第二章 第十二話 パーティメンバー
今日はこれで寝ます!
続きはまた明日更新します!
武器屋からの帰り際、獣人の店員から剣の名前を頂いた。
ユニローズブレイドというらしい。
失敗作だから世界に一つだけだぞ!と付け加えられる。
笑える冗談だ。久しぶりにゲーム脳がうずき出す。獣人のネームセンスを褒めてあげたい。
ギルドに帰るとギルド長みずから出迎えてくれた。
「おかえりなさいヒバリさん。例の話ですが、明日、顔合わせを行います。朝、ギルド職員が呼び出しに行きますので準備していてください」
それではまた明日、と言い2階に消えていった。
ギルドの宿舎へ戻り、自室にてステータスを開く。
変化ないなーと思いながら、コボルトキング討伐に出かければレベルが上がるかなと期待して眠りにつく。
翌朝、予定通りの時間にギルド職員が呼び出しに来る。
コンコンッ
「起きてください」
コンコンコンッ
「起きてください」
……………ガチャッ
今日きたのはマリベルだ。
実はマリベル、Cランク冒険者なのである。
この世界に魔法使いは少なく、幼い頃から徹底した訓練を施されていたこともあり、戦闘能力は常人の数倍はある。
こんななりだが腕相撲をすれば一般人相手なら負けることはない。
そんなマリベルは今日の顔合わせのため、ちょうどいいから迎えに行って一緒に来て欲しいとギルド長から言われ、ヒバリを呼びに来たのだ。
部屋に入ったマリベルは寝ているヒバリを起こそう顔を見る。
「ッ!?」
なんと半目で寝ていた。無性に腹が立ち叩き起こす。
バシバシバシッ
「起きてください!」
バシバシバシッ
「ハッ! いっ…、痛い痛い! 起きてますやめてください! 痛い! 起きてますって!!」
勢いよく起き上がり、謎の暴力に対してやめるように訴える。
「今日はコボルトキング討伐の顔合わせです。早く付いてきてください」
そう言いながら部屋から出て行く。
(ツンツン謎ロリっ子か……また殴られたくないし早く着替えよう)
急いで着替え、昨日購入したユニローズブレイドを腰に引っさげ、部屋を出る。
「遅いです」
「す、すみません」
ツンツンしているマリベルに付いていく。
「武器、新調したんですね」
マリベルから声をかけられる。
(怒ってるんじゃないのか?)
「あ、そうなんです。昨日、武器屋に行きまして早速報酬も使ってしまいました」
「変わった剣ですね」
それだけ言い、顔合わせの部屋までは無言が続く。
顔合わせの部屋はギルド2階の奥を曲がった先にある広めの部屋だった。
中に入るとファサーム子爵、レティシアさん、ミケルさん、昨日の鍛冶屋の人、フルプレートのバルバードを持った人がイスに座っていた。
自分が他の人を待たせたことに焦り、部屋に入るなり「遅くなり申し訳ありませんでした!!」と謝罪したのであった。
「ははっ、朝から元気だね。気にしなくていいよ、まだもう一人来てないからね」
子爵がそう言ってイスに座るよう促してくる。
(もう一人きてないってのは誰なんだろ? てか子爵がいるとか結構大事なのか? キングクラスを倒すとなればそりゃ大事か)
ふと違和感に気付く。
(昨日の鍛冶屋の人がいる……)
視線を送ると、ニッと顔を向けてきた。表裏のなさそうな性格だ。今回のことがわかっていたのか知らなかったのか。
そんなことを考えていると再びドアが開く。
「あー、遅れた。悪い遅れた」
チャラそうな男が入ってきた。服は着崩し、朱色の髪を逆立て、顔は鋭い。
顔は彫り深く、非常に男らしい顔だ。
「よし! 揃ったな! ではみんな、聞いていると思うがこれから指名依頼であるコボルトキング討伐の話をしようと思う!」
ファサーム子爵が司会なのか?作戦会議の開会が宣言された。
「まずは自己紹介だ。ほとんど顔はわかると思うが、自分の扱う武器や特技、戦闘職を教えてくれ。
まずはマリベルくん、頼むよ」
マリベルが今回のパーティメンバーだと!?
一切知らなかったヒバリは驚愕の表情でマリベルを見る。
「はい、マリベルです。武器、というか魔道士です。主に氷魔法で戦います」
しかも希少と言われる魔法が扱える人間、それも上級職の魔道士だった。
「次は俺でいいか? 名前はレオン。武器はこの短槍2本だ。双槍士を名乗ってる」
(レベル4じゃねーか!)
チャラ男は同格だった。無双してると思ってた自分が恥ずかしくなってくる。
「次はあたしな! 名前はリーアだ!武器はこの拳! ナックルで戦うんだ! あ、ストライカーって言われてる!」
ストライカーは拳闘士からの派生だ。
上位職であるモンクから進化することができ、蹴りをメインに戦う職である。
足が速く、小回りも効き、脚という強力な武器で力をそのまま打撃に変える。
極近距離戦特化ということで中々日の目を浴びなかったが、対人戦では無類の強さを誇る。
(またレベル4だ! てかストライカーがなんでナックルメインで鍛冶屋なんだよ! この人おかしいぞ!?)
いろいろ突っ込みたくなるが、ぐっと堪える。リーアさんにはあとで色々聞いてみよう。
「最後はヒバリ君、よろしく」
子爵から合図され、簡単に自己紹介をする。
「ヒバリと言います。武器はロングソードです。
特技は……ないです。今は剣聖やってます」
ほぼ全員がガタッ立ち上がる。
「「「け、剣聖だと!?」」」
さっき二重投稿してしまったみたいです。
あれっ? って思った方、申し訳ありませんでした!




