第三章 第七話 二度目のダンジョン
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ダンジョンに入り早速、先ほど揉めていた冒険者たちを遠目に見つける。
攻略した階層から始められれば楽なのにな、と思いながら走っていたところ、スライムアントと戦闘中の彼らと遭遇したのだ。
「おい! 早く魔法を打てよ!」
「もう魔力切れだ!」
「ふざけ……コイツ、物理攻撃が効かないんだぞ!!」
「うわぁぁあ! 壁役がやられたぞッ!!」
「オイッ! 後ろに3体目が出てきたぞ!!」
「ウワァ……もうダメだ……」
「引けッ! 撤退だ!」
「お頭! 逃げ場がありません!」
「クソッ……なんとかして入り口まで戻れ! ウォーターショット!」
(大惨事だな……それにしてもスライムアントの2匹や3匹で壊滅する程度なら潜らなければよかったのに)
お頭と呼ばれた男が放った魔法はレベル2の魔法使いが使える魔法だ。
だが、スライムアント相手に水属性は大して効果がない。
わかってはいたのだろう、苦し紛れに使ったように見えた。
案の定、スライムアントは水属性の魔法が直撃してもピンピンしている。
(仕方ない。助けるつもりもないが、通路でそんなにしてられたら邪魔で通れん)
剣を抜き、ふらりと歩き出す。
スライムアントを見据えると威嚇しながら向かってきた。
剣を一振り、剣速の衝撃で爆散するスライムアント。
残り2匹の方に走り出し、同じく爆散させる。
魔石はいらない。今回は20階を目標としているため、1階層の魔石で荷物を増やす必要もない上、20階層と比べれば大して価値もないのだ。
周囲のスライムアントが消えたことを確認すると道の先にさらに2匹現れた。
(もう、このまま進むか)
後ろから、「助かったのか……」と小声が聞こえたが無視して進む。
そのまま走って2匹を撃破。2階層への階段に向かう。
先ほどの冒険者たちから声をかけられたような気がしたが、また時間を取られるのも嫌だったので振り返らなかった。
順調に階層を攻略して行き、たった数時間で10階層まで進む。
10階層のボスは何度でも復活するが、復活する度に敵が変わる。
今回は何だろうなと思い、ボス部屋の扉に触れ、開かれるのを待つ。
その先にいたのはアイアンアント、レベル3の魔物だった。
アイアンアントはその名の通り鉄のような外殻を持ち、物理耐性が高く、魔法耐性もそれなりにある。
唯一、火属性には弱いため、それが使える魔法使いか、火属性物理攻撃が可能な魔法戦士が主だって戦う相手だ。
「サザンクロス」
目にも止まらぬ光速の10連撃のスキル。
距離が多少離れていても飛ぶ斬撃が相手を襲う。
避ける間もなく斬撃を浴びたアイアンアントは、数瞬後、バラバラになり崩れ落ちる。
今回のボスは魔石を拾う。前回はそれなりに高額で引き取ってもらえたため、10階層毎に出現するモンスターの魔石は持ち帰ることにしている。
土属性のため、土色をした魔石だった。
念のため宝箱のドロップがないかも確認するが、今回も残念ながらなかったようだ。
「とりあえず進むか……残りの経験値はどうだろうか」
称号:[ゴブリンキラー]、[コボルトキラー]、[ジャイアントキリング]
職業:天聖
レベル:5
ランク:E
HP:1150/1150
MP:414/452
STR:678
INT:424
VIT:567
AGI:891
EXP:422/6250
職業スキル
-バッシュ-消費MP3
-スラッシュ-消費MP5
-一閃-消費MP10
-サザンクロス-消費MP38
-アトミック・レイ-消費MP95
スキル
<体術:7>、<剣術:7>、<投擲:3>、<回避:5>、<追跡:5>、<隠密:4>、<夜目:2>、<気配察知:3>、<魔法耐性:5>、<自己回復:10>、<鑑定:3>
エクストラスキル
=起死回生=
(経験値全然増えてないな……まだ雑魚モンスターしか倒してないからか)
改めてダンジョンに潜ってから倒した敵を思い出すが、確かにコボルトやらスライムアントしか倒してない。
ダンジョンに潜ってこれでは少なすぎる。
より一層危機感を持って挑まなければならない。
ステータスを確認し、もっと貪欲に経験値を求めるべきだと判断したヒバリは11階層に向かう。
第十一階層は草原だ。
空があり、草木が生え、畦道のような通路があった。
空は青空、雲一つない青々しい空は、人工的に見えて仕方ない。
草は20cm〜50cmで大型の獣が隠れていたりする高さはなさそうだ。
道はあるが、果たしてこの通りに進んで下の階層に降りれるのかはわからない。
(さて、どうするかな……)
しらみつぶしに探すか、道なりに行ってみるか。
こういうときに鷹の目を持つハンターがいると非常に楽が出来る。
(考えていても仕方ない。道があるならそれに従うまでだ)
道なりに進むことにした。
道中、2mほどの大きさの芋虫が大量に現れる。レベル3のシルクキャタピラーだ。
吐く糸はシルクのように綺麗で滑らかに見えるが、実際はピアノ線のように強靭で切れ味も抜群。
捕まると身動きするだけで体が切り刻まれてしまう。
だが、ヒバリにとってはまだ役不足である。
糸は魔法に非常に強く、本体も魔法耐性が高い。反面、斬撃には非常に弱い。
本体は打撃にも弱いため、石の投擲でも大ダメージを狙えるだろう。
ソフトボールサイズの石を拾い、サイドスローで思い切り投げる。
投擲スキルも相まって音速の域だ。
さらに石の回転により、右方向へシュートしながら複数の敵に当たる。
芋虫は本体の速度が遅いため、まともに回避行動も取れず当たった箇所が砕け散る。
そんな音速の大きい石をまともに浴びればただでは済まない。
たった一投で1匹、2匹、3匹と、頭や胴体に直撃していき、計4匹を倒す。
「もはや剣より優秀なんじゃないか?」
そう思っても不思議ではない。期せずして消費MP0の遠距離攻撃を手に入れる。
石が落ちてなければ使えない話だが……。
石を拾い、もう一度全力で投げる。今度は3匹を倒したところで剣を抜く。
「一閃!」
ちょうど大量に密集している場所まで一閃で駆け抜ける。
「スラッシュ!」
横薙ぎで複数の芋虫が真っ二つになる。
まだまだ大量に敵は残っている。
吐かれる糸より速く走り、すれ違いざまに剣を入れていく。
何匹いたかわからなかったが、すでに50匹以上は倒している。
これだけいてくれると経験値が旨いなと思うが、やはりこの量が出るのは異常だろう。
ゴブリンキングやコボルトキング戦とは違い、ここでは特に統率を取り、目的があって進軍しているわけでもない。
考えながら走り回っていると、最後の敵を倒したようだ。
適当に魔石を回収し、ドロップ品であるシルクキャタピラーの絹糸も拾う。
その絹糸は絹布したあと防具になる。
戦闘時の性能そのままに、非常に軽くて頑丈、かつ魔法耐性が付く人気商品だ。
シルクキャタピラーに対して魔法は意味を為さないため、物理攻撃職がメインになるが、近づくと糸の餌食になる。
通常、弓矢などで仕留めて行くが、糸で絡めとられると矢も効果が薄くなるため、厄介な魔物である。
常に供給を求められるアイテムを手に入れ、結構な高値で売れるかな、と思いながらも次の階層への階段を探していく。
今日はまたあとで更新します!
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