閑話 レオン視点
閑話なので苦手な方、嫌いな方は飛ばして下さい。
特に重要な内容はないです!
最初はこのド素人が!
金目当てか!?
ざっけんな!
そう思っていた。
だがそれが全くの誤解で、むしろ自分の小ささが醜く思えるほどの出来事があった。
初めて会ったのはコボルトキング討伐作戦のときだ。
まっ、まだ出会って間もないんだけどな。
討伐メンバーが自己紹介をしていた中、自分が剣聖だと言い出した。
俺はそのレベルのやつらは全員頭に入っている。
嘘だと思った。
ゴブリンキングをソロで倒したとレティシアさんが言い出したときは、何騙されてんだよ! と少しムッとした。
そして案の定、報酬の話になり参加だけで金貨15枚と聞いたとき、そいつは確実にニヤけた。
それはこの目で見たから間違いない。
誰がお前のお守りなんかするか! と思った。
部屋を出てすぐ声をかけた。
一緒に話をしようと。
そして先導させた。
もう怒りが沸いて仕方がない。
俺は威圧というスキルを持っている。
殺意を持って相手を睨むと対象のレベルにより反応が変わる。
それが人であれば、弱いと崩れ落ち、漏らす。
強ければ殺意を感じ取りすぐに身構える。
そして自分より強い相手は即座に態勢を整え迎撃態勢を取る。
ヤツはとんでもない速度で迎撃態勢を取った。
階段と壁が壊れてんじゃねーか。
なんだコイツ……シャレにならん強さだ……。
ビビらせて帰らせるつもりが逆に殺気を浴びてしまっている自分がいる。
いや、これは殺気じゃない。
覇気だ。
圧倒的な強さを持って相手を戦わずして降参させる。
タイマンじゃ勝てないなと思った。
だが実際、メタルゴーレムが出てきたときは逃げるべきだと思ったんだ。
ゴーレムと言えば物理攻撃、特に斬撃が効きにくいことで有名だ。
その上位種であるメタルゴーレムだ。
耐久性と力が合わさって、近接戦闘職には天敵になる。
今回は魔道士がいたが、アイツは氷魔法しか使えない。
他の魔物ならまだしも、ゴーレムに氷はあまり効かない。
絶対に勝てないと思い撤退を要求すると、ヤツは嬉々として戦おうとしている。
知らん! 勝手にしろ!
だが魔道士はとばっちりで可哀想だ、ヤツが囮になってる間に助けてすぐに逃げよう。
そう予定していた。
魔道士の魔法が放たれた瞬間、独特の構えを見せた。
そして魔法が着弾すると同時にヤツの剣がまぶしく光る。
気になって逃げることも忘れる。
瞬間、ヤツはメタルゴーレムのはるか後方に現れる。
何事だと思ったときにはすでにメタルゴーレムが吹っ飛ばされていた。
と思ったら縦に真っ二つになった。
は?????
強さの次元が違う。
剣聖が俺と同じレベルとは聞いたことがあったが、レティシアの言う通り、剣聖の枠ではないと思った。
はるかに上だ。
何事もなかったかのように、なんとかなりましたね、なんて言うもんだから。
逃げようとしていた俺はすごく恥ずかしくなった。
人として、男として、冒険者として、仲間としても最低だと思った。
それにしてもあの剣技は、すごかった!
同じ剣士として尊敬すr「レオンさんはともかく…… 」
俺はともかく……だと!?
思わぬ追い討ちをかけられたが、俺はアイツに負けないよう頑張りたいと思う。




