ると邪魔ではあるが、ある程度スピードが出せる。


 マップを見ると現在地周辺が表示されているため、マップ活用が有効なエリアなのだと思う。


「さて、超集中試してみるか。MP消費は少し痛いがすぐ回復するしな」




 一拍置き、スキルを発動する。


「超集中!」




 瞬間、辺りの景色がスローになる。


 景色だけではない。音も遅い。


 風で揺れていた木の葉も、擦れ合う音も。


 自分だけはいつもと変わらない。


 自分の放つスキルも変わらない。


 


 「おお……これはすごい……不思議な感覚だ」


 時間を計ってみると、効果時間である30秒はリアル時間で30秒のようだ。

 ストップウォッチで計った訳ではないが、頭の中で数えてほぼ同じだった。


 さらにステータスを表示させ、MPの回復速度を確認したが、こちらはリアルの時間を基準としていた。



「覚醒もそうだがこれも切り札足り得るスキルだな、MP消費が高いがその分、確かに強力だ」



 敵の回避力が高かろうがこちらの動きが3倍であれば、それはもう回避不能である。

 1つレベルが上がっただけで別次元の強さを感じる。




「超集中も試せたし、そろそろ攻略を再開するか」

 

 とりあえずは降りてきた場所からまっすぐ進むことにする。






 走っているとすぐに魔物に出くわした。


 サイレントスパイダーと呼ばれるレベル5の黒い蜘蛛の魔物だ。

 全長2mもある大型の蜘蛛で、この巨体を持って全く音を出すことなく大きな顎で対象に攻撃してくる。

 気配察知のレベルが低いと全く気付かずに先制攻撃を受けてしまう。

 

 が、ヒバリはその影を目視している。

 すぐに隠れたようだが場所は分かっている。

 纏っていた絶星のうち、光の剣を対象に向かわせる。

 

 隠れているであろう木の影に当たると閃光を放ち、蜘蛛が飛び出してくる。

 あらかじめ氷の剣を待機させて置いたため、飛び出たところへ氷の剣を突き立てる。


 刺さった箇所から体が凍るサイレントスパイダー。

 もう逃げることも出来なくなっている。

 そこへ向かって駆け出していたヒバリは手に持つ剣を振り、蜘蛛を絶命させる。




「レベル5相当だと絶星の剣1本では間に合わないな」


 多少倒しにくさを感じるが、その分経験値が高い。

 仕方ないことだと割り切り、先に進もうとすると前方に魔物の気配が大量に近づいてくる。




「まさか……」




 現れたのはそのまさか。サイレントスパイダーが隠れもせず大量に迫ってくる。


「うげぇ……」


 大量の巨大蜘蛛。


 それが森の中を這いずり回って迫ってくる。


 素早い脚の動きで木を登り、時には降りて、急停止急発進を行う様は見ていて気持ちが悪い。




 ヒバリは虫全般苦手なのである。


 まだカマキリや芋虫は耐えられるが、蜘蛛やゴキ◯リはダメだ。

 一匹なら背筋が凍るだけで済むがこの量は無理なのだ。




「う、うわぁあ〜!」




 精神が決壊を起こす。


 魔族は皆殺しだ! と闇落ちした人間からは考えられない悲鳴を上げ逃げ道を探し出す。


 それほどの大群。百体近くいるんじゃないかと思うほどだ。

 21階層からレベル5の魔物がこんなに現れるのは、その中でも雑魚モンスターではあるが異常である。魔物の活発化の影響だろう。


 軽くパニックに陥ったヒバリは垂直に全力で跳躍を行う。




(気持ち悪い気持ち悪い!! 鳥肌が止まらない! ってかこれ、このまま地上に戻るのは嫌だぞ……)


 大空へ飛び出してから着地を忘れていたことに気付く。

 



「そうだ! 着地出来る場所を作ればいい! アトミック・レイ!」


 大技を地上に放ち、地上には空からの無数に枝分かれした光線が降り注ぐ。

 



ズドドドドド……




 落下中、スキルの跡を見ると1m程のクレーターのようなものが無数に広がっていた。


 どうやら蜘蛛の魔物はほぼ全滅したようだ。

 同時にスキルの効果範囲内の森も死んでしまっているようだ。

 着地をし、周囲を見渡すと光線の当たった場所以外は何事もなさそうだが、当たったであろう箇所は消滅してしまっている。


「結構悲惨なことになってしまった……」


 ここがダンジョンでよかったと思う。

 半径500mほどの円状に森が壊滅している。


 もし自分がレベル10になり魔王と全力で戦ったとしたら、おそらくこれ以上の損害になるだろう。


 決戦の地も選ばなければ行けないなと思った。


 そしてもう一つ、跳躍していたときに見た光景だが、かなり遠くであったが何か建物が見えたのだ。

 それ以外は延々と森が続いていたが、その森の中にある建物は上空から見ると異様な光景に思えた。


「おそらくあそこに階段があるんだな、確かこっちの方向だ。」




 期せずして攻略への道が見つかり、なるべく蜘蛛と合わないように跳躍を繰り返し建物まで向かって行く。




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