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第二章 第十五話 氷賢師の魔法

是非、ブクマなどお待ちしております!




 

 メタルゴーレムの素材は馬車に乗せた。高額で売れるらしい。

 かなり重くなってはいるが、馬車は問題なく先に進む。


 魔石は、ゴーレムの目だと思っていたものがそれとのことだった。

 埋め込まれて取れなかったのでそのまま顔ごと乗っけておいた。

 もちろん魔石は黒。闇属性だから当たり前だ。


 情報共有として魔石の色が属性だと教えると知っているらしかった。

 知らないのは自分たちの属性だ。




 マリベルは言わずもがな氷属性だろう。


 レオンに双槍士は雷属性だと伝えると、確かに雷を帯びるスキルがあると言った。


 ストライカーは水である。リーアはまだ眠っている。




 メタルゴーレムを倒したあとは魔物に遭遇しなかった。




 2日目の夜、コボルトの洞窟まで到着した。

 

 念のため体力を回復させて夜に潜ろう、という話になった。

 魔除の薬液を馬車周辺に撒き、全員体力を回復させる。




 そして翌朝である。


「よし、行きましょう!」


 ヒバリが声をかける。


「なぁ、もう敬語やめねーか? ヒバリが一番強いのはもうわかってるんだ。リーダーはお前だ。それに……もう俺らは仲間だろ?」


「あたしはわかってないけどな!」


 レオンが敬語をやめようと言う。仲間と言ってくれ、嬉しくなり、わかったと返事をした。


 リーアは無視した。




 中に入ると、ところどころに松明があり明るかった。


「全員、周囲を警戒をして。気配を消せる人は気配を消して、察知出来る人は何かあれば報告を……」


「そこの影に敵いるよ!」


 リーアが声を上げる。

 直後、コボルトたちが現れ、全員構える。

 すぐさま行動を起こしたのはレオンだった。


 独断専行、5体のコボルトを高速の突きで倒していった。


「おおっ! レオンさん強い!」


 素直に褒めると顔を下に向けて「さん付けもいらないっての……」と言いながら先に歩き出した。


 陣形を変える提案をした。


 リーアが獣人ならではなのか、気配察知に非常に優れていることがわかり、素早さも相まって先頭に置くことにする。


 その後ろにレオン。短槍とはいっても槍は長い。戦闘力もあるため2番目に置く。


 そしてマリベル、ヒバリと続き、そこそこ奥の方まで歩いてきたため、自身がしんがりを務めることにした。




 しばらく歩くとリーアが足を止める。


「たぶんこの先、コボルトキングがいる。てかコボルトキング以上の気配なんだけど……」


 不吉なことを言い出すリーア。




「わかった。僕が見てくるからみんなは周囲を警戒してて」


 3人は小声で了解、と言い警戒にあたる。




 影から隠密スキルにより気配を殺し、先を見る。






 コボルトキングもいるが、リーアは正しかった。






(魔族がいる……)






 魔族はレベル6だ。


 少し特殊だが、魔族はレベル6の中でも序列がる。

 判別は角の色と数。

 序列1位は白い角が1本。

 序列2位は黒い角が1本。

 序列3位は白か黒の角が2本以上。

 序列4位は角が5本以上。

 序列5位は上記に当てはまらないパターンだ。


 現状で言うと、かなり遠い場所である上、黒いフードをかぶっていて角を確認出来ない。

 何にせよ、レベル4のままだと序列5位にも勝てない。


 ましてや同じレベルだが、ヒバリより戦闘力の低い仲間が3人いるのだ。


 (現状は劣勢だな……)




 しばらく様子を見ていると、魔族はコボルトキングに何かを話したあと、奥に消えてしまう。


(あれか、魔王様の命令とか言うのを伝えてたのか?)


 遠すぎて何を言っていたのかは聞こえない。






 そこは以前のゴブリン戦を行った広場よりも一回り広かった。


 魔物の数はおよそ150体。


 コボルトキング以外にもコボルト、コボルトナックラー、コボルトマジシャン、コボルトエイダーがいる。


強さとしては、

ゴブリン≧コボルト

ソルジャーメイジ=ナックラーマジシャン

ジェネラル<エイダー

ゴブリンキング≦コボルトキング

である。


 エイダーは回復補助職だ。直接の戦闘力はほぼない。

 だが、真っ先に倒す必要のある敵だ。


 しかし相手もそれはわかっている。

 戦闘を始めれば、エイダーは下がり、他が前に出てくるだろう。

 種族としての力としてはほぼゴブリンと互角なのだが、そのエイダーがいる限り、補助魔法の効果によりワンランク上の魔物と化す。


(いるだろうと予想はしてたけど、エルダー多すぎないか?)




 ゴブリンキングがジェネラルを2体従えていたので、コボルトキングもエイダーは2、3体かなと予想していたのだが、10体はいる。




(さて、作戦、どうするかな…。)




 一旦、みんなのところに戻り、状況を説明する。


 レオンとリーアは血の気が引いている。たが覚悟をした目をしていた。


 するとマリベルが語り出す。


「ヒバリさん、実は私……メタルゴーレムが倒れたときに新しい魔法が増えていることに気付いたんです」


 敬語の抜けないマリベルはレベルアップしていたようだ。


(メタルゴーレムの経験値が入ったのか。元々レベルアップ間近だったんだろうな……)


 パーティメンバーの経験値の共有により全員に経験値が入っていることだろう。




「おおーおめでとう! ちなみに何の魔法だか聞いてもいいですか?」


敬語を抜くよう努力しているヒバリだったが、敬語で話されるとつい敬語を返してしまう。




「まだ使ったことがないのでどんな効果かわからないんですけど……感覚で脳裏に浮かぶのは、フローズミストという魔法とオーロラアニマ、ジェロストームという魔法です。」


(ん? なに?! 2レベルも上がったの? たった1匹で?……それはないよな……ってことは元から賢者で、レベルが上がったことによりさらに上級職になったってことか?)


 ジェロストームは賢者が使えて、残り二つは氷賢師の魔法だ。


 氷賢師はレベル4である。


 氷魔法専門で極めていく覚悟がなければならない職だ。

 だが、氷魔法は魔法使いの中では物理的な妨害特化である。

 もちろん攻撃力も高いがMP消費が気になるので攻撃よりもタイミングよく妨害するのが効率的だった。


(なんにせよ、このタイミングでフローズミストはありがたい。広範囲魔法だからな)


「マリベル、教えてくれてありがとう。おかげで突破口が見えてきたよ。少し作戦を考えるから待ってて」


 と言いながら別のことを考えている。




(この子、魔王戦の有力候補じゃないか? 育てていけば間違いなく戦力として考えられる。賢者であるなら他の属性の魔法も使えるはずなんだけど、そこだけは謎だな。まぁあとは、せめてレベル6の氷帝になれればな)




 ヒバリはすでに魔王戦のことを考えていた。


 ちなみにレオンも候補ではある。


 双槍士は手数によりダメージを与えるが、レベルが上がる毎に、ダメージ量が凄まじいことになっていくのだ。

 ただし、攻撃に専念しなくてはならないことと、強敵に対して及び腰になるレオンの性格がネックになる。




「よし! 作戦を決めました! これできっとコボルトキングに勝てます!」


 宣言すると「「「おぉ!」」」と一同から声が上がる。






(まぁ作戦っていうか、フローズミストぶっぱしてあとは乱戦なんだけどね……)




大した作戦でもなかったのである。




今日は最後の更新になります!


また明日更新します!


来週は月曜日に多めに更新出来ると思います!

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